スキル名【ブリテンパック】
こんなスキル、表現しきれる作家様は居られるのだろうか?
新ネタに何かないかなーと考えていた所、ふとアレを聴きたくなりまして。
アレとは、
勇敢なるスコットラ○ド
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国……略称で英国と呼ばれる国の音楽。
これはバグパイプメインの演奏曲なんですが、これに付随して有名? な絵が有るんですよ。
銃弾飛び交う戦場で、最前線で、男でもスカート穿きが正装の姿で、バグパイプを高らかに吹き鳴らしながら進軍している絵。
………………アレはマジでヤベー。
閑話休題。
はい。
いきなり脱線しましたが、あの曲が聴きたくなりまして。
それを聴いたらついでに襲ってくる連想。
転がってくる、パンジャンドラム。
…………うん。
大体変な方向に行くのは、この連想の所為。
それでですね? 他の方の作品に英国兵器を召喚? 生成? 出来るスキルってのを見たのを連鎖的に思い出しまして。
自分もギャグ方向で似たスキルを考えたいなと。
それで生まれたのが、
【ブリテンパック】
これは10段階の成長要素の有るスキルを想定。
1.中世時代までの、イギリス国内で一般的な食材を出せる
2.中世時代までの、イギリス国内で使用された兵器及び兵士を出せる
3.産業革命時代までの、イギリス国内で一般的な食材や料理を出せる
4.産業革命時代までの、イギリス国内で使用された兵器及び兵士を出せる
5.第一次世界大戦時代までの、イギリス国内で一般的な食材や料理を出せる
6.第一次世界大戦時代までの、イギリス国内で使用された兵器及び兵士を出せる
7.第二次世界大戦時代までの、イギリス国内で一般的な食材や料理を出せる
8.第二次世界大戦時代までの、イギリス国内で使用された兵器及び兵士を出せる
とまあ時代を4つに分けて、食文化→兵器類の順番で解放されるスキルを想定。
スキル使用者本人が兵器を使えない又は数が欲しい場合、国の形からとって、基本骨格が人間でウサギの皮を被っている様に見えるナニカが、一般兵程度の練度を持った兵士として兵器を身に付けた状態で出て来て、代わり又は一緒に戦ってくれる仕様。
軍艦なんかは一人じゃ動かせませんからね。 そんな意味でも人手は必要。
……と、パンジャンドラムを始めとした英国面が前面に出た兵器の影が薄くなっちゃったじゃん!!
な事態に陥りまして。
英国面の成分補てんをどうしようかと悩んだ結果、ここぞって言う本当に大切な場面以外は珍兵器や失敗兵器が、大体出てしまうアレなスキルになりました。
なお、その大切な場面でもスキルを多用すると、背景なんかでパンジャンドラムが数十基は大回転(意味深)している描写を強制して、雰囲気クラッシャーでもさせるべきかな? と。
つまり食文化方面はともかく、兵器類には珍作迷作傑作から任意で選べってなったら、知識が有れば傑作しか選ばれないわけで。
となれば、ガチャっぽいランダム性が無いと折角の兵器も登場・活躍の場が無くなっちゃうんですわ。
んで残りの2つ。
順当なら現代の食文化や兵器……となるんでしょうが、それじゃあつまらんと。
そう思って、急な方向転換。
スキルがファンタジーなんだから、原点回帰だ! と思い至った訳ですハイ。
9.産業革命時代以降、第二次世界大戦時代までの、イギリス国内発祥の寓話・都市伝説・物語・未解決事件 にまつわるものを出せる。
10.中世時代までの、イギリス国内発祥の寓話・民話・物語 にまつわるものを出せる。
なんてしてみたら、どうかと。
9段階目で代表は、某パイプを咥えた名探偵……のライバルさんとか。
鏡の国や不思議な国の物騒な住人達。
未解決事件なら有名な霧の街の切りさk……なんかこれ以上言っちゃいけない気がしたんで、これまで。
この辺はヤベーっす。
逆に癒し枠なら、あの有名なアナウサギ(ネザーランドドワーフでは無いらしい)とか。
ウサギのお父さんを出せば、ウサギパイ(!?)がすぐに食べられてお得。
癒し枠かヤベー枠かは分からないけど、某顔がある機関車も出せそう。
テレビ版は厳しいけど、原作の絵本版は初巻が発売された年に第二次世界大戦が終結した(とする情報がある)ので、範囲内のはず。
10段階目はなんと言ってもアーサー王を始めとする物語群ですかね?
中世時代までに書かれた物語が母体になっているなら使えるはず。
でもあれって実は色んな物語の集合体らしいって話を聞きまして。
一連の物語をまとめた本が中世より後に世に出たなら、修正も考えねばならんかもだけど。
円卓の騎士ってのも、総勢では3桁行くって話。
そいつらは物語通りに呼び出せるので、あのアーサーを王だと見出だした有名な魔法使いを召喚したり。
聖杯を召喚して何かしたり。
結構やりたい放題できそうなんですよね、10段階目の方が。
とまあ、こんな感じのパックにまとめて、スキルにしてみました。
そんなんまるっと無視して、単純に【ブリテンガチャ】にしちゃった方が、ギャグ物は有利かな?
スキルレベルが上がると、有用・実用的な物が出やすくなるタイプのスキル。
マーマ△トやハギ□、スターゲイザーパイにうなぎのゼリー寄せなんかが常に出てくる機会を窺っているガチャ。
フィッシュアンドチップスもあるでよ。
国で名前が違うみたいだけど、ブラッドソーセージはヨーロッパ各国で大昔から作られてきたらしくて、これも英国料理……になるのかな?
分からんけど、これも入れるなら入る。
………………はい。
【ブリテンパック】って一見ヤバいんですが、これにはとても大きい弱点がありまして。
それは、綿密な時代考証が必要である事。
英国に対する深い理解が必要な事。
各時代に有った事や食文化、兵器を調べ尽くした上での知識が無いと上手く使えないんですよ。
今回分けたのが分けたのなので。
例えば戦争兵器のスペックや知識なんてどうですか?
中世時代の攻城兵器って何だったか。
投石機ってのがあるけど、これは紀元前の4世紀5世紀頃にはカタパルト型だのバリスタ型だの人力型だのが出来ていたって記述が、歴史書にあるみたいだし。
石じゃないけど、アルバレストとか言う外壁の上に固定設置して、巨大な矢を撃ち出す巨大な弓も有りますね。
って、これは防衛兵器か。
国や地域によって発展したり最適な形とかが違って、単純にコレとは言いにくい。
他にも投石機を使ったヤバい弾丸としては、中世で腐ったり病原体を埋め込んだ動物の遺骸やヒト(敵対した軍の兵)の頭を壁の中へ投げ込んでバイオ兵器としたり。
こんなのも攻撃行為だから兵器。 多分出現性にランダム要素が有れば、一度は出てくるね。
あとはクロスボウ。 軍用の物は鎧も貫ける威力だとか。
それでなにやら、主を崇める者が撃つのには残酷すぎる武器とされていたけど、異教徒相手には使用を解禁したとか。
んで、百年戦争時にはフランス軍がクロスボウ部隊を作り、イギリスの長弓部隊とやりあったそうな。
……この記述から、イギリスではクロスボウを使っていたのか? とか、その辺の情報を知らないと【ブリテンパック】に入れられる物か分からないですね。
あとクロスボウは重さが3㎏~10㎏以上まであったとか? それで軍用なら威力が欲しいから自然と重い物になるでしょうね。
そんな重いのを使う・使い続ける筋力が求められたり。
あと大問題。
さっき攻城兵器を語ってましたが、火薬式の大砲は中世の終わり頃(15世紀)には存在していたとか。
まだ性能が「う~ん」位で、投石機と併用していた程度だったらしいけど。
……どーする? こんな所にも、知識が必要になるぞ?
兵器知識ならまだある。
今は陸上で代表的な兵器となっているタンク。
戦車ですね。
語源はなにか知ってるかい?
タンクはそのまんま。
(水の)タンク なんですわ。
なんでも、新兵器開発の情報を相手にすっぱ抜かれても「なんだ、水を大量に溜め込む道具か」とかって勘違いさせるために付けたコードネームだとか。
形も水を貯めるタンクに見える外見だったらしい。
んで、実際に戦場でタンクをお披露目したら「うわっ!? 巨大な物体が銃を撃ちながらこちらへ迫ってくる!!」ってビビらせる目的だったらしい。
結果は成功で、良く分からないナニカがのっそり迫ってくる威圧感に負けて“タンクが登場してすぐは”敵がマジでビビりまくりだったとか。
まあ一番の目的は歩兵支援。
敵の歩兵を撃てるように機銃が機体からチョコンと出ている、兵士と同じ速度で前進する障害物……だったかな?
形もそれ(水のタンク)に似せて作っていた為、タンクが世に出た直後は現代のとは似ても似つかないブツに(苦笑)
しかも開発開始当初はちょっとした溝や段差でも動けなくなるポンコツだったと、物の本で読んだ。
それが今や……ねぇ?
他にも飛行機で空を飛べちゃう豚でお馴染み、その時代の戦闘機。
主に複葉機に機銃を載せただけのソレ。
爆撃もしたけど、やり方は戦闘機に積んだ爆弾を人間が直接持って投下。
こんなんでも兵器やったんやで……(遠い目)
そしてそんなのだったのに、第二次世界大戦の頃にはああまで変わる。
車輪のホイール……と言うか(自転車の)スポークにあたる部分にジェットをいくつも取り付けて、爆薬を仕込んで転がす珍兵器だって作っちゃう。
時代の変化は恐ろしい……。
とまあ、時代考証しないと読者様から「なんで出ないんだよ!」とお叱りを受けかねない物も有るんです。
このスキル、使う為の前提が本当に厳しい。
兵器類なら運用思想から、実際の運用法や運用記録。 スペックに弱点。
食方面でも、当時食料にしていた物の具合(鮮度とか出来とか)や味。
大航海時代でアメリカ大陸から、トマトやジャガイモを持ち帰るまでの食生活の記録。
第二次世界大戦時の英国兵士の戦闘糧食パックには、紅茶が入っていたか? とか。
時代で分類しちゃった以上、実在の兵器を物語中に出す以上、ちゃんとしたデータを基に書かないと○○は間違ってるよの指摘が確実に飛んで来る……(震え声)
大きめの溝にはまって擱座するなんて、第一次世界大戦の頃の戦車位だし。
なお、現代でも極一部の国のポンコツ戦車ならば擱座する模様。
ついでに同じ国の主力戦闘機は、突っ込んでしまったマンホールの穴に撃破される大失態を見せたそうな。
それで議論とかできるまで知識を仕入れていれば、心強い応援者になってくれるかもしれないんですが、テキトーに書き散らかした場合は……((( ;゜Д゜)))
安直に紅茶をキメたかったんですが、自分には荷が重すぎるスキルでしたとさ。
あ、ブリテン=紅茶 っぽいイメージですが、中世では紅茶は広まっておらず、実際に飲まれるようになったのは17世紀頃からって話を聞いた事が有りますね。
なので中世ヨーロッパを意識した世界に紅茶は“厳密な設定なら”あまり入れてはいけない物だったと。
入れるなら、明らかな異国情緒溢れる外国へ旅立った誰かが、偶然見つけて持ち込まないと不自然になると。 本来なら。
と、知識は武器にして足枷。
上手く使えればこの上なく素晴らしいものとなるが、下手に使えば振り回される。
それでもこんなスキルを使うと言う豪の者は、どこかにおられないものか。
兵器面だけ書いてましたが、食文化も知ってないとね。
当時の農業とか、その農業手法でどんな野菜が採れていたとか。
同じ畑で肥料無しで同じ野菜ばかり作っていたから土の栄養状況が悪く、やせ細った野菜しか採れなかったとか。
中世なら猪豚とか言われそうな、半野生の豚を飼育していて、今ほど落ち着いていないから突進されたりで傷が絶えなかったとか。
そんな豚だから動き回ったり、食文化的に美味しい豚肉の飼育方なんて迷信まみれで、今ほど肉の出来が~とか。
衛生環境の問題で食べる前の適切な処理を考えないといけなかったり。
地域に密着した知識を仕入れまくらないと、かなりスキル内容に即したモノにならないんですよね。
まあ【ブリテンガチャ】ならそこまで細かく調べんでも、出したいものを出せば良いだけってやっつけ仕事になるんですが。
とにかく。
時代考証をしっかりやって、さりとて「これだけ調べたんだよ!」って書きまくればウザがられるから、出す文は必要なだけ。
描写で、最初期タンクの遅さをキャラが驚いたり、走って追い付けるだろ! とかツッコませたり。
三人称視点の文なら、この位の溝も越えられないポンコツでした~までとか。
少しだけ。 サラッと知識を出す程度が読む側の立場だったら、読む邪魔になりにくいかな?
とまあ、沢山調べても作者の苦労は表に出ない苦行。
それでも調べ上げて、作品にしれ~っと苦労も見せず登場させるのも、作者としての心意気かもしれない。