おっさんをさすおとこ
親ガチャに外れたというやつだろうか?放任主義だった親の影響の為か、俺は小学生の時からケンカばかりしていて自分でもクズで迷惑な人間だという自覚があった。
そんな俺でも底辺ではあるが高校に入学することが出来た。
多感な年頃になった俺は、いつもの満員電車に揺られて通学していた。
たまに見かける、禿散らかしているのにサイドの薄く残っている毛を整髪料で整えていて、独特な臭いを発しているおっさん。
今日はそのおっさんの真後ろに立ってしまった。
俺はこのおっさんの独特な臭いが苦手で避けたかったが、ラッシュ時間帯の人の波には逆らえなかった。最悪だ…。
イライラがつのる。
こんな奴ボッコボコにして電車から追い出してやりたいが、ぎゅうぎゅうの電車内で身動きが取れない。
イライラした思考を切り替えようと頭を左右に振った。
右隣に居たのは何度か見たことのある同じ学校の女子。
一度見た時から気にはなってはいたが、会話をしたことは無いし名前も知らない。
腕と腕が触れ合っていることに気が付いて鼓動が早くなった。
どうする。声を掛けてみるか?
ん”~…、むり。
ケンカなら出来るが、女子に声を掛ける!?そんなことどうやったら出来るんだ???
そんなことを考えていた時
キ”ィィィィー
と、音をたてて電車が急停車した。
ぎゅうぎゅうの電車内、慣性の法則によって女子がもたれかかってきた。
俺は必死に耐えていたが、人々の重みに耐えかねた女子の位置が変わってしまった。
女子は俺の若干後ろに入り込んでしまった。
もう横顔を盗み見る事も声を掛ける事も不自然になった。
だが、俺の肩に触れているのは女子の顔なのでは?という事は、今俺の腕に押し付けられている柔らかい物体は、おっぱ…、絶対そうだ!!!
ぎゅうぎゅうが更にぎゅうぎゅうになった電車内で、俺は全神経を右腕に集中して不自然にならない程度に身じろいだ。
柔らかい物体が形を変えて腕を包み込むのを感じた。なんたる多幸感。
ムクムクと上を向いたモノはおっさんの割れ目に到達した。




