詩 終わらずに終わった物語
――とある執筆者は手を止める
―-物語を綴っていたその手を……
「望んだものにはならなかった」
「それは私に何ももたらしてくれなかったから」
黒で塗りつぶす
色を塗りつぶす
真っ黒な気配で
真っ黒な意思で
物語を閉じる
物語を終わらせる
執筆者は本を閉じ
その本に鍵をかける
その手で
その目で
綴った全てを終わらせる
悲劇の最後に血を添えて
墓石に花を降らせよう
悲嘆の声に涙を添えて
祈りの在りかを消し飛ばす
「意味のない事はしないわ」
「そんな事に力を使うなんて、だって馬鹿げているもの」