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オルカ国より

その威容は堂々たるものがあった。

当時の最先端を行く技術が搭載されている。

流石、海洋国家ブルーナーガの盟主オルカ国の船。

ブラックフォレスト王国の民衆や兵士達はわらわらと船着き場に集まってその船を見て(まるでド田舎者の様に)興奮していた。



「凄い船だな」

「サツキナ姫がオルカ国宰相殿の次男殿と婚約したのだ」

「何? それは本当か?」

「何とお目出度い事か!」

「結納の品々を運んで来たらしいぜ」

「サツキナ様はオルカ国へ輿入れか」

「良かった。本当に良かった」

人々の顔に笑みが浮かぶ。


オルカ国軍、第二海上部隊 モーレイ隊長はダンテ王とサツキナ王女の前に進み出て、身を屈めた。

「ブラックフォレスト王国、ダンテ王、並びにサツキナ姫。私はオルカ国第二海上部隊長 モーレイです。シンジノア・シャーク殿からの結納の品をお納め致します。800万ビルドは全て金塊でご用意致しました」

 兵達は宝箱に入った金塊を王宮に運び入れた。


「こちらはオルカ国王より贈られましたお祝いの品で御座います」

モーレイは美しい飾り箱に入った細身の剣を頭の上に掲げた。

「ウルティムス鋼65%の鋼です。女性の手でも無理なく扱えるようにと匠が工夫をして作り上げた物です。サツキナ姫は剣の名手であられるとシンジノア殿にお聞きしたそうです。」


サツキナはそれを手に取って眺めた。柄の先端には美しい玉がはめ込まれていた。

「婚約のお祝いに剣などと思われまするな。オルカ国王はサツキナ姫様が身を御守りする事が一番の大事と思われていらっしゃるのです」

モーレイ隊長は言った。

「とても美しい剣ですね。有難う御座います。早速お礼の書状をしたためたいと思います」

サツキナはそう言った。



その他にも、婚礼の祝いの品々ですと言って何着ものドレスや宝石を運び入れる。

「ドレスも宝石もシャーク宰相の奥方様、並びにご令嬢方が御選びになられました」

サツキナはとても嬉しかった。

オルカ国の皆が魔族の自分を歓迎してくれているのだと感じて胸が一杯になった。


ダンテ王は満面の笑顔で特使達を迎えた。

800万ビルド分の金塊など見た事もない。

興奮の余りに血圧が上がりそうだ。


「サツキナ姫の婚約は相成った。これでオルカ国シャーク宰相とブラックフォレスト王国は姻戚関係を結ぶことが出来た。誠に喜ばしい事である」

わっはっはと笑いながらお言葉を述べる。


「サツキナとシンジノア殿の婚約を国中に知らしめよう。そして国を挙げて祝うのじゃ。

国民に馳走を振舞おう。貴族達にそれぞれの領地で領民に馳走せよと告げよ。金は幾らでもある。わははは。大盤振る舞いじゃ」

今にも金をばら撒いて歩く勢いだ。

「ダンテ王よ。金は軍事と防御の為に必要です」

ロベルトは慌てて言った。

「借金も返さなくてはなりません」

「それに船も傭兵も必要です」

重臣達はこぞってダンテ王を現実に引き戻そうとする。

ダンテは少し落ち着く。


「うむ。では財務大臣と相談せよ。だが、けちけちするな。ぱあっとなあ。ぱあっとやろうでは無いか。のう、カラミス殿」

そう言ってダンテは隣に控えるカラミスを見る。

「はい。ダンテ王。私も宴には是非ご相伴させて頂きたいです」

カラミスはにっこりと笑って答えた。

「モーレイ隊長。こちらはレッドアイランドの第三王子、カラミス・ブロンテ公である。

この度、レッドアイランド、ホラン国王の使者として我が国と同盟を結ぶために来訪されたのだ」

ダンテはカラミス王子を紹介する。

「ほう、砂漠の大国レッドアイランドから? これは心強い」

モーレイ隊長は礼をする。カラミスは頷く。


「モーレイ殿よ。儂等の国からオルカ国に返礼をしなくてはならんのう。儂の国は貧乏だがブラックマッシュルームなら売る程ある。だが、今年の在庫はイエローフォレストへの500万ビルドの為にほぼ売ってしまった。来年からのブラックマッシュルーム取引に関して貴国とレッドアイランドに優先権を与えよう。イエローフォレストになどは売らん。リエッサ王妃が廃位されぬ限り奴らには売らんわ」


モーレイ隊長は深々と頭を下げた。

「有難う御座います。国に遣いを送り、宰相にその様に申し上げましょう」

カラミス王子も満面の笑顔である。兄はどんな顔をするだろうとワクワクした。



モーレイ隊長は言った。

「ダンテ王よ。我々は暫くブラックフォレスト王国に留まり、王国警護の任に当たりたいと思います。シャーク宰相からのご命令です。ダンテ王がお許しになるのならご成婚が相成りますまではこちらでサツキナ姫とブラックフォレスト王国を御守りせよと。イエローフォレストのリエッサ王妃が何やら良からぬ事を画策している様子だとか。ダンテ王、我々の駐留をお許しください」


「何と!それは有り難い。それではオルカ国の兵士の方々はわが軍の兵舎の一画をお使いくだされ。それで宜しいだろうか?」

「はっ。有難う御座います」

「ロベルト。すぐに国王軍大将を呼んでモーレイ隊長と調整をする様に伝えよ。今日は宴じゃ。オルカ国のモーレイ殿とその兵士達を歓迎する。ロベルトよ。すぐに料理長に伝えよ」

ダンテは元気いっぱいで叫んだ。



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