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2-11 痛い女神

目を覚ますと、青い無限の空間。


「ちょうど7日だったからな」


前々回と前回でなんとなく覚えたタイミングを思い出しながら、「今だ!」と振り向く。


「お迎えに上がりました。ユート様」


天使が現れたのは、振り向いたユートの後ろ、つまりユートの正面だった方向だ。


「タイミングはわかってたはずだけどな・・・」


音も気配も無しに後ろにいたので、転移の瞬間を見たいと思って振り向いてみたが、どうも見ることはかなわないらしい。


後ろも見えるスキルとかあったらな・・・・なんて思いつつ目を瞑り、女神のもとへ送ってもらうのだった。



________________________________________




「よく来たな、人間。我こそは黒神宮の主、ミラ=ゼラディアス=ルールなり」


ガチャン、という音とともに、スポットライトが灯る。現れたのは、真っ黒のゴスロリドレスに身を包み、金髪をツインテールに纏めた眼帯少女、ミラだった。因みにスポットライトを当てているのは天使さんだった。お疲れ様です。


「おおー、今日は一段と痛々しいっすねー」適当に相槌を打ちながら、拍手しておく。


「人間、我に記憶を差し出せ。フフ、案ずるな。貴様の行動にとやかくは言わん」


そう言って、おでこに触れようとする。


が、


「ええい煩わしい。ひざまづけ」


そう。少女モードのミラではユートのおでこまで手が届かないのだ。


「はいはい。これでいいですか?」


しゃがんで、頭を突き出す。「抵抗するでないぞ」と幼女の柔らかい手がおでこに触れる。


「ふむ。まずまずじゃな」とドヤ顔。


とやかく言わないとか言ったくせに・・・・・・


「まあよい。それで、世界等に変わったことや、要望などはあるか?」

「能力です。内容はともかく、コンセプトとビジュアル面に配慮のある判断を」


即答。今回は能力が役にたったという感じはするが、あくまで誰にも(・・・)気づかれなかった(・・・・・・・・)場合(・・)だけであって、もっとこう・・・嫌悪感を抱かれないやつに取り替えてほしい。


「ふむ・・・つまり力が欲しいということじゃな?」


カッコいい響きで多少喜んでいるようだが・・・・・・多分違う。


「いやそうじゃなくて、今までのやつを取り替えて欲しいかなーって」


するとカッと目を見開き、「なんと・・・」驚きを漏らすミラ。


「さらなる転生の儀を行い、新たなる自己の創生を望むか――――――ククク、面白い奴だ」

「駄目だ・・・・・病んでる」


コイツに言いたいことを伝えるのは至難の業かもしれない。今回は見送って、次回に期待しよう。


あー、やっぱいいです。と言いかけたその時。


「ィイーッヒッヒッヒ、ヒヒャハハハハハッ」

「ッ!?」


甲高く嗤う、魔女を彷彿とさせる女の声。


「どうした、我が卷属よ」


そう言ってポケットから取り出した携帯を耳に当てるミラ。着信音が心臓に悪すぎるぞ。相手は本物ミラだろうけど、卷属とか呼んじゃっていいのか?


「あっはい。気をつけます」


やっぱり怒られてるじゃないか。ざまあ。


「はい。言っています。・・・・・・・はい。わかりました」


それから少し言葉を交わして、電話を切る。


「ククク・・・・貴様は運が良い・・・・・」


満面の笑みで言うミラ。嫌な予感しかしない。


「貴様に我が英知の結晶より湧出せし力の雫を与えてやろう・・・」

「いいです」


ミラはテンションが最高潮に達しているのか、聞く耳を持たない。


「やれ」

「はい!」


またどこからともなく現れた天使に押さえつけられる。えっと・・・・・・天使さんやわらかかったです。いや、そんなこと考えている場合じゃない。


「貴様の魂に深淵を刻んでやろう――――――――――――〈〈代行者の祝福(アオフヴァッヘン)〉〉


足元に青白く光る魔法陣のようなものが現れ、体が熱くなる。


外側からでなく、体内から熱が発生する。電子レンジに入れられるとこんな感じなのかもしれない。


「う・・・・・あ・・・・」


体が痛い。目が霞む。


ユートの意識が落ちるまで、そう時間はかからなかった。


三章は少し緩めにしようと思っています。あらすじにも時々シリアスと書いていますし、二章開始時にもヒロイン出すとか言いつつなんか鬱話になってますし、何より私が疲れます(きっぱり)

ということで次回から少し緩めの三章、開始いたします。


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