1-8 衝撃の事実(?)
「ふぅー。少し飲みすぎちゃいました」
深夜。宴会も終わり、酔いつぶれたクランたちを見ながらアカリが言う。
「みんな寝ちゃったな。アカリはお酒強いの?」
「いえ、頃合いを見計らったら回復をかけているので。ほんとだったらとっくに具合が悪くなってます」
なるほど。じゃあ俺と同じ原理だな。俺の場合は《再生力》スキルの状態異常回復が自動的に酔いを覚ましてくれるので、自発的ではないが。
「それじゃあ、どうする?このまま寝かせとくのもなんだし、運ぶか起こすかだけど」
「うーん、さすがにこんなにたくさん起こすほど魔力が残ってないので、みんなと、あと村の人を数人起こして、どこに運ぶかを聞きましょう。【小癒】」
アカリがクラン、ファスター、ファム、村長の四人に回復をかける。それから暫くぺちぺちしていると、みんな起きてきた。
「ン・・あ・・あぁ・・・ああ、アカリ。いつも助かるっス」
「ぁーあ。アカリ、おはようっさね。ってありゃ、まだ夜だったっさね」
「おお、冒険者殿。すまないのう」
「・・・・・スヤァ・・・・って痛ぅぁ!?」
アカリ・・・・朝クランを起こした時から思ってたけど、クランに容赦ないな・・・・・
「えっと、僕たちってどこで寝ればいいですか? あと、人手も足りないようですし、片づけとかも手伝いますよ?」
「いやいや御心配なく。みなさまは明日に向けて英気を養って下さい。誰か、寝所を案内してやってくれー」
すぐに女将さん然とした人がやってきて、案内してくれた。
そこには部屋が五つ。中にはシングルベッドと箪笥と机だけだが、わざわざ個室を用意してくれたらしい。ファスターが舌打ちした気がしたが気のせいだろう。
「俺は真ん中だろうよ。いいか?」
「じゃあ俺はその一つ手前を貰うっス」
「アタシは一番奥かな」
「私はファムと一緒に寝るので、奥で」
えっ。
クランからファスター、そしてユートへと目くばせがまわる。この間なんと0,1秒。
そして何事もなかったかのようにタイムを貰い迅速に集合、第一回ひそひそ会議が始まる。
「知ってたか?」とクラン。
「知らないっス」とファスター。
勿論ユートも知らないので、首を振っておく。
「そんなに大きくない一つのベッドに、女の子二人で寝るっスか・・・・」
「当然のように言うあたり、いつものことなのか・・・・・?」
唾をのむゴクリという音が聞こえてきそうだ。
「と、取り敢えず様子見っスよ」
「サポートはするよ」
「じゃあ俺が先陣か。これは苦戦しそうだろうよ」
と短く言葉を交してから、戻る。
「ア、アカリ? いつもファムと寝てたのか?」とクラン。
「はい。ここに入る前からそうでしたよ?」当然のようにアカリが言う。
「う、うん。まあそうだ。アタシがアカリと組んでからはずっとそうだったっさね」ファムは多少恥ずかしいのだろう。少したじたじだ。
これは不味い。アカリが今にも「どうしたんですか?」と訊いてきそうだ。
「そ、そレじゃア、僕は三番目を貰おうカな。ほ、ホら、四番目っテ縁起悪いしネー」片言だったけど何とか話を変えることに成功した。
「おっそうだな」とクランも無理やり飲み下す。
「それじゃあ、俺はもう寝るっス。おやす―――――」
ここでさえぎるように、アカリが追加爆撃。
「ところで、お風呂とかってあったりしますか?」
先程からずっと表情を変えていない女将さんが、「ええ。露天風呂となっておりますが、よろしいですか?」と答える。
「おっ、じゃあアタシも入ろうかな。案内頼むっさね」
第二回ひそひそ会議が開始した。




