口開く魔への扉4
『求める者と探る者』
時は少しばかり遡る。
「学級委員、さっきあなたが言った事には偽りがあるわ」
人気のない廊下を歩いていた二年D組学級委員、ルガー・サイレントは不意に響いた声に歩みを止めた。
「自分に用ですか白雪?」
慌てもせずに振り返った先に立っていたのは、短く切りそろえられたプラチナブロンドから覗く、刃物のような鋭い眼差し、通る鼻梁には縁なしのメガネ。紅を塗らなくとも鮮やかな唇。
現実感のないガラス細工のような少女だった。女性にしては高めの身長と中性的な肢体が、その印象に拍車をかける。
「私の言った言葉を理解できていないの?」
ルガーはその言葉に苦笑して正面に向き直る。
「あなたは利益がないと言ったけれど、魔王討伐はハイリスクハイリターン。前回の討伐者……私の知り合いがそう言っていたわ。真実を隠すのはどういうつもり?」
少女の名前は白雪 咲。所属するのは戦闘学科。ただし、本籍を理工学科の特殊科学学部に置くダブルメジャーだ。
とはいえ、彼女の資質は科学者よりも戦闘者に向いていたようで、実験に失敗し校舎を半壊させた後、先輩で友人の男性の進めもあり、二年に進級してから戦闘学科の機械戦闘学部にも所属する事になった。
ただし、資格認定試験の時にやりすぎてしまったようで、デンジャーのDとまで呼ばれる問題児の収容施設、二年D組に所属させられる事になった少女である。
「全員があなたのような人柄ならば包み隠さず言えたんですけどね」
人差し指でメガネのズレを直し、ルガーは溜息一つ。
「下手したら全ての禁忌指定の宝具を持ち出されるかもしれないですからね。必死に隠蔽しましたよ」
「でも、長船、吹雪、梓とその友人四名だけでは力不足じゃないの?」
怜悧な声は感情らしい感情を宿していない。ただ、淡々と言葉を口にしているだけ。そんな印象をルガーは受ける。
「ならば、あなたも行きますか? 参加は自由ですよ」
試すような響きに咲は眉をしかめた。
「別にこれ以上の禁忌は欲っしてないわ。ただ、あなたの口にした偽りが気になっただけよ」
「なら、自分は行きますよ。これでも忙しいので」
そう言って歩き出そうとするルガーの背に三人目の声がかかる。
「ルガー、話しは聞かせてもらったぜ?」
感情を殺ぎ落としたような固い声色の咲に反して、明らかに軽く軟派な少年の声が響く。
「なーんか面白い話ししてるから、聞き耳立てたら案の定」
声は咲から後方。彼女が振り返る前に声の主は咲と肩を並べていた。
「自分としたことが迂闊でした」
「ふふん、情報学部のお前を出し抜けたなんて自慢できるかな?」
脱色した長い茶髪を後ろでまとめた長身気味の少年だ。整った容姿は咲と共通する部分があるが、豊富な表情がそれを補っている。しかし、その表情が消えればひどく冷たい横顔が覗く事を咲は知っている。
彼の名前はアレフ・マステマ。「嘘つき(ライアー)」の名で有名な生徒である。性格の悪さと狡賢さでは、同クラスの黒づくめに匹敵するとも言われていた。
「厄介な人に知られてしまいましたね」
「この情報、いくらで売れると思う?」
にんまり笑って問い掛ける。
「こういう生徒がいるから公表しなかったんですよ」
「でしょうね。でも、私の知ったことじゃないわ」
言うなり背を向けようとするとルガーの声で制止がかかる。
「あなたとアレフに依頼があります」
「俺に?」「私も?」
突然の提案に両名が首を傾げる。
「どういうつもり?」
その質問に、やれやれといった様子で肩をすくめるルガー。
「アレフ、あなたは利益の独占を望んでいるはずですね?」
「知った奴が少ないのには越したことないだろ?」
質問を質問で返されながらも、戦闘学科 情報学部のホープは嫌そうな顔すらしない。
「本来魔王討伐には、監視という意味で情報学部の生徒が同行する事を義務付けられています」
「知っているわ」
答えたのは咲。
「とはいえ、彼等四人に同行を申し出たところで、用心深い吹雪が納得するとも思えません」
あり得ない話しではないと言って頷くアレフを横目に、あんたもねと心の中で言ってやる。
「というわけで、彼等が先行した後に、私が後をつけ、保管されている禁忌指定の宝具が規定の場所に封印されているかどうか確認しなければならないんです」
「私達への依頼・・・それはあなたの護衛?」
ルガーは頷く。
「残念な事に、私自身の単式戦闘能力は、普通の人間の身体を多少鍛えた程度のものであり、魔王や準魔王を相手に出来るほど秀でていないんですよ」
「それ言ったら吹雪や俺もだぜ?」
その質問に対しては、あっさりと答える。
「あなたの場合は保険です。それに、準禁忌指定の宝具を優先的に渡すと言えば、口も堅くなるし、あなたのメリットにもなります」
「本命はサキなわけね」
「断っても構いませんよ? ただし、今回の魔王討伐が終了すれば次元回廊を隔離し、次の魔王討伐まで進入禁止にしますから」
「・・・・・。」
アレフの目元に値踏みするような光が帯びる。だが、それよりも咲が口を開く方が早かった。
「私はやらないわよ」
「サ、サキ?! 俺の利益のため・・・もとい四人の安全のために協力してやるような優しさはないのかよ!」
微妙に本音が出ている上に、監視が目的とされているのだから協力云々は関係ない。
「助けにはなりますよ。自分達が排除する準魔王もいないわけではありませんから」
まるで、咲の内心を呼んだかのような物言いに視線の刃が凄みを増す。
「私は禁忌指定の概念兵器に興味はないし、準禁忌指定の品物が欲しいわけでもない。ハイリスクローリターンの馬鹿げた事件に首を突っ込むつもりはないわ」
そして、今度こそ背を向けて、一歩を踏み出す。
「あなたの身体が秘める禁忌も、次元回廊に封印されているのですよ?」
「・・・・・っ」
意思と身体が一致しない。そのまま歩き続けるはずだったのに、身体の方は振り返りざまに疾走し、ルガーの両足を払った上で押し倒していた。その上で太ももに通していたホルダーから一本のナイフを引き抜き眼前に突きつける。
「あなたはどこまで知ってるの?」
「自分の知っている事など、世界に広がる可能性に比べたらちっぽけなもの・・・」
「今の私は機嫌が悪い。頚動脈を切り裂かれたくなかったら言いなさい」
銀の切っ先を眼球に向けながら再度問い掛ける。
「アレフ、助けてくれないんですか?」
「サキを邪魔した後が怖い。残念な事に、俺の命は一つしかないんでね」
両手を上げているのは降参のポーズ。とはいえ、それでも油断できないのがアレフの持つ二つ名の意味であり、二重の警戒をしながら咲は促す。
「言いなさい。言っておくけど嘘は無意味よ。私にはそれが見えるから」
なぜ? とは聞かない。それだけに確信を深める。この男は知っていると。。
「情報学部校舎半壊事件、その時に記録されていた映像を見たんですよ。もっとも、自分が隠蔽したので知っているのは自分か、極わずかな人数です」
「調べなさい。でなければ血の花が咲くわ」
咲は冗談を言ってるわけでもなく、限りなく本気だ。それだけに言葉はシンプルになり、シャープに研ぎ澄まされている。
「だったら、自分の願いも聞いて欲しいものですね」
「・・・あなたって人は」
音が鳴るほど歯を食いしばりながらも、最大の自制心を利かせながら、殺人直前の刃を引いて立ち上がる。
「協力はしてあげる。その代わり…………………………次は殺す」
壁に打ち込まれたハードポイントにかけられる時計の針が指すのは早朝の五時。時間を確認してから身を起こし、部屋着代わりの制服を脱ぎ捨てる。
そして、現れるのはほっそりとした肢体。ほくろ一つ無い白い肌、無駄な贅肉など一切見られない引き締まった身体。
「気が進まないわね」
タンスの引き出しを引いて手に取ったのは、白と黒の拘束衣。いや、拘束衣ではない。白と黒を基調とした一体型ドレスの全身を被うのは拘束器具に酷似したベルトの群。袖には切り離せるようにジッパーまで入っている。そして、大きくジッパースリットの入ったロングスカートの裾も、奇怪な形状の金属片がいくつも下げられていた。
見た目や機能性を無視した矛盾した衣装。
しかし、銀糸の少女はその矛盾など構わずに、ダテでつけていたメガネを外し、スリットから覗く太ももにナイフホルダーを装着する。持っていくのはそれだけだ。他には何も必要ない。
「・・・・・っ」
咲の目的は特定の禁忌の破壊。それだけで、それだけに失敗は許されない。だから、そのためにはどんな手段をとっても成し遂げる。そう心の中で誓い、咲は進む事を選んだ。
呼び出されたのは早朝だった。
場所には咲は勿論、アレフの姿も。ルガーのクラス戦闘学科の敷地内……つまり、校舎前だ。
「一応時間通りなのね」
「誘ったのは自分ですから」
学科指定のブレザーはそのままに、ベージュカラーのロングコートを羽織って現れたのは、いつも通りの伊達メガネを鼻にかけたルガーだった。
「それは?」
コートを指差し尋ねると、柔らかな笑みを浮かべる。
「自分は印象に残りにくいですからね。だから、これを着ていると余計に覚えづらいらしいんです。人ごみの中なら尚更です」
ルガーの顔立ち自体は悪くない。むしろ、美形と言って良いだろう。しかし、なまじ整っているために印象に残りづらい。伊達めがねを外せば余計にそうだろう。
「ふーん、サキの方は印象的過ぎるけどな」
「余計なお世話よ」
対するアレフは皮ジャンにプリントシャツと擦り切れたジーンズ。
「あなた達の装備は?」
「拳銃とか手榴弾。そんな持ってきてないな」
「自分は様々な種類の兵器を持ってきています。欲しいものがあるなら、その時言ってください」
「そう、でも、私には何も必要ないわ」
言うなりルガーは苦笑し、アレフは意味なくへらへら笑っている。
「場所を早く言いなさい。でなければ帰るわよ?」
「場所は魔法学科校舎の一角。次元回廊と呼ばれる異界です。それでは行きましょうか」
「中は思ったより普通なんだな」
空き地に置かれた、ただの扉を開くなり、転送された世界は、魔王討伐といイメージからかけ離れた近代的な構造をしていた。
「魔王討伐というのはわかりやすく言うための呼称ですから。本来は概念集合体消去任務と言うんです」
「そんなことはどうでも良いわ。それよりも、先行している四人は、いつここに入ったの?」
三十分前という返事を受け、わずかに考えるように首を傾げる。
「追いつけない距離じゃない。事情を話して協力を求めたらどう?」
「まとまった集団行動を取るよりも、個別での調査の方が効率がいいんですよ。それとも、怖いんですか?」
小馬鹿にしたような口調。だが、それは本心でなく演技だと予測する。
「何を隠しているの?」
その質問は、曖昧に笑う事によって誤魔化される。
「・・・別に構わないわ。ただし、私にデメリットになるようだったら、月曜日、あなたの机には一輪の花が添えられる事になるから」
冗談ではなく、限りなく本気だ。咲は自身に害を与えるような者の存在を容認できるほど甘い人間ではない。そして、相手が情報学部の裏をかくために入ったという人物なら尚更だ。
「とりあえず進もうぜ。準禁忌指定宝具が俺を待ってる」
普段からはいかにサボるかというくだらない事に情熱を燃やしているアレフのやる気も溜息を誘うのみ。
「自分の身くらいは自分で守りなさい。私は最低限の護衛しか出来ないわよ?」
「俺の護衛はないわけ?」
アレフの問いを黙殺し、何も言わずに進み始める。
「それじゃあ行きましょう。最初の角を右に曲がってください」
それから始まったのは、歩くだけで時折思い出したように扉のようなものを開き、中に安置されている物を確認するという退屈極まりない作業だった。
「これは禁忌指定ナンバー045号 魔女の首飾り。持っているだけで災厄が襲い掛かるデメリットのみの宝具です。これなら持ち出してもいいですよ?」
薄く笑ってアレフを見る。すると彼は両手を皮ジャンのポケットに手を突っ込んで笑う。
「生憎間に合ってる」
そして、扉は閉じられ、再び前進が始まる。
「他の四人もこんな調子かしら」
「どうでしょうかね、自分達はこんな調子ですが準魔王に一瞬で囲まれる可能性も捨て切れません」
「発生数はわからないの?」
ルガーは頷き、アレフが嫌そうな顔をする。
「暴走寸前の宝具を処分したり、新しい宝具を持ち込んだりするので平均が取れないんです。一応探知機のようなものはあるんですが、波長がとても短いため、ある程度接近するまでわかりません」
言って左手首に装着した時計のような物を指差して見せる。
「どれくらいでわかるんだ?」
「十五メートル前後です」
人を超える力を持つものに、その程度の距離では逃走は不可能。出来るのは心構えくらいのものだ。それは戦うためか、諦めるためか。
「おや? 丁度来たみたいです」
ルガーがそう言うなり手首の探知機が赤く光って警告音を鳴らす。
「魔力の収束率は高いようですが、顕現値が低い。ゲームで言うならちょっと強いザコキャラってところです」
ひたすら続く直線の角から緑の鱗で覆われた鼻先が突き出すのが見えた。
「俺の想像が正しいならザコどころじゃすまないぞ?」
「探知機の信頼性が低いものですね」
「邪魔になるようだったら放り捨てるわ」
咲は、太ももに装着していた大振りのナイフを左手で握って引き抜く。
「私が先行するから援護しなさい」
左半身に構えながら、現れようとする緑色の準魔王を見据える。そして、それが全容を現したところで咲は単身駆け出した。
『全長四メートル程、緑色の体表に爬虫類じみた形状。突き出した四本角に皮膜の張った翼・・・まるで竜そのものね』
両者の間は十メートル前後、人の足でも一瞬で辿り着くような短い距離。咲は気付いていても竜は気付いていない。それだけの違いであり、致命的な違い。
「っ!」
短く呼気を吐いて手の中の刃を一閃。
咲と同じく怜悧で鋭利な刃は竜の首筋を大きく切り裂きながら振り抜かれる。
『!!!!!』
響き渡る異形の悲鳴。だが、悲鳴が上がるという事は致命に至っていないという証拠だ。それを理解している咲は小さく舌打ち。
「サキ、跳べ」
大きくもないアレフの声に咲は即座に反応。床を蹴って大きく跳躍すると、それを追って竜の口蓋が迫る。だが、連続して銃声が鳴り響き、赤黒い血の華が咲いて竜の動きが停滞する。その隙を縫って再び床を蹴り、左の懐に回り込む。アレフの銃撃に巻き込まれないための配慮であり、アレフの作り出した状況でもある。
「気にいらないけど有能なのは確かね」
生物ならば急所である延髄を狙って、弾丸の如き勢いの刺突を放つ。瞬間的な捻りを加えた為に抉るように体表を切り裂いた。
『!』
そして、ナイフを逆手に持ち替え旋回。刹那の加速によって通常以上の威力を得て、竜の眉間に突き立つ。そして、悲鳴が上がるよりも先に放たれた直蹴りが手放したナイフの柄に叩き込まれ、銀の刃は根元まで埋まった。
『Ooooooon!』
悲鳴を上げて仰け反りながらも、竜はあがくように左前足をすくい上げるように繰り出した。勢いといい質量といい、受けとめただけで骨が砕けそうな一撃。だが、咲は避けようともしない。
「生憎こちらは特別製よ」
右目が一瞬輝いたかと思えば、その右目と右腕が連動して動く。そして、それは鉤爪を生やした巨躯の一撃を、ハエを払うかのようにいなし、
「堕ちなさい」
声と共に翻った拳を竜の鼻っ面に叩き込む。その瞬間、拳ではありえないような轟音が鳴ったかと思えば、異形の巨躯が凄まじい勢いで背後の壁に叩きつけられた。
「?」
咲が訝しかしむ様に目を細める。
理由は壁に叩きつけられ床に倒れた竜にあった。その竜の全身からキラキラと光る粒子が放たれだしたかと思えば、不意にその姿が消えてなくなった。そして、ナイフが床に落ちる乾いた音が続く。
「これは・・・」
「準魔王を構成していた概念核が今のダメージに形状を保てなくなったんだと思います。姿を消したのは、元々いないはずの存在ですから」
いつの間にか後ろに立っていたルガーが咲の疑問を解消する。とはいえ、気付けなかったのは咲の不覚だ。咲は、まだこの情報学部の少年に心を許していない。無論、軽薄に笑うアレフも同様だ。
「サキ、お前も近接戦闘学部に入ったらどうよ?」
「間に合ってるわ。あなたこそ普段から全力を出しなさい。そしたら、猫の手程度に認識してあげるわ」
冷たく言い捨て、落ちていたナイフを拾ってホルダーに収める。その際スカートの裾を覗き込もうとしていたアレフの顔面に拳を叩き込むのは忘れない。
「しかし、今の戦闘を見て、あなたを誘ったのは正解だと確信しましたよ」
「私は後悔してばかりよ」
そこで、うつ伏せに倒れたままのアレフに視線を落とす。
「・・・何してるの?」
「せめて左手にしてくれ」
アレフが言っているのは右手と左手の腕力に明らかな差異がある事を意味している。
「嫌よ」
幼い頃、実験場の事故に巻き込まれて右目と右腕を失った咲は、その当時、年上の友人が研究していたナノテクノロジーと情報学部秘蔵の特殊技術を併用して、失った肉体を癒したのだ。
聞くだけなら万能の医療技術なのだが、この場合、適正というものが問題になってくる。
ようは、人体を構成するナノマシンを異物と判断しない体。そして、ナノマシンを制御する脳内チップに適合できる可能性。この二つをかね揃えた確率は驚くほど低い。そして、咲は、その数少ない成功例の一人だった。
腕力自体は人を超えた動きを可能としていても、それ以外の身体は元のまま。人を超えた動きを押さえつけるには彼女は脆弱すぎる。
とはいえ、今のような戦闘なら身体にかかる負担も少なかった。
「でも、こんなのがゴロゴロいるようだったら、いつまで身体が持つかしらね」
「別に、今日中に全てを調べる必要はありません。日を分けて行えば負担は減ると思います」
「まともな戦闘能力保持者が私だけというのもおかしな話しね」
うんざりしたような響きにルガーが苦笑する。
「まだ、先行していた四人のパーティーの方がマシね」
「そう言わないで下さい」
「そうそう、両手に花だぜ?」
復活したアレフに冷たい視線を向けて、
「用法が違う上に、あなたは人の形をしたケダモノが落ちね」
容赦もない言葉にもアレフはへらへらと笑う。
「まあ、とにかく進みましょう。自分達の冒険は始まったばかりなんですから」
ルガーの言葉に鼻を鳴らし、咲は何も言わずに歩き出す。そして、思った。確かに始まったばかりだと。




