表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/104

1-2 異世界転移したけどチートがなんか気持ち悪い


「よし。この辺かな」王都からひとまず出た悠斗は、依頼書と地図を片手に草原を歩く。


初めての依頼はEランクのもので、回復薬の原料となる薬草の採取だ。ユミナさんの説明によると、このあたりはまず魔物に出くわすことはなく、初めての採集依頼にはうってつけだそうだ。


ちなみにギルドにはE~SSのランクがあり、各ランクひとつづつ上下の依頼まで受けられるが、失敗すると成功するまで自分の今のランクまたは一つ下のランクのものしか受けられなくなるらしい。大体の冒険者はDかCランクらしく、SSランクは現在数人しかいないとか。


依頼ごとに期日が決まっていて、この依頼の場合は今日の夕方までだ。それが守れなかった場合、失敗となり、ペナルティーが課される。さっき王都を出る前に広場で時計を見た時、十一時くらいだったので、まだ少し余裕はあるだろう。


「さて、と・・・・」悠斗は辺りを見回し、誰もいないことを確認して、ギルドカードを見た。表綿には身分証明、裏面にはステータスとスキルが載っている。裏面の内容は本人にしか見えない特殊構造らしい。


そのスキル面には、《身体術Lv14》《剣術Lv1》《女神の悪戯Lv1》《再生力Lv1》と印字されている。これを試してみたかったのだ。魔法については現状情報が無いので、後回しにすることにした。


まずは《身体術》。敏捷強化と体力強化が試せそうだ。悠斗は地面を蹴って☓印を二つつけ、その間を走って往復してみた。いわゆるシャトルランというやつだ。途中で側転やロンダートをしながら走ってみたが、やはりいつもより体が軽い。せいぜいいつもよりかなり調子がいい、くらいの感じだが、いざというときは役に立つだろう。


次は《剣術》。こればっかりは比較できるほど経験が無いので、経験を積んで慣れるしかあるまい。百回と決めてから、素振りを始める。


ひゅっ、ひゅっ、ひゅっ、と鉄の剣を振り下ろす。腰に下がっていた初期装備であるリュミさんからもらった剣は、思ったより重くて、最初の数十回は自分が剣に振られているような拙いものだったが、百回を終えるころには実践はともかくトレーニングとしては形になってきたと思う。


剣耐久上昇については試しに何かを切りまくって剣を壊してしまっては元も子もないので諦めることにして、次は《女神の悪戯》。ミラがくれたものということもあり、期待値としては本命だ。


まずは、〈連鎖する四肢(ボディ・チェイン)〉―――――――――――――――――――――――――


悠斗がスキル名を発声した瞬間、ぐじゅりという濁った肉の音がして―――――


悠斗の右手の甲の辺りから、右腕が生えていた。手を動かすと、連動してピクピクと動いた。


――――――――――――――グ、グロしっ!


「・・・・・も、戻せるよな・・・? 戻れっ!」


しゅわっ、と蒸発するような音を立てて増えた腕が消えた。転生して一日で人外認定追放とかヒサンな目に合わなくて済んだことをとりあえず安堵する。ギルドカードを確認すると、魔力が1減っていた。消費魔力は1か。他の魔法はどうなのかわからないが、今の悠斗の魔力は15と低めなので、連射するわけにもいかないだろう。


にしても、なんとも使い難いスキルを手に入れてしまったものだ。ミラもミラでもっとこう使いやすい、全能力100倍とか自動演算とか乱数調整とかそんなのをくれればよかったのに。


いや、場合によっては使えるかもしれない。増やした腕からまた腕を出すことで遠くにある物を取ったり、蹴りが遠くまで届いたり・・・・・・うーん、ちょっと楽しくなってきたな。創作意欲が刺激される。


悠斗はそれから何度か試してみて、それらが実際に出来ることを確認した。他にも、同時にいくつでも出せること、実際のところは腕をどう動かすか考えるのが難しいので、複雑な動きをするなら現実的には3本が限界だということが解った。


とりあえず、人前で使えないこのスキルはいざというとき以外は封印しておくのが得策だろう。勿論誰もいないところで訓練くらいはするつもりだが。


気を取り直して、鬼神の魔眼を試そう。ただ、これも大変なスキルである可能性もあるので、慎重に。


「〈鬼神のま――――あれっ?」


悠斗がスキル名を唱えきる前に目の前に、パソコンのウィンドウのようなものが現れた。


〇アリガチ草

どこにでもすぐに生えてくるありがちな草。特に使い道はない。


「鑑定、か?」


ギルドカードを確認してみると消費魔力は0だった。他の草や石、虫なども調べてみたが、一向に魔力は消費しない。これはかなり便利スキルなようだ。発声前に発動したということは、こっそり調べたい時にも使えるように発声の必要が無いタイプなのだろう。


試しに今度は腰に下がった剣に〈鬼神の魔眼〉。


〇案内天使の加護剣

耐久力150/150

案内天使の加護がこもった剣。丈夫で、何かの力がある、かもしれない。


かもしれない・・・・・・?まあ、丈夫なわけだし、初心者が剣として使う分には申し分ないのだろう。なかなかいいものを貰えた。


ワクワクをこらえきれずについガッツポーズ。気づくともう日は高く昇っていた。感覚的には二時ごろだろうか。そろそろ依頼をこなそう。


もちろん、使うのは鬼神の魔眼だ。体力上昇と再生力によって底上げされたスタミナを駆使して走り続け、片っ端から草を鑑定していき、『ナオリ草』という文字が出たらそれを回収する。悠斗は日が傾くまでそれを延々繰り返した。


タイトル回収。能力は今後増えてきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ