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05 スキル検証

 この体になって二回目の朝が来た。

 昨日は川と洞窟を何往復もしたせいか、【脚力強化】と【根性】のスキルレベルが上昇した。

 

 【脚力強化】:脚力が関係する行動に補正が掛かる。


 【根性】:限界を超えても少しの間なら活動できる。


 この二つのスキルの相乗効果で、10歳の少女の体でもそれなりの量の食糧を集めることが出来た。

 キツかったが【脚力強化】にいたってはスキルレベルが2も上がったよ。


 【魔闘技】も使えばさらに効率が上がると思うが、体への負担を考えてやめておいた。

 往復の途中から足とかが痛くなってきたしね。

 


 これで数日は飢えることないので、集中してスキルを取得したり鍛えることが出来る。

 私がこの世界で生き残るには、スキルを理解して使いこなす必要があると思うのだ。

 今日まで強敵に出会っていなかったのは運が良かったからで、明日からもそうだとは限らない。


 今の私の生命線は間違いなく【威圧の魔眼】だ。

 これが効かない相手が現れた時に備えて、戦える手札を増やす必要がある。

 せめて逃げ切れるぐらいにはならないと、いつ死んでもおかしくは無いサバイバル生活だ。


 なのでまずは優先して【魔闘技】と【脚力強化】を鍛えることにする。

 この二つなら逃走にも役に立つし、戦うにしても少女の細腕より足の方がまだダメージが期待できるだろうというのが理由だ。

 

 新たなスキルの獲得も考えてはいるのだが、頭の中の一覧を検索するのも一苦労だし、取りたいものも多すぎて悩んでいる。

 すべてのスキルを獲得は出来ないし、今のところ【魔闘技】みたいに強く”これだ”と思えるのが見つからないのだ。


 SPスキルポイントを得る方法は今のところレベルアップのみで、取り返しが着かない以上どうしても慎重になってしまう。

 分からないことが多すぎるため、この数日は検証のための時間でもあるのだ。



 さて、スキル上げと検証の開始だ。

 先ずは【脚力強化】のみでどの程度の効果が出るかを試してみる。


 走ってみると明らかに前世の私よりは早い、正確には分からないが高校時代に所属していた陸上部のレギュラー選手ぐらいはあるだろう。

 他には垂直跳びで1m弱ほど、走り幅跳びで6m強という結果になった。


 獣人ということを差し引いても、おおよそ10歳の子供の身体能力じゃないよね。

 ちなみに足を使わない場合は、年齢より少し身体能力が高い程度だった。

 見た目は実年齢より少し上に見えるが、正真正銘10歳の少女の体なのでこれが普通なのだろう。


 スキルレベルが3でもこの効果だ。

 スキルによる恩恵がいかに大きいか実感できる。

 オリンピック選手のような身体能力も、おそらくこの世界では普通の事なのだろう。



 そして【魔闘技】を使用すると完全に人間の身体能力の範囲を超えていたのだ。

 全力だと垂直跳びで2m、走り幅跳びではなんと10m越えだった。

 その代り全力の【魔闘技】はMPがすぐに枯渇してしまい1分ほどしかもたない。

 強化率を下げれば数分は持つけどね。

 

 足を踏み込む瞬間など僅かな時間のみの発動ならもっと時間も伸ばせるが、かなり集中する必要があり他の事を気に掛ける余裕が無い。

 まあ、慣れの問題もあると思うけどね。


 【聴覚強化】については確かに前世よりよく聞こえるのだけど……。

 獣人が元々耳が良いのか、スキルの効果なのかいまいちよく分からない。


 【直感】は自分の意思で発動するタイプではないし、【根性】は限界まで頑張れば勝手にレベルが上がるので、今回は放っておくことにする。

 【威圧の魔眼】は相手いけにえがいない。

 何が毒でどこまで耐えられるかも分からないので【毒耐性】もパスする。

 

 しばらくは【魔闘技】と【脚力強化】を鍛えるために、走り込みと筋トレなどをする生活がつづきそうだ。

 青春時代の部活動を思い出し、私はそれから数日間スキル上げに勤しんだ。


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