5-8 強い(確信)
祝!! 総合評価300p突破!!
ありがとうございますありがとうございますm(__)m
勝手にランキングの方もじりじり伸びていて、感謝感激雨霰です!
来週か再来週あたりに連投できそうです。がんばります。
今後もこの作品をよろしくおねがいしますm(__)m
本編どぞ∩(*ω*)∩
クラリス王国。漁港から栄えた、この辺りでは最高峰の国力を誇る国だ。
この国の目玉と言えば、勿論――――クラリス国際魔法学校ではなく、
「これ今まで食った中で一番かもしれないな・・・・」
――――この辺りで発明された漁業専用魔道具『とれ~るネット君V3』により鮮度を保ったまま捕獲された、新鮮な魚介類である。
「これ、凄く豪華ですが・・・本当に私も食べていいのですか?」
「ん、別にいいよ? お金はとりあえずまだ余裕があるし、あんなに大変なことがあったんだから少しくらい息抜きしないと、ね?」
「それではお言葉に甘えて、いただきます――――――――あっ、ほんとだ、美味しいです!」
気に入ってもらえたようだ。嬉しいのか、猫耳がぴこぴこと動いている。
「猫って魚好きなイメージがあったんだけど、やっぱり猫獣人もそうなの?」
「ええ、そういう方は多いです。ただ、たまに嫌いな人もいますよ? 実際うちのパパが魚はあまり好みではないようでしたし」
見渡す限りでは、他の国に比べ結構獣人系の人は見受けられる。規模が大きい国ほど外国人が多いというのはどこの世界でも万国共通なのだろう。
「どうだい? ここの魚は旨いだろう?」
声のするほうを見れば、色黒肌にねじり鉢巻き、太陽に漂白された白い歯がよく似合う、いかにも漁師然としたおっさんだった。
「ボウズは旅人さんかい? 魔法と海鮮の国、クラリス王国へようこそ」
「ありがとうございます。旅人だったんですが、ここの魔法学校に入学しようかと」
「なるほど、ンなら、ここに一時滞在するってわけだ」
「そうですね。何年かはここにいる予定です」
「そうかそうか。んじゃ、これに一枚噛む権利はあるってこった」
漁師が腰のポーチから羊皮紙の束を出す。
「俺は見ての通り何代も続く漁師で、この辺では結構幅利かせてるんだけどな? ここの漁がどんなモンかは聞いてるだろ?」
「魔道具『とれ~るネット君V3』を使うんでしたっけ?」
「そうそう。で、ウチもそれを使ってるわけなんやけど、最近改良版の『とれ~るネット君V4』が開発されて、話題に上ってるって訳だ」
結んである紐を外し、三枚目の羊皮紙を抜き出して見せてくる。そこには何やらサインと、金額のようなものがいくつも書いてあった。
「まだ市場に出回ってないモノなんやけど、ウチのコネを利かせれば事前に購入できそうなんや。それで、出資を募って、額に応じて魚で支払おう、って魂胆や。基本レートは出資額の三倍を予定しとる。『とれ~るネット君V4』を購入してから半年毎月新鮮な魚が届く、便利な方法やろ?」
いきなり出てきて金の話か。相当胡散臭い。コイツ、本当に漁師なのか?
「中心となっている漁師ならお金もあるんじゃないですか? どちらにせよ、僕は結構です」
「いやいや、俺たちも事情があってだな、現にV3が出た時もこれでみんな大儲けしてるんやで?」
あー、面倒くさい奴だ。威圧代わりに〈鬼神の魔眼〉。
ヤシュトア ギート/男性-46歳 犯罪者
体力 162/162
魔力 12/12
腕力 58
知力 46
敏捷 48
耐性 52
スキル
《騙りLv21》(信用性・変装・煽動)
なーにが何代も続く根っからの漁師だ。がっつり詐欺師じゃねーか。逮捕歴もある。
「僕は別にいいです。シューミルも食べ終わったことだし、それでは」
「ちょちょちょちょっと待った。それだったらこっそりボウズの分だけレートを上げてだな」
「はいはい。もう気づかれているようだし、食い下がるのもその辺にしておきましょうか」
後ろからおっさんの肩をたたく長身の男。騒がしかったせいか、ここに来るまで気配に気づかなかった。その代わりと言わんばかりに、今は俗にイケメンオーラと呼ばれる鋭利で大人びた存在感を放っている。
「なんだテメー・・・・・あぁー。すみませんでした」
おっさんが威勢よく反抗しようとしたのをキャンセルして、立ち上がってペコペコと頭を下げている。
「すまないね。ここは活気がある分この類の輩も多くて。まあ、君は最初から騙されなかったようだけど。ああ、名乗り忘れていたね。私はクラリス王国警邏騎士団団長、ロイツェフです。よろしくおねがいします」
「あのー。それじゃああっしはそろそろ用事がありますんで・・・」
「ん? 逃がすと思ったかい? そんなことをしては団長の名が廃るからね。詳しい話は向こうでキッチリ聞こうか」
「あっはい」
やけに小さくなってしまったおっさんの両手に手早く縄をかける。警邏騎士団長というだけあって、この手の人間からは恐れられているわけか。速攻諦めていた辺り、既に顔見知りなのかもしれない。実際ステータスを見る限り、前科もあったようだし。
「それでは、私はこれで。いくら活気のある国でも、うまい話など転がっていないという事をゆめゆめお忘れなきよう。女神の祝福あれ」
軽く祈りをささげ、踵を返して店を出ていく。歩き方も整っていて、一分の隙も無い。
おまけにいつの間にか『こういう輩がいること以外はいい国だから、どうか気分を害さないでくれ。詫びの印だ』という書置きと、ぴったりの代金が机に置かれている。
「なんかすげーな・・・・」
どこから反応していいのかわからず、ユートは言葉を失うのだった。




