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学園戦記ハイペリオン  作者: 猫姫
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嵐の前の何か

いつもの教室、いつもの机、広大なジャガガ畑。

新たに二人の騎士を得た僕は、二つの空き地をジャガガ畑にした。


別にいいじゃないか、誰も困るわけじゃないし。

ジト目で見る漆黒の翼さんに、心の中で呟いた。


「…まぁ、王のすることだから何も言うつもりはありませんが」

「な、なにかようかな?」

心を読む漆黒の翼さんの目を見ないようにして、動揺を隠すように質問した。


「取り敢えず、お昼に情報処理部の部室に行きますが、なにか用事はありますか?」

「うん。いくよ、一緒に」

そんなこんなで、ホームルームが始まった。


そして、お昼休み。

「あれ?アリサは?」

「小規模な侵攻戦があったので、そちらに行ってます」

「大丈夫なの!?」

「…あ、いま連絡が、勝ったようです」

情報処理部が負けたと言う噂は、朝のうちに学校中に伝わっいるから、疲弊した今ならと攻める領主は多い。

そんな情報処理部へ王国から救援を出すのは、当たり前のこと。


「アリサ、お疲れ!」

「ふっふっふ、余裕よ!」

僕達はハイタッチする。

情報処理部の前で合流して、部室に入った。


「じゃあ、はじめましょう」

全員揃っていたので、接続開始ダイブ・イン

城内デザインをジークフリードに頼んだけどどうだろう?

漆黒の翼さんからはそういうデザインが得意と聞いていたけれど。


「うわぁ!!」

「こういうことだけは、昔から上手いのよね」

つい感嘆の声を上げてしまった。

重厚で派手すぎない装飾デザインは、僕の好みに合っていた。

玉座に座り見回す王の間は、本当に偉くなった気分だ。


「まず騎士あかねんと騎士ジークフリードの二人が新たに加わり、その空き地の利用どうしますか?」

僕の隣の漆黒の翼さんが聞いてきた。


「うーん、あかねんは何かある?」

「そうですね…個人的にですが、パン屋が欲しいです」

あかねんの土地は物見矢倉のみ、たぶん固有スキルを生かす為にジークフリードが作らせたのだろう。


「錬金工房じゃないの?」

アリサの質問に僕もそう思って視線を向けた。


「リアルでお菓子作りが趣味なので、ゲーム内でもしてみたいなぁ…と思いまして、あ、駄目ならいいんです」

「漆黒の翼さん、パン屋さんて?」

「ブラックウイングです、NPCの士気回復アイテムの生成施設です。まあ、士気は時間で回復しますし、あまり人気のない施設ですね」

「そういえば、アリサが戦闘後だったけ。こういう事が増えるだろうし、必要施設だね」

「施設は、騎士同士でも使えますし、パン屋採用します」

あかねんに指示を出し、次はジークフリードの方を見る。


「早く税率下げてくれ、これじゃジリ貧だ」

「なら早く成果をあげなさい、そうすれば考えてあげます」

「まあまあ、二人とも。ジークフリードの城内デザインも新エンブレム作成も良かったし、多少は考慮してあげようよ」

若草色の大樹に、騎士を表す葉とその頭上に太陽の王国旗。

あの時の決戦をモチーフにしたのだろう。


「それでは私達のアバター衣装を新調して貰いましょう。空き地は衣装店で」

「ま、待てい!?勝手に…」

「何か?」

ギロリと睨む漆黒の翼さん、なんかごめん、ジークフリード。


昼休みに終わりのベルが鳴る。

僕等は教室に戻る為、ログアウトした。


そして、放課後。

「ちょっといいか?」

教室の前に、山田さんが来ていた。


「ここじゃなんだから屋上に…」

「何か企んでるの?」

「いいよ、いこう」

宮園さんが心配して来てくれた。

それを制し、大丈夫と頷いてみせる。

何かあったらすぐ呼んでくださいと、小声で言うと情報処理部の方に行ってしまった。


「二人対戦の練習用フリーバトルして貰えないか?」

「別にいいけど…」

屋上で向きあって、接続開始ダイブ・イン

相変わらず味気のない無機質なバトル空間。


「あの最期の攻撃、もう一度見せてくれないか?」

「覚えていたのか…」

「隠したい気持ちは何となく分かる、だが確かめたい事があるんだ」

「分かった、一番防御力の高いゴーレムを出してくれ…」

ジークフリードは、鋼鉄巨人アイアンゴーレムで防御姿勢をとった。


「まず、僕は重騎士シールドナイトじゃない。武器を買ったり強化する必要がない、強化出来ないから。だから盾にお金をかけ一番の高級品を買えた。見た目、騎士槍と騎士盾のお陰で本来の職業を隠せた、本当はこの槍と背中のバックパックの装備なんだ」

「という事は、重機士スチームナイト?」

「うん」

騎士槍の先を展開し、光を灯す。


「この武器は騎士槍ナイトランスじゃない、銃槍ガンランスだ」

僕はトリガーを引く、気多たましい音と共にレベル1ガトリングでゴーレムを粉々にした。


「やはりね…」

「なにか知っているの?」

ジークフリードは、自嘲気味に話し始めた。


「【固有スキル】を探して調べていたときの事、ある男の映像を見つけた。その男は休学中、職業ジョブは戦士、名前は分からない。ただその武器が…」

ジークフリードは、一度空を見るように上を見て続けた。


銃剣ガンソード、銃と大剣を組み合わせたような武器だ。戦闘スタイルは、六発の射撃と剣撃。記録映像ではそれ以上は、分からなかったよ」

銃槍と銃剣、確かに似てなくもない。

それにしても、休学とは穏やかじゃない。


そこで放課後のベルが鳴る、僕らは帰る事にした。

12可変武器の一つ

①銃槍『ハイペリオン』

<正常>槍→銃

砲身と背負い機械


ハイペリオン・バスター

武器スキル<チャージ>

Lv1:ガトリング AP(威力値):B

LV2:ブラスター AP(威力値):A

LV3:ブレイカー AP(威力値):SS


補助背負い機械

補助スキル

・ダッシュローラー

・スタビライザー(封印)

・廃熱装置(封印)

・バーニア(封印)


<暴走>

銃槍『イフリート』

槍→双剣

その身は焦がれ燃え上がり、アバターはその熱量に変形するも、火炎は消えずに燻っている。

武器スキル<ファイナル・バースト>

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