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4-2 モーガンさんのパーフェクト魔法教室

魔法についての概念がやっと固まったので説明回です←今まであまり考えてなかった

あっそれと、今章に起伏は ないです。

「それでは始めようかユート君。確か本を読んだんだったね。それでは復習から始めよう。魔法とは何だい?」


執事さんが的を用意するのを待つ間、モーガンさんが試すように聞いてくる。


「はい。この世のほぼすべての物質が有する魔力というリソースに意味を持たせて意識的に動かすことで、術者の望む現象を起こすことです」

「ご名答。それでは、魔力とは?」

「はい。女神が世界を創造するために支払った魔力の残滓です」

「正解。それでは女神はどこから魔力を支払った?」

「えっ? ・・・・と、よくわからないです」

「大正解。そんなの誰も知りえちゃいない。そもそも女神がいてそれが魔力を行使して世界を作ったかどうかも怪しいのだよ。つまり、魔力の正体が何なのかも実は誰にも説明できていないし、言ってしまえば魔法が何なのかも誰も説明できないのだ」


モーガンさんは本に書いてあった一般論を一通り否定して見せて、楽しそうに笑っている。


「・・・・・どういうことですか?」

「細かいことは置いといて、魔法とは魔力という偶像を崇拝(イメージ)して放つことで起こせる奇跡、ということだけを理解しておけば十分ということだよ」


・・・・ひょっとして、この人もアカリみたいに『ぱーってやったらできた』とか言わないよな?


「じゃあ、魔力は女神が持ってきたものだということを信じないんですか?」

「大昔、女神は邪神と戦ったそうだけど、私は見たことがないからね。まぁ、年中行事には宗教的な始まりを持つものも多いし、積極的な信者というわけではない、程度だけどね」


日本でいうクリスマスとかバレンタインデーみたいなものか。


「君も女神を信じないクチに見えるけど、どうだい?」

「いえ。女神がいるとは思っていますよ? それが本当に素晴らしいものかは謎ですけど」


まぁ、一回本物にお目にかかったし、それからも一週間おきに分身体に会ってるしな。


「おっと、準備ができたようだな。それでは閑話休題、そろそろ現実的な話をしよう。それでは、射撃(ショット)を使ってみてくれ」

「はい。【射撃(ショット)】」


用意された木の板に、魔力の塊を放つ。数メートル先にあるその的は存外分厚かったようで、中心に当たったのに倒れもしなかった。


「うむ。普通の射撃(ショット)にしては威力も精度もいいな。ただ、本を読んだならわかると思うが、それは魔力に()()()()()()()はいない、そうだろう?」


モーガンさんは得意げに前に出ると、手をかざした。


「こうやって魔力に意味を持たせると、威力は激変する———【雷鳴(トルデォン)】———」


バヂィ! と激しい音と共に稲妻が走る。的が焦げて焼き切れていた。


「今ので中級魔法だ。何度も発動していると魔力効率は上がるが、私は練習してやっと一度に8消費にまで落とすので限界だった。基本的に上級になればなるほど魔力使用量は増えるから、自分の魔力値と相談しながら使うこと」


えっと、今の魔力は・・・40か。最後にギルドカードを確認した時から5も伸びている。


「じゃあ僕はそのくらい練習すれば五回使えるわけですね」

「いや、そうとは限らないぞ? 私は雷系に少し適性があったからこの程度だが、適性の無い魔法を発動する時はかなりの魔力を行使することになるからな。それに、基本的に魔力を空にして活動できる人間なぞいないから、一撃で仕留められてその後安全である確証が持てるとき以外は魔力は計算して残すべきだな」


適性か。本に書いてあった情報によると、「調べる方法は無いから色々使ってみよう」だそうだ。使えねぇ。


「取りあえず、本に書いてある初級魔法を全部使ってみて、適性を測ってみます」

「ああ。そうだな。魔力を行使した結果、どのようになるのかを明確にイメージするのがコツだぞ。違う結果を引き起こしては、それは魔法とは言えないからな」


部屋から持って来た本をめくる。初級魔法の欄には、火系、水系、風系、雷系、地系の五つの魔法が載っていた。他にも癒系、光系、闇系、幻系など、いくつもの種類があるが、イメージがしづらいらしく、初級魔法でも発動できないことも多いらしい。


「じゃあまずは火系から・・・【火炎(フラム)】」


本に書いてあった通り、松明を想像しながら発動すると、かざした手の前に炎が現れる。ギルドカードで確認すると、消費魔力は4だった。


「次は水系・・・・【水流(ヴァッサー)】」


川を想像しながら発動。これもしっかり発動した。消費魔力は4。


それから風系の【風刃(カマイタチ)】、雷系の【小雷(スパーク)】、地系の【土塊(グラン)】も試したが、どれも一応発動はできて、消費魔力は4だった。ただ、【小雷(スパーク)】は発動までに時間がかかってしまったので、あまり向いていないのかもしれない。


「一応どれも発動できましたよ」


魔力の使い過ぎで疲れたと言って戻っていったモーガンさんに報告する。


「どれもって、どれもか?」

「・・・ええっと、五種の初級魔法だけですよ? 分かったのは雷系の発動が少し遅くて向いてないんじゃないか、ってことですね」


ガバッ、とモーガンさんが起き上がる。


「・・・本当に今まで魔法を使ったことがないのか?」

「ええ。そうですけど」

「むー。大体その五つを使えるようになるには数週間かかるというのが常識なのだが・・・少し呑み込みが早すぎないか?」


想像する時に腕を増やす時の感触をイメージしながらやったら上手くいくようになったんだが・・・これ、馬車に乗ってた時に腕増やす練習したり、昨日数十本腕を出したことに起因しているのか?


「————–—–—と、取り敢えず、明日続きを教えよう。明日までに初級魔法をスムーズに出せるよう練習しておくこと」

「はい、わかりました」


モーガンさんを驚かせることができたということを少しうれしく思いつつ、再び庭へ戻るのだった。





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