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特二  作者: 博多のお塩
3/3

邂逅 前編

前編と後編にわけてみました。

前半部分が短いのはご愛敬。

「だから!特別永世中立法に加盟しているあなた達日本は強化型のASを所持する必要はないだろう!」




ホワイトハウスの会議室。その中で日本、アメリカ、ロシア、ドイツ、中国の5ヶ国の代表が各国の軍事力のバランスの調整というの名のアメリカによる日本への一方的な糾弾が行われていた。




(ここで、ロシアとドイツに日本に対するイメージを下げておかなければ…)





アメリカの大統領であるレーガンは焦っていた。



安保が破棄されてからもう9年が立つ。


それからというもの、アメリカの株は著しく下がっていた。

国際的な発言力も弱まり、反戦運動が起こっている中、好戦的なアメリカという国家への批判は多くなっていた。


国内での反戦運動の流れも大きく、軍事大国としてのアメリカという国家の力は弱まりつつあった。




そしてアメリカの苦肉の策として採られたのが、5ヶ国による極秘の会合だった。




この会合の狙いは、日本に協力的なロシアとドイツを引き込むためだった。




今の状況だと、特別永世中立法の条約のせいで日本に、武力制圧を行おうとすれば今の弱り切ったアメリカはたちまち崩壊するだろう。




だが、その時自分達に攻撃を加えてくる者がいなければ話は別だ。

もしアメリカとロシアとドイツの連合軍が出来れば、刃向かう者はいないだろうし、来たとしても返り討ちに出来る。




つまり今回の会合は日本のバックボーン、ロシアとドイツ、あわよくば中国を味方に引き込むためのものだった。




もちろん、今回の会合だけでは到底無理だ。だが、各国の日本へのイメージを下げることくらい出来るだろう。

(これはまだ日本を支配下に置くための計画の布石だよ…ミス・ヤナガワ)

レーガンは厭らしい笑みを浮かべた。




まず手始めにレーガン大統領は日本の代表、ナギサ・ヤナガワ を質問責めにするつもりだった。しかし、




「特別永世中立法に加盟しているから、ですか。ならそのご指摘は些か間違っていると言わざるを得ませんね。」

流暢な英語でナギサ・ヤナガワは反論する。


「私達はASを凶悪な犯罪やテロ行為の阻止にしか使っていません。」




「だがあれは犯罪を取り締まるためのものとしては大袈裟なのではないか?」




「私達のASが参加した作戦の成功率はほぼ百パーセントです。しかも装着者も安全、余計な死傷者は出していません。これについてどうお考えですか?」




(こいつ…中々やるな…)


レーガンは柳沢の話術に完全に丸め込まれていた。


(だが、このままいい気にはさせん!)




「だが、あなたの部隊の5人の内3人は未成年だ。しかも例のASの装着者もまだ高校生だろう?人道的に問題があるのでは?」




「言ったでしょう?私達のASは装着者を護るために出来てますし、年少者を使っているのは彼等が優秀だからです………どこかの国の、情報を簡単にテロリストに漏らす無能な部隊より、ましだと思いますが」




(この女、何故それを知っているのだ!?)

ナギサの突然な攻撃にレーガンは戸惑っていた。

他の参加者を見ると、皆ニヤついている。

(こいつ…!情報を他の奴らに流したな!)


こうなってしまってはもうフォローは逆効果だ。


テロリストに情報が漏れたというのはあくまで噂だが、ハッキングを受けたというのは事実。




「……………っ!」

レーガンは立ち上がり部屋から出ていった。




(やっと終わったか…)




ナギサは胸を撫で下ろした。




(テロリストが来るというのはやはりただの噂だったみたいだな。助かった…)




ナギサは胸を撫で下ろした。




こんな所に長居はしたくはない。早く帰ろう。




各国の代表達に軽く会釈をして、ナギサが立ち去ろうとすると、






バーン!と轟音が響き、部屋が揺れた。




(何なんだ、一体…!)

いや、検討はついていたが。



ユニオン。間違えない。




奴らが来た。

まずい。私達が見つかれば殺される。



早くパニックになっている各国の代表者達を安全な場所に誘導しなければならない。




「皆さん!落ち着いて!地下に隠れましょう!」




ナギサは手際よく代表達を誘導していく。




だが、地下に隠れてもいずれは限界が来るだろう。

それまで彼等が持ちこたえてくれなければ、私達は死ぬだろう



(頼んだぞ、二人とも)
























――――――――――――――――――――――――――――――――――――










「俺達って、やっぱすごい嫌われてんだなあ…」





わかってはいたが、こうもはっきり態度で示されると辛い。




「まあ、僕達はアメリカ軍にとっては仇敵みたいなものですからね。」




隣のアヤトが笑いながら言う。




俺達はホワイトハウスの裏側の方に配置された。




テロリストは俺達が倒すから、お前らはじっとしてろという アメリカ側の意思表示だろう。




「しかし、普通テロリストは正面から侵入しないだろ…」




「自己顕示欲が強い組織なら、そんなに珍しくないでしょうね」




「ホントかよ…

しかし、やっぱテロリスト来ないなあ。」




さっきから待っているが、全然来る気配がない。




「やはり、噂は噂。デマだったみたいですね」


「ああ、柳沢さんのプレゼントも無駄になりそうだな」




右手のアタッシュケースを軽く上げて見せる。




ちなみにアヤトも同じアタッシュケースを持っている。




「何事も平和が一番ですから」




「だな」




どうやら無事に日本に帰れそうだ。




「あれ…?」




アヤトが俺の後ろの方の空をぼうっと見つめている。




「なんだ?なんかあった…」




俺の後ろには軍用ヘリが明らかにこちらに向かって飛んできた。




「…くそっ!来やがった!」




戦闘機は正面の方にに向かっているようだ。




「青山さん!先に行ってて下さい!」




「わかった!」




正面の方からは、叫び声と爆音が聞こえる。




おそらく爆弾だろう。




(くそっ!間に合え!)




全速力で正面まで向かうと、

そこには、アメリカの量産型ASを着た兵士が転がっていた。




(1、2、3…くそ!全員やられてるじゃねえか!)




「あれ?生身?」




「!!」




とっさに銃を構える。




銃口の向こうに、カーキ色と白で出来たASが立っていた。




「何棒立ちしてんの?ほら!」




ものすごいスピードでガレキのかけらが飛んできた。




「うおっ!!」




何とか地面を転がって、ガレキをかわし、2発弾を撃ち込んだ。



しかし、弾はそのASに当たる前に空中で有らぬ方向に飛んでいった。




「!!」




(弾が当たらない!?くそっ!)




「何驚いてんの?まだこれから。」




(まだなんかあんのか!?)




「じゃ、始めようか。ウサギ狩りを…」





続く

前半はなんかやっちゃった感がすごいです。

次からはやっと戦闘シーンがメインになります。

どうぞご期待下さい。

コメントもお待ちしてま~す

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