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6-2 ゴーレムと女の子

どうも。今日から日曜までは連続投稿します。(あとは伸びと書き溜め次第)

ランキングがリセットされたそうなのでよかったら読了後にポチッ☆していただけるとありがたいです。

それと、ゴーレムは今章のカギとなっております。

それでは本編どうぞ>⋂(・ω・)⋂<



「いらっしゃいませー。ただいま簡単クレイゴーレム作成講座を無料で行っておりまーす!」


という声についていって十分後。


「ヤー!」


簡易テントの下に置かれた机の上で太い腕を振り回す手乗りサイズのクレイゴーレムが一体。


見た目は自由に想像してくださいと言われたので、まんま煉瓦を積んだような無骨なゴーレムになってしまった。催眠系の魔法がよく効きそうだ。


勿論、そんな現代日本の知識など周りにはないので、かわいらしい人形のようなものや、魔物や植物を模したものが並んでいる。


「早いですね。初めて方はきっちり形を作るまでに二十分はかかったりするものなんですが、魔法を使う仕事の方ですか?」


呼び込みをしていた女の子に話しかけられる。左胸のプレートには3年と書いてあった。


この魔法学校は基本的に4年制だ。二年間授業を受けた後、魔道具科と魔法科から選択し、また二年間学ぶ。そしてそれを修了した後、素養のある人は研究員や魔法士として雇われ、ここで研究や実験を続けるらしい。


「いや、冒険者だよ。たまたま紹介してくれる人がいたから、来年からここに入学しようと思ってね」

「それでは私たちの後輩になるということですね。もし今日の教室を気に入っていただけたのでしたら、私たちの研究室を訪れてみてください。魔道具研究所5号室です」


ぺこりとお辞儀して、ころころと笑う。日本で言うリケジョ的な立場なのだろうが、至ってそういう怜悧な所を感じさせない、暖かい人だ。


「名前を伺ってもいいですか? あ、俺はユートです。よろしくお願いします」

「私はアズキです。こちらこそよろしくお願いします」


二人でお辞儀をして、目が合って少し笑う。優しそうな目元が、アカリに少し似ているなと思った。


入学したら、この研究室には行ってみよう。そう思った矢先、あっ、と思い出したかのように手を合わせ、


「そういえば、まだこの研究室の説明をしていませんでしたね。えへへ」と照れ隠しに笑う。ごそごそとポケットからいくつかの魔道具を取り出して、机に並べた。


「普段はいろんな魔法を魔道具で再現する研究をしています。このクレイゴーレムは地属性中級魔法【土塊傀儡(クレイゴーレム)】を誰でも発動できるように補助する魔道具によって出来たものです」


土の上に魔道具を乗せる。すぐにむくむくと土が蠢き、小さな女の子の形になった。


「魔法とは違って素材となる土を必要としますが、少ない魔力で、簡単に魔法と同等の効果を行使することが出来ます」


女の子の土人形がとてとてとユートの作ったクレイゴーレムまで歩いていき、お辞儀をする。


「じゃあ、そこの光源魔道具も【発光体(フラッシュ)】を人がいなくも発動できるようにしているから、研究の産物、ってことですね」

「そうですね。最初に発明したのはもっと西のほうにある国ですが、現在一般的に使われているものはこの学校の研究室で改良されたものらしいですよ? 私は魔道具史はとっていないので余り詳しくはないですけど」


つまり、アーク灯が発明されて、エジソンが白熱球の一般用開発をした、というこっちの歴史とさほど変わらないようだ。


魔道具自体もいくつかの鉱石のようなものを組み合わせて作っているようだし、単なる魔法よりこっちのほうが科学的で勉強しがいがあるかもしれない。


「これから親交戦のほうに行かれるんですか?」

「あと幾つか見て回ってから行くつもりです。何があるのか知らないので、少し楽しみです」

「初めてなんですか? 私も三年なので出場しますよ。何があるかは・・・ふふ、お楽しみに」


親交戦、ということだし、何か魔法で試合のようなことをするのだろうか。某〇グ〇ーツ魔法学校のような、空をびゅんびゅん飛び回るやつかもしれない。


机を見れば、さっきのクレイゴーレムが、女の子ゴーレムと机の上を駆け回っていた。自由に意志を持っているのか。


「指令が無くてタイクツしているようですね。他の場所も周るのでしたら時間も無いでしょうし、最後は戻してしまいましょうか」


連鎖する四肢(ボディ・チェイン)〉で腕を消すときよろしく戻れと念じると、一瞬で土に戻ってしまった。


小さな土山から魔道具をつまみ上げ、「これでクレイゴーレム作成講座はおしまいです。お疲れさまでした」とウインク。若干顔が熱くなった。


「うん、ありがとうございました。それじゃ」


簡易テントを出て、次はどこに行こうかと見回す。すぐに見慣れた人影が目に映った。


「あ、やっぱりご主人さまでした!」


メイド服を着た黒髪の猫少女がこちらに走ってくる。もちろんシューミルだ。


「案内まで時間があるから少し見学していいって言われました。ここを通りかかったときに後姿がご主人様に似ている人を見かけたのでもしやとは思ったのですが」

「そうか。それじゃあ一緒に見て回ろうか」

「はい! 人が多くて大変だったのでそうしてくれるとうれしいです。ところでご主人様、少し顔が赤いですが、どうかなされましたか?」

「い・・・・いや、なんでもないよ。じゃあ、どこにいこうか?」


半ば強引に誤魔化しながら、シューミルの手を引いて当てもなく人ごみの中に飛び出した。





完全に余談ですが、私にはキャラを作る前にどんなコスプレさせたいか考えてから作る悪癖があります。

アズキちゃんは赤ずきんちゃんっぽかったので、もじってアズキにしました。

シューミルちゃんはもじってはいませんがもちろんイメージがあります。もう猫耳ついてるくせに。

脳内のイメージを直接画像にできる装置があればいいですね←休みに描いてみようとして挫折しました

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