野盗
2人が戻ってくると、マルティーナは買ったものの運べないものがあるので、取りに行ってほしいとお願いしてきた。運べないものとは大豆袋や小麦粉らしい。アレクは馬車を手で引きながら購入した店にいくと、マルティーナは幌から出て、馬車に積むのを店の人に頼んだ。
1ヶ月分にしては多いような気もするが、大豆は馬の餌の青草が道中無かった場合に備えて、馬に与えるかもしれないと言っていた。マルティーナは馬車で旅商をしたことは無いが、知識としては学んでいたらしい。
その他にも、大きめの鍋の購入していた。アレクは馬車を購入したことで舞い上がっていたようで、すっかり食事の事を忘れていた。
「マルティーナ、その鍋はいくらだったの?」
「これ?安かった。銀貨3枚くらいだ」
どうやら大陸では受注生産が基本の島の鍛冶製品とは違い、需要と供給で価格が決まるらしく、鉄を多く使っていても鍋のような簡単な構造のものは値が安いらしい。アレク達は一通りの旅の準備を確認すると、宿に戻って、置いてあった荷物を積み込み、宿にこれから出発することを伝えた。
アレクは手で馬車を引きながら、街の入口を出たところで御者台に乗り、軽く手綱で馬を叩く。馬は長年繰り返してきたように、ゆっくりと馬車を引き始め馬車は進みだした。アレクは自分で購入した馬車で旅が始まることに、深い感動と喜びを感じていた。
『クロエ、もう少しだ待っててね・・・』
すでにクロエと別れてから随分と時間が経っている。しかし悪いことを考えても状況は変わらないということをアレクは知っており、すぐに気持ちを切り替えて大公都に心を向けた。
馬車の旅が始まってはや3週間。旅路は順調だった。確かに馬は年寄りらしく時々休憩させる必要があったが、景色は美しく、湖などを見かけたら湖畔で水遊びをしたり、3人とも旅を楽しんでいた。
もちろん魔石の訓練も行っている。すでに2人とも水石も治療石も使いこなせているようだ。しかし効果については5倍の石を使っているにも関わらず、普通の石ぐらいの効果しかでていない。ゆっくり練習していけばいいだろう。
また3人とも馬の扱いにもなれ、御者台は交代で担当している。丁度今はマリーが御者台で嬉しそうに馬車を走らせている。マリーにとっては見るもの聞くものすべてが新鮮のようで、毎日が楽しそうだ。マルティーナも3人の生活になれてきており、マリーとは姉妹のように仲がいい。
最近マルティーナは無闇矢鱈にアレクにくっつかなくなってきたのでアレクとしては少し残念だが、心の距離は以前よりも近くなった気がしている。
マリーが急に話しかけてきた。
「アレクちゃん!後ろからすごい勢いで馬車が近づいてくる!」
アレクはマリーの言葉に瞬時に反応し、幌の後ろの垂れ布をめくった。確かに凄い勢いでこちらに向かってきている。見るとかなり豪奢な馬車だ。2頭引きの上、馬車の部分がかなり大きい。気になったのは馬車よりも馬車の後ろを走っている騎馬だった。どうも戦闘しているように見える。
アレクは馬車の目的が自分達ではなさそうなので、道を譲るようにマリーに指示をした。豪奢な馬車は凄い速度でアレクの馬車を追い抜いていく。後ろを走っている騎馬には2種類の男達がいた。馬車を守るように戦っている綺麗な鎧を付けた騎士風の男達の騎馬が3騎。それを剣で切りつけているのが野盗風の男達の騎馬8騎だ。
すでに騎士風の男達はかなりの傷を負っているように見えたが、必死に馬車を守ろうとしている。馬車を守りながら3倍近い敵を相手にするのは大変そうだ。アレクは他人事のように見ていたが、マリーがとんでもない事を言い出す。
「アレクちゃん!助けないの!?襲ってる奴ら、どう見ても野盗だよ!」
アレクは驚愕する、この年寄り馬車ではとても追いつけない上、相手は8人もの盗賊だ。普通に考えれば助けに行っても返り討ちに会うのは目に見えている。それを解っていてマリーは言っているんだろうか。
「ふ、アレク!解ってるよ!やるんだろ!?」
なんとマルティーナまでやる気だ。どう見ても相手は10年は野盗で飯を食っているような輩だ。しかしマルティーナの目は英雄を見るキラキラしたものに変わっていた。
「ふぅ・・、そうですね、義を見てせざるは勇無きなりですか。この馬車では追いつけそうにありませんが、最善を尽くしましょう。マルティーナ、マリーにも小刀を渡してあげて下さい」
それにしてもマリーは剣が立つとはいえ、得物は小刀。相手が大人の剣士相手では手足が長いマリーでも間合いの有利さはなさそうだ。1人を相手にするので精一杯だろう。マルティーナもカルメンから習っていたと言っても、まだ14歳で剣の技量ではマリーに全く及ばない。そもそも力の勝負になったら女の子2人では男相手に圧倒的に不利だ。
マリーは手綱を何度もたたき、追いつこうとするが、豪奢な馬車とはどんどん離れていく。2頭馬車の上高価な軍用馬を使っているのだろう。まず追いつけはしない。問題は馬車が止まったときだ。
途中、1人の野盗と1人の騎士が相打ちらしき格好で道端に転がり落ちて絶命していた。すでに馬は逃げてしまっているようだ。
「まずいですね・・、残りの護衛騎士は2人。もう持たないかもしれない」
暫くアレク達は馬車を走らせていると、前方に先程の馬車が止まっているのが見える。手前の距離に御者が殺され道に転げ落ちていた。
「マリー、マルティーナ。戦闘が始まったら2人で1人を相手にしてください。可能であれば縛り上げてください。他の6人は僕がやります。正直殺したくはありませんが、自分たちの命を優先します。2人も自分の命を優先してください!」
アレク達は馬車を近くに止め周りを見渡すと、すでに残りの騎士は2人とも殺され、野盗の1人は馬車の扉をこじ開けようとしている。もう1人の野盗は窓の部分から剣を馬車に突っ込み、下品に甚振っているようだ。
「野盗の方々!乱暴はお止め下さい!」
アレクが叫ぶと7人はアレク達を見るものの、女子供3人だと分かると、2人ほどがこちらに近づいて、他の野党たちの興味は馬車に戻っていた。
「おいおいお嬢さん方、わざわざ犯されに来たのかな?」
2人の野盗の口は気持ち悪いほど釣り上がっており、こちらが構えているものが小刀と知ると大爆笑を始めた。アレクは笑い声に隠れて、マリーに右の男をお願いと言うと、次の刹那にはアレクの右手のそれぞれの指先から出た水糸5本が、左の野盗の頭に打ち込まれていた。
左の男は何も気が付かなかったように、静かに後ろに倒れ、ドサッという音を立てた。右の男がその音の方を向いた時に、マリーは一瞬消えたような速度で踏み込み、小刀で右の男の左手を切り落としていた。
「うぎゃーーーー!!」
割れ叫んばかりの絶叫があたりに響いた。豪奢な馬車で遊びながらドアをこじ開けようとしていた5人は驚いたようにアレク達をみる。そこには1人が倒れ1人の手が切り落とされている仲間がいた。1人だけ馬車の扉の前に残り、他の4人がこちらに向かってくる。
アレクは1人殺すのは見せしめの為やむを得ないと考えていたが、これ以上の死人は作りたくない。しかし水糸は量を出すと自分が気絶してしまう上に、木をも簡単に切断できてしまう殺傷力があり、動いている敵ではまず死んでしまうだろう。そこでアレクは、先日身につけた荷物石の力を使う。
アレクは5人とも宙に浮かぶ想像をする。突然5人の体が宙に浮かぶ。たった30cmほどしか浮かんでいないが彼らは自分の体が自由に動かせなくなり、空中で暴れだす。
「なんなんだよ!こりゃ!」
「これは荷物石を使ってやがるんだ!」
「でも5人同時だぞ!おかしいだろ!?」
すでにマリーは手首を切った野盗を気絶させ、体を縄で縛り始めている。念の為出血死しないように左の腕も縛っている。空中で暴れまわっている野盗達は、何も出来ないことに腹を立て、八つ当たりに剣をこちらに投げてきた。4本ほど飛んでくるが、すべてアレクの小刀で叩き落とされる。1本飛んでこないなと思って見てみると、馬車の扉にいた野盗は手で馬車につかまり姿勢を保っているようだ。
「マリー、馬車の所にいるやつを先に倒してください」
「了解!アレクちゃん」
「マルティーナは縛った野盗を見張っていて下さい」
「まかせて!」
マリーは馬車の所に行くと、何合か野盗と打ち合ったが、所詮足が地に着いてない不安定な態勢の野盗と、マリーとでは相手にならない。野盗の足や体に何回か刺されると剣を落とし、かなりの血溜まりが地面にできた。他の4人も同じように刺したあと、アレクは1人1人地面に下ろし全員を縄で縛り上げた。
一段落するとアレクが独り言を言いだした。マリーもマルティーナも驚いたようにアレクを見る。
「ふふふっ、良い馬が沢山います・・」
2人はアレクの様子を見ながら呆れていると、馬車の窓からこっそりと外の様子を見ていた人が、馬車の扉を開けて飛び出してきた。
「お助け頂き、誠にありがとうございます!」
馬車から出てきたのは、豪華なドレスに身を包んだ15歳くらいの少女だった。真っ白な巻き毛の髪に真っ白な肌、年不相応な大きな胸とコルセットで細く絞められた腰。そして真夏の空のように透き通った青い瞳。舞踏会に出れば引く手あまたであろう貴族の女の子だった。
アレク達は亡くなられた騎士や御者、野盗などを近くの丘のような場所に埋め、簡単な墓を作った。
その後、縄で縛った野盗たちに尋問を始めた。彼らはどうやら豪奢な馬車を見かけたので、襲っただけのようだ。貴族同士の内紛のようなものではないらしい。
アレクは尋問の後、盗賊たちに話しかけた。
「僕はあまり人を殺したくはありませんが、殺される可能性があるなら殺します」
「「「「「「・・・」」」」」」
すでに野盗の1人は瞬殺されている。そしてこの少年は全員を相手にしても皆殺しにするだろうと、野盗達は恐怖と戦慄を覚えていた。野盗達の体の震えは仲間たちに広がっていく。
「分かっていると思いますが私は大賢者の弟子で魔法に長けています。もし皆さんがこれ以上僕たちに手を出さないのであれば、命は助けます」
「・・本気かよ!?」
「殺さねえのか?」
野盗達の中で比較的怪我の少ない者が驚きの表情でアレクを見る。
「正直、このまま縛ったまま放置すれば、みなさんは血が失われどのみち死にます」
「「「「「「・・・」」」」」」
「どうですか?取引に応じますか?」
「・・・わ、わかった・・・もう手出ししねえ・・」
馬車の扉を襲っていた野盗の頭らしき人間が不戦の約束をすると、他の野党たちも同意しているようだった。そもそも彼らの体はすでに恐怖によって支配されているのだ。アレクはマリーに野盗の馬を7頭すべて連れてきてほしいと伝え、マルティーナには少しの食料を馬車から持ってくるように頼んだ。野盗の武器は押収して馬車に入れたままだ。
その後、アレクは1人1人野盗の怪我を、血が止まる程度に治し始めると、野盗達は驚きの表情でアレクの顔を見ていた。もちろん見せ石として手元には治療石を持っている。
「ほ、本当に大賢者の弟子にちがいねえ・・・」
「こんな治療は見たことがねえよ・・」
かなり深い傷も治した治療に野盗は深く驚いていた。アレクの大賢者の弟子という嘘も完全に信じたようだ。その後全員の縄を解く。マリーは近くで警戒しているが、野盗達はすでに戦意が無いようだ。アレクはマルティーナが持ってきた食料を馬の1頭に積み乗せた。
「それでは野盗のお頭さん、これは少ないですが食料です」
「おめえは・・、いや、なんでもねえ・・」
野盗達はまだ完全に癒えていない体を馬に引き上げ、食料を積んだ馬と一緒に港町の方に帰っていった。
「・・さて、あとは貴族令嬢ですね」
豪奢な馬車の中で待っていた少女に、盗賊の件が片付いた事を伝える。すると少女は怪訝な顔をしながらアレクに訪ねた。
「なぜ、生かして放したのですか?」
「僕はまだ子供ですし、人を無闇に殺したくはありません」
「また無垢な者たちが襲われるかもしれませんよ?」
「私達は旅の途中であり、とても6人もの捕虜をつれて旅はできません。もちろん食料の問題もあります。また放置しても、通りがかった無垢なものを騙して殺して逃げるでしょう」
「それならばやはり殺すべきだったのでは?」
「いえ。ですので食料と慈悲を与え改心の機会を与えたのです」
「意味がよくわかりません・・、あなたは聖職者なのですか?」
少女が的外れな事を聞いてくるが、ただの旅商だと伝えると悩むような顔をしながら黙ってしまった。アレクが助けてくれなければ、身ぐるみ剥がされ、犯され殺されていただろう事は自明の理であり、少女に文句が言える立場で無いことがわかったのだろう。
「わかりました。野盗の話は以上に致します」
「それでは、お嬢様はどうなされますか?」
「それですが、すでに私の従者は全員死んでおり、1人では大公都に戻れません。あなたに道中の警備と私を無事に大公都に届ける仕事を受けて頂きたいのですが、宜しいでしょうか?」
「警護と送り届ける件、了解いたしました。正式な報酬は到着時に頂くとして、まずは手付として馬車につないである馬を頂いて宜しいでしょうか?」
「それは構いませんが、それでは馬車が使えなくなってしまうのでは?」
「残念ながら、お嬢様の馬車は目立ちすぎて、また野盗を招きかねません」
「・・・」
「なので僕の馬車でお送りします。お嬢様の荷物を僕の馬車に移しますので、ご指示頂けますか?」
「・・・わかりました」
アレクは少女を連れて、馬車に行き着替えのドレスや宝石類などを運ぶように指示されたので、それらを運んだ後、他に気がついた価値のありそうなものや食料なども馬車に移しておいた。荷物を運んだのち豪華な馬車に繋がっていた2頭の馬と馬具一式を取り外し、自分の馬車に取り付けると、自分の馬車に繋がっていた年寄りの馬を放った。
「おつかれさま。これからは自然の中を自由に生きてください」
アレクは軽く馬の尻を叩くと、年寄りの馬は走り出していた。馬を送り出した後、アレク達は馬車に乗り込み大公都に向けて出発する。幌の中には椅子がないので、大豆の袋に少女を座らせてアレクは質問を始めた。
「僕の名前はマクシムです。お名前を教えて頂けますか?」
「私の名前はエカテリーナ・ロマノフと申します。ロマノフ辺境伯の第二子女です」
「ありがとうございます。それでは改めて始めまして。こっちがマリー。御者台に座っているのがマルティーナです」
「皆様、はじめまして」
「よろしくねー!」「よろしく!」
「それでは早速なのですが、エカテリーナ様の服装ですと野盗に狙われるので、質素な服に着替えて下さい。マルティーナ、御者を替わるからマルティーナの服でエカテリーナ様に合いそうなものを貸してあげて下さい」
アレクはマルティーナと御者台を替わり、幌の御者台側の掛け布を解いて幌の中が見えないようにした。御者台に座り何度か手綱を叩くと、年寄りの馬1頭とは全く違う、軍用馬2頭の力強さを感じ、アレクは猛烈に感動していた。そしてすばらしい馬を2頭も得られた幸運に感謝していた。
「報奨金はなくとも、この馬だけでも相当な価値ですね」
暫くすると、姦しい話し声や笑い声が幌から聞こえてくる。アレクは貴族の少女とマリー達が上手く打ち解けられない可能性を心配していたが、杞憂だったようだ。気を利かせて今日は野営するまでアレクが御者をすることにした。ちなみにマルティーナの服では、エカテリーナにとって色々小さかったようなので、マリーの服を貸したらしい。
数日もすると、エカテリーナはもうすっかり馴染んでいた。女の子の間ではすでにお互い愛称呼びになっている。食事の時に話を聞くと、マリーはマリーのままだが、マルティーナはティナ、エカテリーナはカーチャという愛称になっている。
ただ問題は、自己紹介の時にマクシムと言ったにも関わらず、マリーが僕の名前を呼ぶ時にいつもアレクちゃんと言っているのでアレクの名がバレてしまったらしい。エカテリーナに問い詰められたが、内緒でお願いしますと言うと、悟ったような顔で分かりましたとあっさり納得されていた。
その上マリーから海賊撃退の話しを、マルティーナから大海蛇退治の話しを聞いたからか、彼女のアレクを見る時の、目に宿る輝きが眩しすぎるほど光っている。嫌な予感がする。これ以上人を預かって、増える食費の面倒はとても見れない。自分はまだ子供なのだ。過去に2人も預かることになったアレクは、その目の輝きを恐れていた。その日からエカテリーナがアレクを呼ぶ時は「アレク様」になった。
その後の道中は全く問題なく、馬車は大公都に到着した。予定よりも1日早く着いた。はやり二頭引きの軍用馬は強力だ。エカテリーナは都の正門のうち、扉が閉まっている方に並んでくれとアレクに指示をしていた。アレクはその扉が、王族や身分の高い人用の貴族門であることを理解していた。
アレクの馬車は、馬こそ立派な軍用馬だが、馬車自体は駅馬車の安物だ。普通に並んでいる行商人や旅商などの人々が怪訝そうな目でみている。アレクが貴族門の前に着くと、衛兵が走ってやってくる。
「おいこら!ここは貴族専用門だ!平民は向こうに並べ!!」
その時、幌から本来のドレスを着たエカテリーナが御者台に出てきた。
「ロマノフ辺境伯が子女、エカテリーナ・ロマノフです。通して頂けますか?」
衛兵が驚いた顔で呆気に取られている所を、アレクはエカテリーナから受け取った短剣を衛兵に見せにいった。その短剣を見た衛兵は大急ぎで門に戻り、開門の掛け声を掛ける。すると大きな門はゆっくりと開き出し馬車を迎え入れた。
その後、衛兵詰所から先触れが走り出す。貴族門を通った場合、詰め所から通った貴族の館に先触れが飛ばされる規則なのだろう。マリーは幌の間から巨大な城壁を見て、感動して声を上げている。さすがのマルティーナも大公都には来たことが無かったらしく、マリーの横で一緒になって眺めていた。
その後、エカテリーナの案内によって貴族街にあるロマノフ辺境伯の館に着き、馬車を館の中に入れると馬番の少年が走り駆けつけてきた。4人が馬車から降りると、馬車は馬車置場に運ばれていく。
「ようこそ我が館へ!旅の疲れを癒やしてください」
エカテリーナが館の扉を開き、通るような声で歓迎の言葉を掛けたが、アレク達はあまりに大きな館に度肝を抜かれ、その場で立ちすくんでしまっていた。
治療石の訓練は人を傷つけて訓練は出来ないので、木の枝で代用します。基本は生物が持つ自然治癒や成長の力を増大促進させることなので、木や花でも練習になります。