痣仲間
マズイマズイマズイ!!!勢いのまま本名とか話しちゃった!!!!なんかいつもはジルドかセルトが頭に手を当ててるけど今は何故か周也がやってるな~!!!
(やっちゃった~~~!!!)
これ処罰ものだよね~!!周也のは事故だからまだ情状酌量の余地はあったと思うけど、自分からバラしちゃったら意味ないじゃん!!私のバカバカバカ~~~!!!
「が、楽さん、どーしよー…!!」
顔どころか体中から血の気が引いていくのを感じながら、私はこの場で唯一の私と同じ立ち場である楽さんに縋った。楽さんは難しい顔で暫く何かを考え、冬也に顔を向けた。
「…トーヤくん。先ほど『痣仲間』と言ってたよね?意味を聞かせてくれる?」
そういえば質問攻めの前にそんなこと言ってた気がする…。と私も冬也に顔を向ける。何故か周也は冬也に向かって無言で自分の左手を叩いて見せていて、光は訳知り顔で事の成り行きを見ていた。
「あーこれのこと?」
注目されている本人はあっけらかんと言って自分の舌の部分を私と楽さんに見せてきた。冬也の舌には周也や楽さんとは違う花の痣が見事に咲いていた、って
「花の痣だ!」
まさかの周也と楽さんに引き続いて三人目!!!あ、いや、楽さんは前代からの続投だから実質二人目ってことか!
「これは…形からして…クチナシ、かな?よく香水とかにも使われる花だよ。ツツジと同じ低木で昔から着色料としても使われている花でもあるから結構知っている人は多いと思うよ」
「え、マジー?!オレ、クチナシって花だったんだー!!あり~!!えーっと、」
「ワタシは波浦楽。どういたしまして、トーヤくん」
板みたいなやつを操作?した楽さんがまた私に見せてくれる。映っていたのは六個の白い花びらが特徴的な綺麗な花だった。確かに冬也の痣と一致しているしクチナシで間違いないと思う。…けど、周也も冬也も自分の痣の花を知らないって、楽さんが言っているような有名な花じゃないんじゃ…?
「波浦…なみうら……なみっち…?…なみっち!!!なみっち博識~!」
「な、なみっち…」
私が疑問に思っている目の前では冬也から謎の名前で褒められた楽さんが引きつった表情になっている。なんか周也が「慣れてください」て言って楽さんの肩をポンッと叩いてるけどもしかしなくても冬也はいつもこんな感じで周りを振り回しているんだろうな。ちょっと師匠と似てるな。
「オレもあるけど。変な痣」
なんて考えてたら光が衝撃の発言をしつつ右袖を捲って私たちに見せてきた。たしかに三人とまた違う細長い花が咲いていた。
(なんで今日だけで三人も発見するんだ…!)
次々と見つかる隊員の証を持つ人間に何かの罠を疑ってしまう。楽さんも少し怪しんでいるのか式神をいくつか三人に気づかれないように放ちながらも光の花の痣を観察している。
「これは…サルビアかな」
「なんで一発で分かるんだ?」
「これでも調合関連の商品を作っていてね。植物には詳しいつもりだよ」
今度アロマとか作ってあげるからワタシたちの話を聞いてくれないかい?と懇願する楽さんに便乗して私もお祈りの手を作って二人を見上げていると2人とも興味津々といった様子で岩に座りなおした。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
伝説の話から周也との出会いまでを聞いた二人は周也と同様疑うこともなく、
「あの民話がマジだったってことかー」
「え、じゃあじゃあオレ達以外にいーっぱい仲間いるカンジ?ちょーいいね!!」
とすんなりと受け入れてちゃってる。なんか思ってた反応と違うなー。もうちょっと抵抗なりなんなりされるかもとか思ってたのって意味なかったのかなー?
「いや受け入れるの早くない??戦うんだよ??」
人間界って大きな戦争どころか魔法とかも存在しない機械科学が発達した世界で、二ホンのほとんどの国民は戦闘経験もないしそもそも命の危機に遭遇すること自体稀だと昨日セルトと師匠から何回も教わった。だから戦いによる負傷や敵を倒すことに耐性がないということ。てっきり恐怖で断ったりそもそもありえないと一蹴される可能性の方が強かったのに、どういうこと???
「だってこの痣の時点で悟るしかねーじゃん。俺達に配慮してくれんのはありがてーけど、入んなくてもとこやみぐん?ってやつに狙われるんだろ?だったら始めから入隊しといた方が合理的だし精霊側も都合がいいだろ」
「キミ、ちょいちょい痛いとこ突く言い方するねー。その通りだけれど…」
私の頭を荒々しく撫でる光の言葉に私と楽さんは顔を見合わせるしかなかった
やっほー☆オレ、海池冬也!
この話からあとがきコーナーは『冬也の豆知識コーナー』になるよん♪
理由?オレが陽キャで情報通っていう設定と〈おい!〉単純に作者のコットンが頭を整理するために作ったけど恒例にした方が面白いかなっていう理由だよん♪
〈メタい発言は止めてくれません??〉
え~いいじゃ~ん!本編はメタい発言なんてしないしどの道今後のネタバレとか伏線とかのヒントも盛り込むんだからさ~
と、言うわけで記念すべき第一号は!!
『痣仲間とは冬也が把握する花の痣を持つ人間(=友情隊員)を指す言葉である』
これはオレの冬也ネットワークで出会ったトモダチにたまたまヒカルンがいたことがきっかけだね!他には後輩の同窓生だったりセンパイのバ先の友達の友達の遠縁の親戚の知人の知り合いだったりしか情報は集めきれてないんだけど少なくともあと12人くらいはいたはずだよん♪
ま、本人の許可なく話せないから一度聞いてからユウモンたちに話す予定だから秘密にしといて☆
次回!〈アニメのタイトルコールじゃないんだからここまで!!〉ちぇ~。じゃ、みんなまた次でね~
〈ホント…冬也はどうしてこうフリーダムにプロットを壊すんだ…( ;∀;)〉