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エピローグ 改稿

  幽霊と再会したものの、僕はそそくさと帰った。

 だって、ようやく会えた彼女との時間を邪魔したくなかったから。

 生温い熱帯夜の空気を押しのけながら歩いた。歩きながら、涙が止まらなかった。

 悲しいわけでも、悔しいわけでもない。といって嬉しいだけではない。幽霊が生きていたことへの猛烈なーー安堵だった。

 

 ★


 それから何日か過ぎた。

 時間は正常に進み、残り少ない夏は過ぎていくのだろう。

 あれから、幽霊が残した物語はA4のクリアファイルにしまったまま僕の部屋の机から出していない。

 時間が巻き戻ってやり直され、幽霊が幽霊でなくなった今、全て消えてしまっているかもしれない。それを目の当たりにするのが怖かった。


 伊藤と仲直りをした僕は、すっかり真面目な受験生に戻っている。

 勉学に集中して、しばらくは小説を書かないと決めた。

 そんなことより、もっと物語を読んでみたくなっていた。浴びるように、溺れるように。たくさんの物語にダイブしたくなった。だって、もう幽霊は現れない。あいつの持ってくる物語を読みたくても読むことはできない。

 だから僕は山程本を読んで、それからもう一度物語を書く。

 そして幽霊ーー恵太に会った時、胸を張って小説家を目指していると言えるようになっていたい。


(僕は読むんだ)


 今のままでは書けない。このままではいられない。変わらないといけない。

 

 僕にはやることがたくさんある。

 つまり、決めたってことだ。


 僕の物語の改稿を、僕はこれから始める。

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