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友情隊  作者: 星咲コットン
ユウ渡界編
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初めての隊員 昭和誕生!

「そういえば代々隊員にコードネームがつけられているのだけど、何か頭に浮かぶ言葉はあるかい?」

 光のあっけらかんとした言葉に私と顔を見合わせていた楽さんは何かを思い出したかのように問いかけてきた。ってどゆこと???

「コードネームって隊員としての名前ってこと?」

「ふつーに花の名前でよくね?」

「同感です」

 私が聞くよりも先に3人が言いたいことを代弁してくれる。私自身は別にあってもなくてもどっちでもいいから、3人の意見に同意かな~。

 そんな私たちの反応が予想外だったのか額に手を当てて空を見上げる仕草をする楽さんはん~、と何か言いたいことをまとめているみたいだ。

「はぁ…君たちはロマンがないなー。人間の隊員のコードネームはカケラが選んでいて、毎回全く違うコードネームだからいまだに関連性が見えないんだよね。それで、カケラが指定したコードネームが隊長くんの頭の中に流れ込んで任命される感じだよ」

 私の頭の中に流れ込んでくるの!?何それ敵を倒すことよりも怖いんだけど!!代々の隊長さんはそんな謎の予言みたいな能力を強制的に持たされてるの?!引き受けるんじゃなかったな…。

「大丈夫かお前」

 さらっと明かされた事実に体を震わせていると周也が気づかわし気に私の額に触れて熱の有無を確認してきた。

「大丈夫。いきなり知らなかったことを言われて驚いている、だけだから」

 安心させようと周也と目を合わせるとまた胸当たりが熱くなる。手を触れてみるとロケットの部分が発熱していると分かった。が、何故か外さなきゃとは思えず、それよりも何かを口に出さなきゃという思いに支配されるのをどこか他人事のように見る自分がいる。

「人間はって、精霊はちげーの?」

「何故か、友情のカケラ限定なんだよその現象。だから他のカケラの隊員は隊長が考えて―」

 私の行動をよそに光と楽さんが話している様子も目に入らない。周也が戸惑ったような表情で「友門?」と聞いてくるのも目に映っているのにそれでも目を逸らせず頭の中にぐるぐると巡る言葉がさっさと言えとばかりに痛みを伴ってくる。



「カケラよ。宿るものに加護を与えよ。宿るものに力を与えよ。汝、今日から『昭和』の名を持ち、闇を討ち果たせ」


 

 私が発した言葉に呼応するかのように周也の花の痣が赤く光りはじめピンクの花びらが周也の周りをぐるぐると回る。段々と多くなってくる花びらは最終的に周也を包むと強く光る。目を瞑って光が消えていくのを待とうとしたけどその光はすぐに消えてしまい確認しようと瞼を上げた。

(服が、変わってる…!?)

 赤を基調とした騎士服にツツジのバッジ。赤系統のスカーフをベルトに遊ばせるように括り付けていて、左手だけにグローブを装着している。ただ恰好よりも目に入るのがいつの間にか出現していた武器だ。周也の背丈よりも大きい武器がいつのまにか現れて周也の手元に鎮座している。

「しゅ、シューヤンが仮面ドライバーに…!」

「どちらかっつーとラブキュートじゃね?」

 目の前で起こった現象に驚いていたのは私だけじゃなく二人もだった。冬也がカシャカシャと細長い板を持ち替えながら音を立てて、光は興味深そうに武器を観察していた。

「これ、銛、か?銛初めて見た…」

 当事者である周也はというとまじまじと自身の服装や武器をじっと観察している。いや、もっと何かしらの反応無いの??え、私がおかしいのこれ???

「あーそれ。厳密にいうと本物じゃないよ。説明が難しいんだけど、銃刀法違反にはならないって覚えてもらえると助かるかな!」

「はあ?」

 楽さんは楽さんでジュート―とパンっていきなり何言ってるの「銃刀法違反な」って何その言葉???

 まだ状況が完全には分かっていないけど、楽さんの反応からして私が今無意識に行った行動が儀式なんだろう…けど、なんで精霊の私より人間の周也たちの方が状況を受け入れてるんだろ。いや周也には信じざるを得ない場面(川に落下事故)を見られてるからまだわかるけど、後の二人は花の痣以外に信じる要素全くなくない???

「詳しい説明はまた今度にするとして。サキくん、ロケットの花は?」

「え?ロケット?」

 言われるままにすっかり熱の冷めたロケットの蓋をカパリと開けて中を確認する。

(変わってる…?)

 さっき見た時はツツジって花とサザンカって花が交互に浮かんでいたのに、今は紫色の花がくっきりと浮かんでいる。形的に冬也と光の痣ではないことしかわからないけど、なんかどっかでみたことあるんだよなぁ…。

「カキツバタ?」

「いや、アヤメ?」

「ショウブじゃねーの?」

「え。どれ?」

 興味深そうにロケットをのぞきこんだ三人がそれぞれ別の花の名前を出してきて三人とも首をひねる。この中で一番花に詳しいであろう楽さんも微妙な顔になっているからその3つの花はよほど似ているんだろうと思っておく。

「アイリスとしか分からないね…もうちょっと具体的に表現できるように作れなかったのかい作成者。文句言いたい」

「何百年前も前のヒトだから多分生きてないよ楽さん…」

 アイリスと聞いて既視感の正体がはっきりする。そうじゃんアイリスだ!!たまにいく遠征先の湖にたくさん咲いていてとてもきれいで休憩時間にずっと眺めていたから印象に残っていたのかな。

(また見に行きたいけど、しばらくは無理だよねー)

 そもそも精霊界に帰る方法とかも知らないということを後で楽さんに言った方がいいよなー。このボロ…古びた屋敷のどこかにまだ使える転移装置があるとはあまり思えないから…。あ、転移装置と言えば、あっち(精霊界)はあのあとどうなったんだろ、イオズの殺戮デスロード?が開催されていたらどうしよう…ジルドとセルトが止めてはくれるだろうけど二人とも重職だからなぁ……ケガ、してる…よね、多分。帰れる手段が確立したらすぐ帰って様子見に行こう。

「まー人探しはいったん置いてさー。今からここで暮らすことってできんの?できんなら引っ越したいんだけど」

「もし許可してくれたらオレの持ってる情報とか定期的に提供するけど?」

「大人を脅さないで?!別に構わないけど。そ・の・か・わ・り!未成年を預かることになるから親御さんに連絡させてね!」

「ちょいまちー」

「オレ勘当されてっから問題なーし」

 精霊界(イオズの暴走)について考えている間に楽さんが光と冬也に脅されてた。なんか昨日から話に置いてけぼりになってること多いな、って勘当って何かやらかしたの光…。

「母は今海外なので、繋がらない可能性もあるんですけど」

「単身赴任ってこと?」

「そんな感じ」

 楽さんに細長い板を手渡す周也が私の言葉に肯定して楽さんがでんわ?をしている間周也のお母さんの話をしてくれた。なんでも周也のお母さんは著名なデザイナーさんらしく、世界中から仕事の依頼とか舞い込んでくるから会えるのは多くても年に4回程度だとか。普段は近くに住んでいるのお母さんの仕事仲間のお家に厄介になっていて私がお邪魔したあの家はお母さんが帰ってきたときと掃除以外では帰ることがあまりないらしい。私をあの家に案内したのはただ単に近いし替えの服があったからだと説明してくれた。

「とりあえず二人の保護者の携帯に留守電はいれたよ。ヒカルくんは…仕方ない。サキくんはさっき副騎士団長くんからよろしく頼まれているから安心して」

「え、さっきっていつ!?」

「キミたちを発見する少し前だけど?」

 私たちを見つける少し前ってことは周也の家に行って服を借りたあたりかな、確実に事故が起こった後だ。多分。

「…ちなみに、ジルドたちって、その、疲れてた…?」

「……背後から女性の怒声と宥める精霊長くんの声が聞こえてたとだけ…」

 こっそりと聞いてみたらわずかに顔を背けられた。うん。落ち着いたら絶対一度は帰ろう。その前に手紙で落ち着かせなきゃな…いや、怒り具合によっては手紙だけじゃ無理かも…?



「あー、二人とも、いい感じに終わらそうとしてっけどさー」

「ここ、掃除やらなきゃ暮らせなくない?」

 ツタだらけの屋敷を示して光と冬也に指摘されたのは燻製キット?を小屋にしまってゴミをまとめ終えた後だった。

はいはいはーい!ここからは『冬也の豆知識コーナー』の時間だよん♪

今回は作中でオレらが言った「仮面ドライバー」と「ラブキュート」について説明するよん♪

〈まー察せるとは思うけど三次元世界でいう「仮面ライダー」シリーズや「プリキュア」シリーズと同じだと思っていただけると…〉

あー!!オレが言おうとしてたのにー!!!

〈あと、個人的なことですがペンネーム苗字付け足しました〉

あ、だよね?なんで変えたん?

〈コットンだと綿なのか芸人名なのか判断しづらいしコットンっていう絵描きさんや物書きさん他にもおるっぽいから混同防止のために。Xは高校卒業したら同じにします〉

そんなことしても誰も作者ちゃんのことなんか気にしてないんだから~

〈心にクリティカルヒット…!〉

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