ただ一言で表せば修羅場 中篇
「人間」という生き物はいざ身の危険を感じた時、家族、友達、恋人、誰であろうと犠牲にしてまで生き残ろうとする、これは異種の生物として当たり前の事なのかもしれない、だがそれはあくまで生物として、人間は考える思考がある筈、だが残念な事にこの世は非常なのか身の危険を感じた場合思考などなんの役にも立たず、ただただ感情だけに身を任せる事になる、またこれも異種の本来の生物としての本能なのかもしれない、そして今それに似た状況が目の前で起こっている、立ってはおろおろと陽太、明乃と互いに二人を戸惑いなが見ている雪奈、そして一方で雪奈を見ては警戒している明乃と陽太、明乃は完全に雪奈を警戒しているのか睨み付け一歩後ろに下がっている、だが陽太は今起こった事が信じられないのかただ雪奈を見ては驚いていた、とは言っても陽太が驚いていたのは雪奈自身じゃなく、先ほど雪奈の事を守った謎の得体の知れない冷気を纏った微かに見えるか見えないぐらいの霧だった、明乃が雪奈の胸倉を掴もうとした所でその霧が弾いた所を見ていた、その事から陽太はその霧を警戒していた、だが陽太は本心ではその霧だけじゃなくその霧を出してであろう、そう思っては雪奈を警戒していた、だけどそれはあくまで本心であって表面上では気づいていなかった
「っあ、あの…狩野、くん…」
「!」
瞳を微かに微妙に揺らしてはそう言ってきた雪奈、陽太はその事に一歩後ろに下がろうとした、それは警戒心、恐怖心からくるものなのだろう、そう思った、証拠として足が微かに揺れているのが見えた、だが陽太はその自分の心を、本心を否定したいのか、または目の前にいる雪奈自身がそんな危険人物なわけがない、そう認めたくないのか下唇を強く噛んだ、痛みで恐怖を殴殺させたいのかそんな事をしていた
「っえ、えっと…俺は…」
どう反応を返したらいいのかわからない陽太は雪奈を見ては後ろにいる明乃を見た、だが明乃自身かなり警戒しているのかいつも通りの冷静な表情はどこかへ消え、焦ったような表情を浮かべていた、そして陽太はそんな明乃の表情を見ては感化されてしまったのか恐怖から震えそうになった、だが陽太はなんとか下唇を噛んではまた殴殺させ、そして冷静になろうと今目の前に起きている状況を頭の中で整理した、何故か冷気を纏った霧を出してであろう本人が今のこの現状を理解できずただ震えている、その事から本人がやった、のではなく誰かがやったのではないか?、そう陽太は思った、そして思っては目の前で震えている雪奈に言おうとした
「っな、なぁ、夜桜さん、さっきのはー」
一旦冷静に落ち着かせてあげる事が一番ではないのか、そう頭の中で判断しては陽太はそっと近づきながら言おうとした、だがその直後だった、一歩踏み出した所で思いっきり腕を捕まれては振り回されんばかりに引っ張られた事に陽太は驚きながら後ろに思いっきり盛大に後頭部を打つか如く転んだ
「っのわっ!?」
「っ!か、狩野くん!?」
突然目の前で思いっきり派手に頭から転んだ陽太に雪奈は慌てて近寄り助けようとした、だが、その陽太の腕を引っ張り転ばせたであろう本人、明乃は陽太の腕を掴んだまま思いっきり後ろに飛ばした、一体どんな腕力をしているのかわからないが陽太はまた更に後ろにゴロゴロと転んだ
「っ!?な、なにしているんですか!!?」
「ッ・・・」
目の前でなんの慈悲も躊躇もなく思いきり怪我を負わせんばかりに投げ飛ばした明乃に流石の雪奈は怒った表情を浮かべては大声を出しそう怒った、そして一方で明乃はそんな雪奈の怒声など気にも留めずただ無言で陽太を庇うかのように隠しては警戒態勢を取っていた、一方で陽太はどこか机の角に足のどこかをぶつけたのかその部分を抑えてはゆっくりと立ち上がった
「っいってて…お、おい…氷野…なに、してんだよ…ッ」
突然捕まれたかと思いきや二回も振り回すように乱暴にされた事に流石の陽太も腹が立ったのか不機嫌そうにしてはそう言い明乃に近寄った、そして一方陽太が後ろから近付いてきている事に気がついた明乃は
「っ!こちらに近づかないでください!!この者、危険人物ですッ!!」
「っえ…」
「っま、まだ危険人物なんて決まったわけじゃ…!」
横にある机を掴んではそれを片手で掴み持ち上げそう警戒しては大声で言う明乃、そしてその事を聞いた雪奈は信じられないと言わんばかりに顔を真っ青にした、またそれを聞き、そしてその鈍器(机)を見て陽太は焦り明乃に近寄ってはその机を掴んだ
「っ!離してください!!この者は危険です!!貴方も見たでしょう!?先ほどのあれを!」
「っ!!だ、だからってこんな危ないもん人に向けんなって!?それに夜桜さん全然今のこの状況にわかってないみたいな反応してんじゃねえかよ!!冷静になれってッ!」
かなり人間離れしてるであろう明乃が恐怖からか焦っている事に陽太も連れられて心を乱され焦りそうになるも目の前で絶望したかのように震えている雪奈を見た途端冷静さを取り戻してはそう言い明乃が片手に持っているその危ない机、今では鈍器になりふしているが、それをやめさせようと掴み離させようとした、だが相変わらずの馬鹿力か明乃はより力を入れ言った
「っ!!貴方はバカですか!?そんなもの、相手を騙すフリをしているに決まってますッ!!邪魔です!!離してください!!」
「っ!そ、そんなこと…っお、お前の言ってる事が正しいか本当かどうかなんてわかんねぇだろ!?」
この後どんな仕打ちが待っているのか怖い、と思う一方でもしここで明乃がそのまま自分の一時の恐怖心に負け目の前にいるなにもしていない無実なただの一般人であろう雪奈をやってしまった場合、きっと後で後悔する、そう思った陽太は心を鬼にしては明乃に抵抗した、そしてそんな事を思っているうちに明乃は何か思ったのか俯いては一瞬力が弱まった、その事に陽太は気づいたのか今のうち、そう思いその机を急いで引っ張るかのように引っ張っては投げ飛ばした、投げ飛ばした事に机は耳をつんざくような音を立て転がった、幸い机の中には何も入っていなかったのか鈍い音を立ててはバウンドし転がった、陽太はその事を確認しては一息付いた、とそんな所で
「・・・・・・なんなんですか…」
「っえ・・・ひ、氷野・・・」
俯いていた顔を上げたかと思いきや思いきり睨み付けてきている事に陽太は怯んだ、その瞳は先ほど雪奈に向けていた敵対心そのものの目だった、陽太はその事に冷や汗掻き、怯んでは唾を飲んだ
「・・・・・・一体、なんなんですか貴方は…?昨日、今日と、先ほどまでは普通に私になにも言わずただただ話をしていた筈なのに…なんなんですか今の口調は…?…貴方は、この目の前にいる女と私を、どちらを一体、信じているんですか…?」
「っお、おい…?氷野…?」
「っ…か、狩野くん…」
暗い表情をし、手、目と振るわせてはそう言う明乃、明らかに様子がおかしい事に陽太は心配になったのか駆け寄ろうとした、また一方でそんな明乃を見ていた雪奈も流石に様子が一変した事に驚きを隠せないのか近づく陽太を気遣っては名前を呼んだ
「っ近づかないでください!!」
「っ!!」
手を伸ばし近づこうとした所で思いっきり手を弾かれた事に陽太は動揺した、微かに手に残る痛みを確認してはその手をもう一方の手で掴み明乃を見た、明乃は完全に冷静さを失っているのか微かに息を荒らしていた、またそんな明乃を見た陽太は何故ここまで冷静さを無くしているのか、焦っているのかと不思議で堪らなかった、あそこまで、人間離れした強さがある筈なのに何故ここまで焦っているのかと、一体何にそんな恐怖しているのかと不思議で仕方がなくただただ頭の中をそれで埋め尽くされていた、そしてそんな事を思っているうちにいつの間にか陽太の傍まで近寄っていた雪奈は陽太の腕を掴んでいた
「狩野くん、大丈夫ですか!?」
「っ!!よ、夜桜さん!?」
明らかにその本人自身が今危険な状態に置かれている筈なのに自分の事など気にも留めず気にかけてきた雪奈に陽太は少しドキッ、など思うもこんなに近づかれた場合一体明乃が何をしでかすかわからない、そう思った陽太は急いで雪奈を後ろに退かしては庇うようにした
「っか、狩野くん…?」
「っ・・・」
完全に立ち位置が先ほどと違い逆転している事に陽太は明乃を見ては冷や汗掻いた、一方で今のこの現状をうまく認識できていないのか、または敵意を全く感じ取れていないのか雪奈は陽太、そして明乃を見ては心配そうに見ていた、そして・・・
「・・・・・・あぁ、そうですか…」
「!」
「・・・・・・貴方はその女の見た目、雰囲気、姿、魅了、全ての現に仄めかされ、騙されそのような判断をしているのですか…」
「っは、はぁッ!!?な、なに言ってんだよ!?」
言い訳にしてはあまりにも私情、というよりも感情ばかりに任せたそのような上っ面な言葉に流石の陽太も変な裏声を出してはそう言ってしまった、冷静さを失っていると言ってもここまで冷静さを無くしている事に陽太は恐怖さえも感じた、また一方で自分が褒められたかと勘違いした雪奈は顔を真っ赤にさせては俯いていた、だが明乃は至って真剣なのか睨み付けていた
「・・・・・・この学校に来て貴方はほぼクラス皆から嫌われたような存在…それに、この学校に来てまだ一週間…まだ馴染めてもいなかった筈…ましてや他クラスの人などと会話などする筈もない…つまりその女とは今日初めて、先ほど会話をした筈なのに貴方はその後ろの女を何故かそこまでして庇っている……昨日今日と私と会話をし、それでいて貴方は私の部員、いいえ…部下までなったくせして私の事よりもその女を信じ庇っている…この事から貴方はその女の魅了に頭を感化された…違いますか…!?」
長ったらしく、だが何故か早口で荒々しくそう言ってはより一層に目だけで殺せるかのような、そして瞳を大きく揺らしてはそう見てきた明乃、そしてそんな明乃を見た陽太は数秒考えてはため息吐き言った
「っっな、なんなんだよ…それ…意味わかんねぇ…と言うか…少し冷静になってくれよ…なんなんだよ…」
信じる信じない問題以前の問題で一旦冷静になってくれよと、そう思った陽太はそう言うしかなかった、というよりもそれしか浮かばずそう言うと同時に後ろ、雪奈を見ようとした所で雪奈が顔を、特に口元を隠すようにしている事に気が付いた
「っよ、夜桜、さん…?」
「!っあ、い、いえ…ごめんなさい…な、なんでもないです…っ」
明乃が余程おかしかったのか、またはなにか面白いことでも思い出したのか雪奈はクスクスと頬を赤くさせては声を殺し微笑んでいた、陽太はその事にどう反応すれば良いのか、と思う一方で面倒という思いが勝ち前を向いた
「っな、なぁ…一体、なんでそんな冷静じゃないんだ…?ひ、氷野らしくないぞ…?」
みまだに睨み付けては警戒心丸出しな明乃に陽太はそう言った、そしてそんな陽太に明乃は
「…私は至って冷静です…冷静な判断を出来ていないのは貴方の方です…そんな見た目だけに惑わされるなど…」
そう言っては何かブツブツと視線をどこかへずらしてはそう言っている、そしてその事に陽太は今が抑え時なのではないか、とそう思った時だった
「氷野さんは素直じゃないんですね」
「っよ、夜桜さん?」
今のこの事態がわかっているのか、またはわかっていないのかまた、もしくは精神的な安定を求めての反応なのか雪奈は笑みを浮かべては優しい表情をし、そう火に油を注ぐような、長髪発言を言った、勿論陽太はその事に息を飲んでは雪奈を顔を真っ青にしては見た、と同時に急いで明乃を見た、ところで陽太は顔をより一層真っ青にした、何故なら先ほどすぐそこにいた明乃はいつの間に目の前まで一気に詰め寄ってきていたのである、そして陽太はそれを見て完全に狙いが雪奈に定まっている事に気が付き言った
「っ夜桜さんッ!!」
「っ!?」
とてつもない速さで拳を振りかざそうとしていた明乃を一瞬だけ見れた陽太は雪奈を庇うようにして自分の背中に回した、雪奈は突然の事に驚くも触れられた事が恥ずかしかったのかほんのりと頬を赤くしていた、だがやはり今のこの事態は非常だと認識していたのか急いで陽太を横に突き飛ばそうとするも力不足すぎる為か録に動けずだめだった、そしてそんな一人まねいて陽太と明乃の方は大変な事になっていた、それと丁度だったのか明乃の拳は陽太の真ん前、すぐ顔の真ん前に来ていたのだった、そしてその事に陽太は目を瞑った




