飛行車
ドミトリが店に入ってからというもの、大公都の店は急速に店らしくなっていった。孤児の子供たちも店員として働き出し、ドミトリに怒られながらも一所懸命にやっている。マリーとソフィは飽きてきたのか、最近は館の中庭で2人で稽古をしている。
マルティーナはドミトリの店の運営などに感銘を受けて、なるべく知識を身に着けようとドミトリに質問ばかりを繰り返し、ドミトリを少し困らせているようだ。
アレクはマリー達に、何気なく道場でも開いてみたら?と聞いたら、とんでもなく食いついてきた。しかし言ったものの、道場を借りれるような場所の宛はない、アレクはマリーとソフィの3人で道場が借りれる場所が無いか商業組合に来てみた。
「道場ですか・・、どのくらいの広さが必要なんですか?」
「そんなに大きくなくても大丈夫です!試合は1組が最低できれば」
「いやその、試合に必要な広さもわからないのですが・・」
組合の受付の女の子は、ソフィの説明では理解できていないようだ。アレクはスノークの道場ぐらいの大きさを受付に説明すると受付の女性は悩みだした。すると閃いたように物件を思い出したらしく、後ろから書類を出し、アレク達に場所と建物を説明する。
「このあたりは軍兵の宿舎が並んでいて、非常に柄の悪いところなんですが、軍用の物資の倉庫が売りにでています」
「なんで売りに出たんですか?」
「このあたりは泥棒が多く、物資がいつも盗まれる事に軍の人達が嫌気をさして、そもそもの備蓄量を減らしたので使わなくなったみたいです」
「じゃ、そこで!」
「ソフィ・・・、聞いてなかった?柄悪いらしいよ?そもそも、こんなところじゃお店どころか人も住めないよ?」
「大丈夫よ。アレク。ここ買って」
「はぁ・・、わかりました・・。受付さん、購入手続きお願いします」
受付の女性は購入することにも驚いたが、今買うというアレクにも驚いた。購入の証書が作成され登記権利書を受け取りにいくと、アレクは代金の金貨28枚を支払った。アレクは大公都にこんな安い物件があったことに驚いた。もちろん普通の市民にとっては一生かかっても買える金額では無いのだが。
アレクは書類と鍵を貰って、早速現場を見に行った。
「現場も見ずに購入することになるとは・・」
アレクは一人嘆いていたが、ソフィとマリーは「道場経営!」と物凄いやる気を見せていた。アレク達は受付に貰った地図で、現場に到着する。アレクは周りをみてゲンナリした。まるでスラム街のようなのだ。到るところで兵士達がたむろしている。マリー達を見れば、兵士たちは指笛を鳴らしてくる。
しかしマリーもソフィも一向に気にしていないようだ。建物はまさに倉庫でかなり年季が入っている。中にはなぜかゴミも捨てられていた。マリー達は「大きいねー!」と喜んでいるが、アレクは先程の兵士の態度やら倉庫の朽ち方やらゴミやら、現場も見ずに決めた自分やらに無性に腹が立っていた。
アレクが突然次の場所に行くと強く言うと、ソフィ達はアレクの様子がおかしいことに気が付き、黙って付いていった。アレクは商業組合に戻り、街一番の大工を紹介してもらい、大工の店に行くと、先程の倉庫を全部取り壊して、立派な道場を作ると言っていた。
アレクは、勇ましく、厳格で、上品で、雰囲気があって、武術の総本山のような道場を作って欲しいというと、大工は悩みながら請け負ってくれた。アレクはマリーとソフィに釘を刺した。
「2人ともやるからには、大公都一番。いや大陸一番となってスノークのドミニクを驚かせてみてください」
「「おお!!いいね!やろう!」」
宣伝や組織作りには、ヴィクトールとドミトリに意見を貰ってから進めるように助言をした。あの2人の意見が入れば、そんなに大きな失敗にはならないだろう。2人は待てないのか走って館に戻っていった。
アレクは2人を見送ると、そろそろ馬車の修理が終わっているはずと思い出し、馬車店に馬車を取りに行った。予定通りに馬車の修理は終わっていた。アレクが修理代金を払って帰ろうとすると、店の人が製作中の《飛行車》の件で確認してきた。
もちろん店の人に飛行するとは行っておらず、普通の馬車と言ってある。
どうやら、土台の部分に既成品を流用できるようにすると、工数も費用も大きく削れるらしい。大きさや連結なども問題無いが、ただ若干重くなるようだ。アレクはその方針で問題無いと答えると、後1週間ぐらいで完成すると言われた。
アレクは帰りの馬車の中、終始ドキドキしていた。本当に空を飛べるのだろうか。アレクは馬車を館の馬車止めに置き、自分の部屋で何度も煉瓦での練習を行った。
そして1週間後。アレクの煉瓦での練習は完璧だ。新しく購入した最上級の軍馬2頭を連れて、馬車店に向った。アレクは新しい馬車《飛行車》に馬を繋げ、代金を支払。すぐに街を出て、人がいない草原に向かった。普通の馬車としても申し分無い。
アレクは周りを見渡し、まずは馬車の中の後部に、荷物石を2つはめる所を作って石をはめる。石は豆の大きさではなく普通の大きさのものにする。それは荷物石の色が変わった時にすぐに気がつくようにするためだ。次に風防壁石も2つはめる場所を作りはめた。この石も普通の大きさだ。
準備はできた。扉も窓も外がよく見えるように開けておく。後ろにも窓がついているので、これで馬用の車がねじれたりしないか確認できるはずだ。アレクは1つ目の荷物石に連結された2台の車が1つであるように想像し、1mほど浮くように念じた。
車は2台とも浮き上がり、アレクが何もしなくても浮いたままになっている。まずは最初の段階は成功だ。しかしアレクの体も馬車の中で浮いている。アレクはもうひとつの荷物石にさっき念じた範囲よりも少し小さい範囲を想像し、また少しだけ重さを感じるようにする。
これは煉瓦の実験ではやれなかった事だ。結果はうまく言った気がする。馬車自体は高さは変わらず、室内には少しの重さが機能しており、先程のように馬車の中でふわふわ浮かなくなった。ここまでは順調だ。
問題は次だ。ここからは中に人が入っていないと実験ができなかった事だ。アレクは慎重に移動魔力を馬車2台に掛けていく、馬車はアレクが念じる速度で移動し始めた。アレクは徐々に速度を上げる。馬車の中のアレクが潰されることもない、内臓も大丈夫だ。
アレクは馬車に反対の移動魔力を込めて、停止させる。今度は反対に移動させて元の場所に戻して停止させた。アレクは歓喜した!内臓が潰れたりしない、すべてうまく行ったのだ!その後もアレクは色々な速度で馬車を動かし、荷物石も操作しながら、上下左右前後に馬車を自由自在に動かす。
このあたりは、死ぬほど煉瓦で練習しており、まさにその成果として思い通りの動きができているのだ。アレクは元いた場所に戻り馬車を地面に降ろした。今度は馬を後ろの馬車に乗せた。今までの実験では馬用の車が捻れたりすることは無かった。4つある連結器にも負担は感じられない。
馬を2台目の馬用の車に乗せても結果は大成功だった。馬も怯えること無く何事も無かったように馬用の車に乗っている。色々と動かしたが、全く問題が無かった。また予想外だったのが、馬車の中にいる間は、風防壁石を可動させなくても、風圧で大変なことになったりしなかった。
これについてはまだ不安もあったので、石は馬車に取り付けたままにしておいた。雨の日などに使えるだろう。もし海に落ちた場合にもこれで時間が稼げるはずだ。アレクは元の場所に戻り、馬を下ろして、馬車の前に繋げ、街に帰ることにした。
荷物石の色も変化がなかった。何もしない豆荷物石でも数ヶ月持ったので、小まめに利用していれば、魔力が切れて原石に戻ってしまうことはないだろう。
これで新たな旅の準備が整った。アレクは新しい大陸への出発やスノークの城の地下など、行きたい所が沢山ある。もちろん、エトワール商会のお店を回ることも重要だ。しかし圧倒的に移動時間が少なくなるので、これからの旅はもっと楽になるだろう。
アレクは館に戻り、新しい馬車を馬車置き場に止めて、館に入るとエカテリーナが応接室でお茶お飲んでいた。
「あれ?エカテリーナ1人ですか?」
「マリーとソフィは道場の建築現場に、ティナはお店に行っているようですわ」
「なにか顔色悪いようですが、どうかしたんですか?」
「向こうの館にいると、例の第三王子が押しかけてくるんですのよ。本当に何度もお断りしているのに。私にはアレク様という心に決めた人がいるのですから」
エカテリーナがチラチラこちらをみている。困った人だ。
「そろそろ、また旅に出る予定なのですが、エカテリーナも行きますか?」
「本当ですか!!ぜひお願いします!」
「今度の旅は、ちょっと長くなります。スノークから聖王国、王都を回ってからオルドゥク。そして海を渡って、サラディア首長国、ユリウス帝政国と周る予定です」
エカテリーナは聖王国から王都の所で、オルドゥクが途中にあるのではと思ったが、細かい所は気にせず目をキラキラさせながら「お父様の許可を貰ってまいります!」と元気よく出ていってしまった。
リディアの様子を見ようと、研究室に行くとどうやら煮詰まっているようだった。
「リディア、調子はいかがですか?」
「ああ、アレク様・・・」
リディアはアレクを見るとキツく抱きしめてきた。丁度アレクの顔がリディアの破壊力のある胸に埋もれてしまい、息ができない。
「ちょ、ちょっとリディアどうしたんですか?」
「・・・行き詰まってます」
「ああ、なるほど」
「・・・煮詰まってます」
「それでは、これは絶対に秘密の話しですが、スノークの城の地下神殿には世界を作った5匹の神獣の魂が眠っているらしいです」
「ええ!!!」
「僕は今回の旅でスノークに行ってみようと思っています。他にもユリウス帝政国にも行くつもりなので、リディアが前に言っていた資料も取りにいけますよ。一緒に旅に行きますか?」
「もちろん行きます!!」
「ちょっと期間が長めですが、ぜひ気分転換に」
旅の提案でリディアの気分も少し良くなったようだ。今晩の夕食時に他に行く人を確認しておこう。それからアレクはヴィクトールに旅に出発する旨を伝えた。旅先の大陸で支店を作ってくる予定なので、資金の準備をお願いしておいた。
その後、夕食時に旅の話しをすると最初にソフィが断ってきた。
「こめんなさいアレク!今道場がほとんど完成して、後は細かい内装だけなのよ。何より私が抜けたら道場の師範代がいなくなっちゃう・・」
「大丈夫ですよ。大陸一の道場にしてください。次の旅では一緒に行きましょう」
「ごめんね・・」
ソフィの次はマルティーナも断ってきた。
「アレク、すまない。今、店の立ち上げから勉強させてもらっていて、この知識は母ちゃん達の役にも立ちそうなんだ。一通り店が回るようになれば、覚えることもなくなるから、今回はゆるしてくれ」
「マルティーナ。そんな許す許さないじゃないですよ。マルティーナはやりたいことをするべきです。僕はいつでも応援してますよ」
「すまない」
「アレクちゃん!私はいつも一緒だよ!私の夢は世界を回ることなんだから!」
マリーはいつも通りだった。あまり同じ街に留まるのも嫌がりそうなくらいだし、丁度良い時期なのかもしれない。アレクはその場で明日出発予定ですと伝え、院長やヴィクトールに後はよろしくおねがいしますと伝えた。
翌日は朝食の後すぐに出発の準備を整えた、マルティーナにはドミトリに旅の件伝えておいてもらえるように頼んでおいた。マルティーナはとても悲しそうな顔をしていたが、アレクがすぐ戻ってきますよというと、苦笑いになった。
ヴィクトールには食料や旅の道具の買い出しを頼むと、もう馬車に積んであると言われてしまった。相変わらず段取りに隙がない。
アレクは自分の部屋から必要そうなものを、馬車に積み込んだ。そんな旅の準備をしている間に、エカテリーナがやってきて、午後に出発しますよと言うと、急いで荷物を準備するので、後で迎えに来てくださいと言ってすぐに戻ってしまった。
リディアの荷物は少なかった。自分の研究用紙以外は簡単な着替えだけだった。マリーも荷物は少ない。アレクは竜鉱石を粘土魔力で3分の1ほど千切って馬車に乗せた。
最後に各自に忘れ物がないか確認して、のんびりとロマノフ辺境伯の館に行き、辺境伯にも旅の挨拶を済ませて、エカテリーナと大荷物を乗せてから出発した。
今回の旅は女の子の身長が大きい子だけになっている。マリーの172cm、リディアの166cm、エカテリーナの165cmと、アレクがまだ145cmなので何となく圧迫感がある。
街の門を出て、アレクの馬車が街道を外れだすと、3人は不思議に思い窓から外の様子を伺いだす。そのうちアレクが馬車を止めて、馬を外して後ろの車に馬を乗せ始めると、さすがに質問された。
「アレク様、何をなされるのですか?」
「今回の旅は空の旅になりますので、馬は仕舞います」
「「「?」」」
「空を飛びますので、叫ばないでくださいね」
「「「ええーーー!!??」」」
アレクは死ぬほど練習した荷物石の操作を始め、馬車は一気に上空1000mくらいまで浮かび上がる。その後、徐々に馬車は加速して行き、スノーク方面に向かった。今回は少し速度を落としているが、それでも普通の馬車の30倍ぐらいの速度だろう。
馬車の中は絶叫の嵐だったが1時間もすると、窓から外を眺めるゆとりも出てきたらしい。マリーなどはすでに楽しそうに、あそこはどこだの、前はあそこで天幕張ったなど言っている。リディアは違う意味で放心しているらしい、アレクの事を神を見るような目で眺めている。
一番大変だったのはエカテリーナだった。8時間の飛行のあと、人気がない場所に着陸し、野営に備え天幕の準備を始めても、まだエカテリーナは震えているようだった。食事で温かいスープを飲むとようやく人心地が付いたようだ。アレクは馬を2台目の車から出して、草を食べさせ、水辺で水を飲ませる。
馬車を引いていなくともいつも通りの対応だ。アレクは天幕でエカテリーナの横に寝て、抱きしめながら寝ることにした。
翌朝朝食の後、馬と天幕を仕舞い馬車に乗り込むときには、エカテリーナも少しなれたようだった。アレクは周りに人がいないことを確認して、一気に上空に上がってから加速する。なるべく昨日と同じ高さで同じ速度になるように調整をした。
スノークに近づき、スピカ村よりずっと城下町に近い、ススキの道に着陸し馬を繋げる。後は普通の馬車として城下町に入って道場に向かった。この時間だとまだドミニクは道場だろう。
「ドミニク!おひさしぶりです!」
「おお!アレクシス様。ご無沙汰しております。おやソフィがいないようですね?」
「ソフィは今、大公都に道場を作って、大陸一の道場にすると頑張っています」
「なんと!アレクシス様の護衛でついていっているのに、仕方のない娘で・・」
「いえいえ、本当にソフィは楽しそうでしたよ。あ、新しい仲間を紹介します」
「こちらがロマノフ辺境伯の第二子女、エカテリーナ様で、こちらが魔法研究家のリディア女史です」
「「こんにちは」」
「はじめまして、ソフィの父親のドミニクと申します」
「ところで、ドミニク。ここの領主のトクタイ男爵との面識はありますか?実はスノークの地下神殿を見たいのですが・・」
「なるほど、それであればここの道場主から先触れを出してもらったほうが良いでしょう。私が関わるとかえって怪しまれるので」
「助かります。僕の名前はアレク・エトワールとしておいてください」
「ふふ、存じていますよ。アルデバランの名誉伯爵になられたそうで」
「過大な評価だとおもいますが」
アレク達は、先触れの返事が帰ってくるまで道場で待たせてもらっていた。1時間後ぐらいに返事が帰ってきた。会ってもらえるようだ。
ドミニクに「また今度」と別れの挨拶を簡単にすると、城に向かった。あの事件から始めて入った城は、懐かしいようで、もう知らない所になってしまったような不思議な感覚だった。
馬車を止め、勝手知ったるように入り口に行くと、執事の人が応接間に通してくれた。どうやら男爵なので本来城を持つ事を許されておらず、そのため王の間は使ってはいないらしい。
応接間に入ると、トクタイ男爵がそこで待っていた。
「おお!英雄アレク!噂は聞いております。この度は良くお越しくださいました」
「はじめましてトクタイ男爵様。この度はお忙しい時間を頂戴させて頂き深く感謝しております」
「いえいえ。なにぶん古い城なのでお見苦しいところもあると存じますが、ご寛容を頂ければと」
「いえ、雰囲気もある良い建物だと思います。ところで今日の目的なのですが、さらなる魔物への対策と研究を兼ねて、現在魔法の研究をしておりまして、ここの地下に神殿があると聞きつけたものですから、このような形で訪問させて頂きました」
「おお、そうでしたか!さすがは英雄ですな。日々切磋琢磨を忘れない素晴らしい心がけです。しかし残念ながらここの地下神殿も、盗賊に根こそぎ金目のものは盗まれていたようです。私も一度、目を通しましたが宝物庫共々何もありませんでした」
「そうですか・・残念です。ただ折角ですので地下や城の中を拝見させて頂いても宜しいでしょうか?」
「もちろんですとも!この執事の方が案内致します。ただ私は所用があって本日はこれで失礼させて頂きます」
「これはこれはお忙しい中申し訳ありませんでした。またぜひお会いしたく存じます」
「こちらこそ宜しくおねがい致します。それでは」
アレクは思ったよりも簡単に閲覧できることに驚いたが、宝物庫だけでなく、地下神殿まで盗賊に奪われていたのが残念だった。
アレクは早速、男爵の執事に地下神殿に案内してもらった。
神殿は思ったよりも小さく、地下洞窟の中に聖泉の台座みたいなものが置いてある。ただその台座には更に小さい台座を置いてあり、どうやら宝玉はその上にあったようだ。
「ここにあったようだけど、もう無いみたいだね・・」
アレクは分かっていることを、口に出してみたが何も変わらなかった。リディアも一所懸命に台座を調査するが特に変わった所は見当たらなかった。次にアレク達は宝物庫を見せてもらったが、中は何もない空の部屋だった。
アレク達は執事に深く礼を言って、馬車に乗る。アレクは、もう一度城を見てから、ソーマの滝を目指した。するとマリーが今更ながらに、アレクがここの国の王子だったことを2人に説明していた。エカテリーナは驚いておらず、逆にリディアは妙に納得したような顔をしていた。
城をでて山脈街道に入り、ソーマの滝へ行き以前に滝に入れておいた魔物の魔石を回収する。魔石は無事に清浄化され綺麗な輝きの原石になっていた。普通の魔石も十数個落ちていたので合わせて回収した。その後、猟師のモーリスにも挨拶し、滝での清浄化が終わったことを報告しソーマの滝を出発する。
少し馬車で走った後、アレクは馬車の飛ぶ高さを山よりも高くして、一気に山脈街道を抜けて聖教都市の近くの草原に降りてから、馬車に変更し聖教都市に向かった。