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ルシール 7

城に帰って来たルシールはしばし部屋の中で考えた。これは一体誰に聞いたらいいのだろうと思った。フロレス武官は現在ブラックフォレスト王国へ使いに出しているし……。

ルシールは女官長を呼ぶことにした。


「お呼びで御座いますか。リエッサ王妃」

女官長がやって来た。


◇◇◇


「サンドラ王女で御座いますか?」

女官長は訝し気に見る。

「そうだ。塔に幽閉されておるはずなのに人形だけがあって……」

「リエッサ王妃。サンドラ王女は塔にいらっしゃった事は有りません」

女官長は何を言っているのだと言わんばかりの顔で見る。

「あの人形は失礼ながらリエッサ王妃がご用意されたもので御座います」

ルシールは驚く。

「わ、私が? な、何故?」

 女官長は益々怪訝な目でリエッサを見る。



 彼女はフロレス武官に言い付けられていた。


自分は王妃の命令でブラックフォレスト王国へ行かねばならぬが、その間リエッサ王妃をよく見張っている様にと。どうも色々と忘れてしまっているらしいから変な事をやり出すかも知れぬと。

これは確かにおかしいと思った。

いや、おかし過ぎるだろう。

やはりこれは一度医者に診てもらった方が良いかもしれない。


「他の貴族達には塔にいると見せかける為にと我等には仰いました」

心の中はおくびにも出さず女官長は言った。

「私が?」

「はい」

「で、では、サンドラ王女は今はどこに?」

「それはリエッサ様だけが知っておられると……。我々は誰も存じません」

女官長の言葉にルシールは唖然とした。


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