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友情隊  作者: 星咲コットン
ユウ渡界編
12/14

先住民

 ひとしきり笑い終えた楽さんはアジトに案内すると言って出て来た道を歩き出した。私と周也はその後ろについて歩く。気配も距離を取りつつまだ追ってきていて目的が分かんないから後で捕縛して聴取するか…

「アジトってどんなところなんですか?それっぽい建物があるなんて聞いたことがないんですけど…」

「アジトは精霊界との狭間にあるからね。資格を持つもの以外にはたどり着くことが出来ないように細工しているの。ま、カムフラージュのために先代の隊員があのステージを作ってアマチュア劇団だって誤魔化してたんだよねー」

「そうなの?」

「そうそう!ワタシも何回か公演に出たけど結構楽しかったな」

 楽さんがあのステージに立ってたのか…。あのツタだらけのステージに…。

「一応表向きの名義人はワタシがなっているけど、あまり手入れしていないから…すこーし住みにくくなっているんだよねー…」

 言いにくそうに説明した楽さんは「百聞は一見に如かず。見ればわかるよ」と言うとそれ以降アジトについて一切口にしなかった。


✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿


数分くらい歩いて「ここだよ」と言われた先にあったのは…

「『少し』?」

「『大分』の間違いじゃないか?」

 ボロボロのお屋敷だった。

 壁は薄汚れていて屋根のあたりが一部欠けていたり放置されてた物干し竿っぽい棒には錆がついていて、所々にクモの巣が張ってあるし一言で言えばヒトが住むところじゃない。

「いつ建てたんですか?」

「さあ?ワタシはつい三年ほど前に元々の名義人から譲られただけだからそこまでは知らないなあ」

「友門、この人で本当に合ってるんだよな?」

 周也が私の代わりに質問して、返ってきた言葉に顔を引きつらせて私を楽さんから引き離す。

「スキルで直せないの?」

「…出来なかった…」

「え?」

「一回やってみたけどなぜか魔法が効かなくて調べたら古代魔法クラスのプロテクトがかけられていて並大抵の魔法は一切使えないと判明しちゃったんだよ!解除するためにはワタシ一人の魔力量じゃ足りないから今ためてるところだから許して!!」

「あ、はい」

 えっとたしか、古代魔法は精霊界黎明期頃に使われていた魔法で軽く千年ほど前までにほとんど廃れていったはずの魔法で、その魔法がこのアジトに使われていて…?いや、放っとこう。

 それよりも、と目の前の建物を改めて見る。ボロボロの屋敷の左側に物置小屋が建てられていて、こちらは建てられてまだ数年くらいなのか妙に小綺麗で蔦とかもついていなかった。

「うひゃぁ~~~、怪しい小屋は置いといて屋敷自体は修復すればまだ使えそうだけど蔦や雑草が多いね…」

「どんだけ放置してたんだか…」

「10年以上は経ってる」

「10年以上なら確かに…」

 今目の前の小屋から声が聞こえた。と周也と顔を見合わせているとあくびをしながら誰かが出てきた。

「え、誰?」

 赤と黒が混じる髪をグシャグシャと掻き、緑の瞳が私たちに不信感を持っていることを伝えている。紺と赤の上着と深緑のズボンを緩く着ていてまさに『寝起き』という言葉が似合う格好だった。

「オレ?桐生光。持倉高校二年でこの建物の元の持ち主の息子」

「楽さん知ってた?」

「いやー、ワタシこの間まで海外旅行に行ってたから…」

「おい、本当にこの人が保護者なのか?」

「う、うん。多分?」

 誰かー光さんの言葉に後ろの楽さんに質問すると楽さんは私たちから視線を逸らして答える。返ってきた言葉にまた周也が私と楽さんを引き離して背後に庇った。早い。

「んで、アンタら何?ここオレのマイホームなんだけど」

 状況を掴めていない光さんに「なんなら見るか?」と小屋の中を指さされ、興味本位で中を覗いてみる。小屋の中はランタンみたいなものや野営テントみたいなものが転がっていて、真ん中あたりに毛布が雑に敷かれていて、入り口辺りには乱雑に積まれた本とかカバンが密集していた。

「キャンプ道具多いな…」

「これ足の踏み場ないじゃない…」

 小屋の中の惨状に唖然とする私たちを横に光さんは外に出ていく。

(どこに行くんだろう?)

 小屋に近づいた時から感じてた違和感を知れるかもと思った私も後を追ってこっそり外に出た。


✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿


「波浦さん名義人としての義務くらいはしてくださいよ」

「休暇中に突然連絡を貰ったんだけど!まあ、大元を辿ればすぐに次代選出を行わなかった精霊側の責任か」

 あの桐生先輩が田神山を住処にしているという噂は本当だったのか…。といういらない気づきを得た俺は適当に置かれている教科書とかを教科ごとに整理しつつ波浦さんに視線を向ける。波浦さんはキャンプ道具を興味深そうに観察していたが俺の言葉にギクッと肩を揺らして俺に体を向けて弁解を始めた。

「早速俺にバレて今二人目にもバレかけてる状況どうするんです?」

「最悪記憶をちょっといじればいいかなーって…」

「本当にこの人が保護者なのか友門」

 記憶をいじるとか犯罪一歩手前というかモロ犯罪なことを平然と言ってのけた波浦さんが本当に保護者としての義務が果たせるのか疑わしくなり後ろにいる友門に再度質問をした。

「友門…?」

 …が、一向に帰ってこない返事に怪しみ後ろを振り向いたら、そこに二人の姿はなかった。

やっと更新できました…。

言い訳するとセリフは浮かぶんですよ。セリフは。

だけど下地?地文?が全く浮かばなくて、書けたと思ったらキャラが暴れて斜め上の文章になるしで下書きをぼちぼち書いてたらいつの間にか今日になってたんです!!!今月末に演劇の大会みたいなものに主演で出るんでまた更新が長引くと思いますすみません!!!


豆知識コーナー?

 ツタは断熱効果があって光熱費の節約になったり、自治体が設けている補助金でメンテナンスとかもできる場合がある。

 ただし、ツタは繁殖力が強いためこまめなメンテナンスが必要で害虫が発生しやすくもあるので節約のために安易にツタを購入しようとしないでいったん立ち止まろう!



ツタの駆除方法などは後の話の時に書きます。

(ネットで検索して知った素人高校生でした)

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