チョコレート菓子という名の糖分
「・・・あ、そういえば言ってませんでしたね、私がこの高校に入学してきた理由」
「っえ、そんなのここの学校に来たかったから来たわけじゃ」
「・・・どうやら本当に先ほどのはまぐれだったようですね」
明乃はそう言ってはどこから取り出したのかわからないがお菓子を取り出しては封を開け口へ運び、食べた、そんな明乃に陽太は唖然としてはそのお菓子を見た、それはチョコレートのなにかだった
「・・・なんでいきなりチョコなんか食ってるんだ・・・??」
「・・・甘い物を食べると疲れが取れるって言うじゃないですか、だからこれを食べて頭を働かせようと思っているのですよ、今日は時間がなく朝ご飯も食べる時間がありませんでしたからね、丁度腹ごしらえにはいいかと思いまして」
そう言ってはよほどお腹が空いていたのか袋の中に手を思いきりぶち込んでは五個ほど一気に口の中に入れ食べた、見た目に似合わず結構大食いだった
「・・・なんというか…俺の想像してた氷野のイメージがどんどん崩れていくんだが・・・」
「もぐもぐ、ゴクッ、貴方の勝手な想像、拝見を押し付けないでください、後こんなに豪快に食べているのは今だけです、普段からこんなはしたない食べ方するわけないじゃないですか、この私が貴方はそんな想像もできないんですか?可哀想ですね、少しは良いほうに考えた方が人生楽しいですよ、まぁ貴方には無理でしょうけど」
一応少しはお腹に溜まったのか一息付いてはどこか安心した顔をしている
「・・・不健康、というかカロリーやばそうだな・・・他の女子だったらカロリー気にしてこんなので腹満たさねぇなきっと…」
陽太はそう言ってはクラスの女子の会話やらなにやら思い出していた、そしてそんな陽太の話を無視するかのように明乃は
「・・・無駄話はここら辺にしましょう、ちなみにそのカロリーというキーワードを次口に出したら貴方の口を縫います、私こう見えて裁縫得意なんですよ?尻軽野郎」
「・・・一体どこからそんな単語が俺に合わさったのかわからないが・・・ってわかった、わかったからそのわけのわからんでかい針をしまってください!」
どこから取り出したのかわからない裁縫で使うような針じゃない物を出した明乃に陽太は慌てて言った、そんな陽太に明乃は小さく舌打ちしてはまたどこかへ締まった、陽太はそれを見ては溜息付いた
「・・・それで、話の続きは・・・?」
「!そうでしたね、私がここの高校に入学してきた理由、それは先ほど貴方に言った通り「特異な人間」がいる、それがわかったのでここに入学してきたんです」
「・・・ここの学校に入学できるほどの学力は・・・?」
「・・・貴方ひょっとして私の事バカにしてるんですか??私、真面目なので貴方みたいな不真面目野郎と違って勉強できるんです」
よっぽど自分の学力に自信があるのかはまたは自意過剰なのかそう言っては何故か上から目線でドヤ顔してきた、そんな明乃に思わず陽太は呆れ顔になった
「あ、あ~わかった、わかった、それで?ここの高校に入学してみれば特異な人間が見つかったと思えばそれが俺だった、と?」
「・・・そうですね、入学してから一週間、全く見つからなくて私の堪忍袋が振り切れそうになった時、今日やっと貴方を、特異な人間を見つけました、まぁでもその特異な人間があまりにもひ弱で情弱そうで変態野郎でしたが・・・」
一体何に期待していたのか明乃はそう言っては深く溜息付いた、そんな明乃に陽太は
「・・・そうか、そりゃ残念だったな氷野、お前より弱くてひ弱な情弱で挙句には変態マゾ野郎だったなんてな!」
ここは言い返しても良いだろう、そう思った陽太は皮肉たっぷりの言葉を浴びせた、少しは堪えただろうと思った陽太だったが
「・・・そこまで自分を卑屈に考えなくてもいいと思うんですが・・・?貴方大丈夫ですか・・・?あっ、もしかして貴方過去になにk「随分と今まで俺に言ってきた事と真反対すぎるんだが!?」
期待外れにも程がある真逆な反応を返してきた明乃に陽太はツッコまずにいられなく少し大声を出してはそう言った、そしてそんな陽太の反応が少し面白かったのか明乃は少し惚けては口元に手を添えてはクスクスと笑った
「!お、おい、ひ、氷野・・・?」
「・・・ふっ…ふふっ…・・・っ貴方があまりにもアホでバカみたいな言い方するもので、っつい・・・笑ってしまいました」
余程面白かったのか微かに明乃の瞳から笑い涙のようなものが出ていた、そんな明乃を見た陽太は思わず見惚れてしまった、一体どこに見惚れる要素があったのかはわからないが
「!・・・なに人の顔ガン見してるんですか、変態ですか、・・・!もしかして貴方私の事盗撮していたり・・・?死んでください、今すぐに死んでください、直ちに消さないとぶち殺しますよ」
「・・・盗撮はしてねぇが俺の頭の脳裏にはちゃんと残ったな、ある意味で」
陽太はそう言ってはニヤニヤと冷や汗掻きながら言った、すると聞いていた明乃はその直後に突然笑みを消した
「・・・そうですか、それでは貴方のその意味不明な所で役立っている脳を破壊しないといけませんね」
冗談にしては冗談に聞こえない明乃のそんな言動に陽太は全身鳥肌を立てた
「っ嘘です、ごめんなさい、忘れます、だから許してください、後時間も後少ししかないから話の続きをしてください」
「・・・貴方はよく謝りますね、男のくせにプライドのプの字もないんですか、可哀想な人ですね哀れですね、変態」
明乃はそう言ってはまた足を組んだ、一方で陽太は明乃が言ったプライドという言葉に引っかかっていた
「・・・(・・・そういえば俺、いつからだっけ…)」
陽太の頭の中に浮かぶのはいつかは捨てたプライドだった、そして陽太の様子が少し変わった事に気づいたのか明乃は
「・・・いきなり黙ってどうしました」
「・・・いや、なんでもない、それより俺も疲れたからその菓子貰っていいか」
「・・・そうですね、これからの部員である貴方へ最初の私からのご褒美と言ったところでしょうか」
明乃はそう言っては袋の中から一つ、取っては陽太に渡した
「・・・一つ、言いたい事があるんだけど、いいか?」
「・・・なんですか」
「・・・俺さ、結構清潔な方でさ手渡しされたお菓子って食べたく「貴方張り倒しますよ、後もう貴方が触ってしまったので貴方が責任持って食べてください捨てるのは許しませんよ」
最後まで言い終える前に明乃はそう言い口にお菓子を放り込み食べた
「・・・はい、っもぐもぐ」
気迫に押された陽太は手にある一つのチョコ菓子を口に放り込み食べた、そして陽太は思った、おいしい、と