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更新が大幅に遅れました...すみません...



「うん、良い朝!!」


久しぶりのすっきりとした目覚めに、レニィは上機嫌だ。

昨日放り投げた荷物をまとめると、汚れを落としに浴室へと向かう。何もせずに寝てしまったため、髪も体も心なしかべたべたする。


この宿屋は結構いい値段がするだけあり、各部屋に小さな浴室が備え付けられている。レニィは何のためらいもなくドアを開け、そこにいたものに硬直した。


男性である。それも美形の。


なぜここに?もしかして、私が部屋を間違えてた?レニィは回らない頭で必死に考える。

そんなレニィの様子を見て、男性はおかしそうに笑った。


「部屋は間違えていない。いや、間違えていたがこの部屋で会っている」


男性はレニィの考えを読み、その考えに返答したようだ。こんな超人的な事ができるのは1人しかいない。


「カリメラ様?」


「正解、私がカリメラだ。肝が東大の神子だね、レニィ・フーウィールド」


にっこりと笑いながら拍手をするカリメラ。

唐突すぎる神との邂逅に、レニィの頭は混乱している。しかしキャパオーバーしそうなので、「お腹すいたな」と、現実逃避に走ることにした。


「本当は昨日姿を見せるつもりだったが、幸せそうに寝ていたから夢に入るのを躊躇したよ」


笑いながら言うカリメラ。自分が進行する神に躊躇させてしまったと知ったレニィは、謝り倒した。

それはもう、必死に。お母様に知られたら死ぬ。神子だから死ぬことは無くとも、死ぬ方がいいと思う目にあうことは確実だ。


土下座までし始めたレニィを止めて立たせると、カリメラはレニィの頭を撫でた。撫でられた部分が淡く発光し、レニィに吸い込まれていく。


「とりあえず、今日はここまでの様だ。また会おう」


そう言ったかと思うと、カリメラは幻のように消えてしまった。脱衣室で、レニィは立ち尽くした。

突然現れて消えたカリメラ。思考が追い付かないレニィは、考えるのをやめた。





「とりあえず、家に着いちゃったんだよなー...」


体を清め、食事をし、馬車に乗り続けること半日、レニィはフーウィールド領へと到着した。あっという間だった。本来は2日かかるはずの道のりが、短縮されていたのだ。


確かに、新しい道を作るとは聞いていた。それがもう完成していて、レニィが通ることになるとは全く思っていなかった。交通の便が良くなって嬉しいが、お母様に会うのが早まってしまった。レニィは憂鬱な気持ちで、門をくぐった。



「レニィ、おかえりなさい」


「ただいま帰りました、お母様!」


玄関のドアを開けると、すぐ目の前にお母様がいる。レニィは驚きの余り、叫ぶように返事をしてしまう。


レニィの母は、ミラディア・フーウィールド。現役のカリメラ教神官だ。父はリーガン・フーウィールド。フーウィールド領を治めている。


「神子として顕現したって聞いたけど、本当のようね」


ぺたぺたとレニィの顔を触りながら、頷くミラディア。しかし、レニィの目をよく見ると悲鳴のような声を上げた。


「もうカリメラ様に会ったの!?詳しく教えて貰うわ!!!」


レニィへの質問攻めは、父のリーガンが返ってくるまで続いた。



・・・



「レニィ・フーウィールドが、急遽帰省した?」


「はい、母上。帰っていくところをこの目で見ましたし、証人もいます」


自信たっぷりに話す青年。彼は、王子のスレイガーだ。何かを思い出したようで、独り言のようにつぶやいた。


「そういえば、レニィは髪で顔を隠しているだけでなかなか見目がよかった。目も、珍しい緑色だった」


それを聞いた「母上」と呼ばれた人物ー王妃・レラシーナは、軽く眉根を寄せる。

この国ではあまり知られていないが、緑色は神子の色だ。もし神子が顕現した場合、すぐに国の方から報告しないといけない。

しかし、カリメラ教を信じていない夫に報告しても絶対に動かない。自分に報告できるだけの力はない。


それなら、フーウィールド家が悪いことにしよう。顕現した時、レニィは王城にいなかった。そうしよう。

レニィの辞表を偽装し、顕現する前に辞めたことにする。

そう決めたレラシーナは、早急に行動を開始した。


次の投稿は間隔が空きすぎないように頑張ります!

お詫びになってませんが、短編を投稿したので良ければ読んでみてください!

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