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学園戦記ハイペリオン  作者: 猫姫
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牧歌的な日常

一夜明け、朝が来ていつものように登校する。

陸上部の朝練を横目に教室へ、自分の席に座り起動する。


僕の王国『王都・1』は、名前はまだない。

ちなみに特産品はジャガガ。

いつもの畑仕事をしていると、宮園さんが話しかけてきた。


「おはようございます、今日の昼休み戦後処理に情報処理部に行きますので、予定を開けといてください」

「あ、うん。了解」

「おはよ!昨日はおつかれ!」

「おはようアリサ、元気だね」

「ん、昨日は上手く戦えたから嬉しくてっ♪」

そんなこんなでホームルームが始まる。


午前の授業が終わり昼休み。

僕らは、お弁当を片手に情報処理部へ向かった。


「こんにちは…」

「待ってました、こちらです!」

ノックして入ると負けた悔しさからの殺伐とした雰囲気かと思いきや、真逆な大歓迎ムード。

部室の黒板には紅白のチョークで『ようこそ、情報処理部へ』だった。


「あ、あの…これは?」

「あなたが王様ですね!ありがとうござました!」

「へぇ、歳下なんだ…可愛い!ありがとう!」

「本当に、本当にありがとう…」

情報処理部の人達が次々とお礼を言うのが、なんかこそばゆい感じ。


「はじめまして、私が情報処理部部長に新任しました、紫藤 茜です」

「あ、どうもです」

「先日は、本当に助かりました。来た理由はメールで伺っています。それでは、はじめましょう」

僕達は、呆気に取られながらも勧められた席に座る。

情報処理部の人達も、お昼はまだのようでお弁当をだした。


「あの、さっきから気になってたんだけど、あれは?」

「元部長です」

お茶と茶菓子までだしてくれて、至れり尽くせりの中、視界に入ったそれについて質問してみた。


「ちょっと、この扱いはないんじゃないかな」

抗議の声をあげる手足を縛られて椅子に括り付けられた彼は、元部長の山田 悟さん。

人形使い『ジークフリード』にして、敗残兵と言うプラカードを首から下げた男。

カラフルなリボンでデコレーションされている所から、何処と無くみんなから愛されているんだなと思った。


「さて、今回、私達が勝ったので要求があります。まず情報処理部のみなさんには、仮契約を結んで貰います、期間は最長の1週間か1日かは選択です。ただあの男には重税を課しますのでご了承ください」

「異議はありません」

宮園さんが言うと紫藤さん以下、情報処理部の人達は頷いて答えてくれた。


「次に情報処理部はこのまま継続で、私は仮入部という形でPCをひとつお借りしたいのですが…」

「ちょうど一台空きがあります、好きなだけお使いください」

「それ、俺の!?」

山田さんが抗議の声をあげたが、みんな聞こえないフリをしている。


「とりあえずこんな所ですね、情報処理部を拠点したいと考えていますので、今後ともよろしくお願いします」

「あの、ひとつだけいいですか?」

「なんですか?」

「そちらの要求には何一つ異論はありません。が、ひとつだけ付け加えて欲しい事があります、私をあなたの王の騎士にして欲しいです」

宮園さんは、眉を顰め僕を見た。


「騎士契約について、分かって言っているんだよね?」

「あかねっ!?俺とはしなかったくせに!!」

「分かっています、契約お願いします。どうでしょか?」

「あかねがするなら俺も騎士にしてくれ、頼む!」

ここでお昼休み終わりのチャイムが鳴った。


そして放課後。

校門前で待ち合わせして、僕らはいつもの駄菓子屋へ。

ここは、電波の届かない秘密の会話にはもってこいの場所。


「でも、本当にいいの?」

説明の後、紫藤さんと二人きり。

僕は駄菓子屋の奥の部屋で紫藤さんに聞いた。


「まず、情報処理部を救って頂きありがとう。騎士契約は、確かに悩みましたが、それよりも困った事があります」

「困り事?」

「はい、私は【固有スキル】を持っているんです」

驚いた、学園で数人しかいない【固有スキル】持ち、その一人がここにいる。


【固有スキル】は最初の検査で見つかるか、試験や部活の活動で好成績を収めると発現するスキルだ。

前者は本当に稀だし、後者は条件が厳しい。


「詳しくは、契約後に…」

「分かった」

なるほど【固有スキル】は狙われ易い、コネクトスキルに組み込めば便利この上ないし、どんなスキルにせよ、レアスキル持ちが仲間に入るのは心強いし敵には脅威だ。

それに【固有スキル】の凄さは、入学式の時に生徒会長の演武を目の当たりにしているから、みんなが欲しがる。


生徒会長の【固有スキル・エルフ】は、全ての教科で百点満点と美術コンクールの賞の受賞、陸上など体育会系の優勝で発現する。

高レベルにまとまったアバター能力系スキル。

生徒会長曰く「努力すれば、不可能ではないです」との事、天才っているんだと思った。


紫藤さんは、制服の上だけ脱ぐと肌着一枚になって、右腕をあげた。


「これが私の秘密にしたい事、他の人には何でもない事でしょうけど、私はこれが嫌いなんです」

脇の近くにホクロが見える。


「これをからかわれて以来、プールの授業も休みがちになりました。これが私の秘密であり、汚点そのものなんです」

「そうなんだ、あるよね。そういうの…」

僕も思い当たる所があり、深く頷き同意した。


「あ、パスワード気をつけてください、読み方を変えて設定してます」

「大体わかったよ、それで…えっと、詳しくじゃなくていいけど教えてもらえない?」

「【固有スキル】やっぱり気になりますか…」

紫藤さんは、少し考えて何かの決意を込めた瞳で、口を開いた。


「…ゴーレムのマップ攻撃、どう思いましたか?」

「かなり正確な狙っての攻撃だったね、吃驚したよ」

「マップ攻撃は、普通にやったらランダムです。【固有スキル】なければあんなに正確には、敵の場所分からなかったです」

「つまり命中率を上げる系?」

「はい、【固有スキル・千里眼】命中率上昇や敵の能力看破などですね」

「それは凄いな、だから狙われるのか…」

「どうか、よろしくお願いします」

「契約は、保護の意味もあるのか、王として責任重大だね」

紫藤さんは手を出してきたので握り返した。


「終わったかい?」

山田さんが入ってきた、紫藤さんが出て行こうとしたので、袖口を掴んで制した。


「騎士契約、本気なの?」

「ああ、君の騎士になる」

「反乱起しそうに感じるけど、そういう騎士もまあいいかと思うよ」

「そ、そんなことあるわけないじゃないか!?」

「で、契約のパスワードは、宮園さんへのラブレターでいい?」

「なっ!?誰に聞いた!!」

宮園さんからそれとなく聞いていたから、そこから考えて見たけど、図星だったか。


「騎士契約の内容は、他言無用のはずだろ!?」

「君は紫藤さんの秘密を知り、それを利用してたよね。それなら平等に秘密を公表するべきだと思うよ、紫藤さんわだかまりもあるだろうけど、これでひとまず許してあげてくれないかな」

「…王がそう仰るのであれば、分かりました」

「ありがとう、それじゃいこうか」

山田さんの奢りで駄菓子を買い、三人で食べながら帰った。


家にて宿題を終え、PCを起動すると早速二人からメールが来ていた。


騎士契約メール。

紫藤 茜、山田 悟。

パスワード…。


紫藤 茜『ホクロ』パスワード・エラー。

少し考えてから入力し直す。


『クロコ』パスワード承認、騎士契約完了。

情報処理部 部員

紫藤 茜 <あかねん>

魔法使い 魔本 (マジックブック)

特殊スキル:千里眼(射撃武器・投擲武器の命中率+100%)

HP(耐久値):F

MP(精神値):C

OF(命中値):C

DF(回避値):D

AP(威力値):E

AC(防御値):F


山田 悟『茉莉へのラブレター』パスワード承認、騎士契約完了。

情報処理部

山田 悟 <ジークフリード>

人形使い 工具 (ブラックスミス)

HP(耐久値):C

MP(精神値):D

OF(命中値):C

DF(回避値):F

AP(威力値):C

AC(防御値):C


そして、就寝した。

Lv5 王都・1

騎士4人

貯蔵庫:4500

ジャガガ畑:ランク3

ニンジジ畑:ランク1

キャベベ畑:ランク1

・獣人 Lv5


Lv2 城下街『キュア』

貯蔵庫:2300

鍛冶屋  :ランク1

訓練所  :ランク1

・人族 Lv3


Lv2 城下街『無垢なる漆黒』

貯蔵庫:2300

錬金工房 :ランク2

商店   :ランク1

・妖精 Lv1


Lv 4 城下街『まちねん』

貯蔵庫:2600

物見矢倉 :ランク1

パン屋  :ランク1

・人族 Lv1

属国 3


Lv5 城下街『ニーベルンゲン』

貯蔵庫:2750

錬金工房 :ランク2

装飾店  :ランク1

・人族 Lv2

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