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世界から世界への一歩前
一応頑張りました。
黒い黒いカラスのような・・
それを見ていると、まるで渦のように吸い込まれてしまう。
―人間―
ソレを知ってしまったオレはもう、彼らから目が離せない。
つい先日、婚約者のベリーに「私と人間どっちが大事?」と聞かれたっけな。
答えてやったさ、即答だ。
人間とベリー・・答えは決まっているだろう?
「どっちも大事♪」
オレが♪付きで答えてやったのに、ベリーは泣きながら家を出て行ってしまった。
何でだろう?
とりあえず、残された俺に残っているのはベリーではない。人間だ。
・・人間人間人間・・
さぁ、そろそろ人間の観察に行くとでもしようか。
俺は余裕ある足取りで、急ぐ心と共に歩き出した。
人間の住む地上へ・・