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すんません~
蝉の泣く声に耳を傾けて、
夏の足音を聞く。
灯りは天高くぶら下がり、
眩しいくらいに私たちを
照りつける。
景色は眩しく、空はそこ抜けていて、
その清々しさに足跡は軽くなった。
ぼんやりとした風向きがまるで私たちの心の声のよう。
耳を傾けてごらん。
目を凝らしてごらん。
なんだか、ふふっと笑いたくなってしまうな。
きっとそこには何も見えないんだけど、
見えないことが見えてくる。
そして見えないことに感謝しながら、沈み行く太陽に、
「有り難う」とそっと囁く。
葉の震える音と蝉の叫び声
ふっと明日に私の足を向けさせた。
有り難うございました!