自分のした行い 前篇
「・・・そうか、そういう事か…」
「・・・・・・はい…」
あれから補修室へと連れていかれた陽太は数分間だけだが出来る限り説明をした、勿論説明した内容は先ほどの自分の騒動含め女二人の生徒、またその二人の生徒によって虐められていた女一人の生徒の事だった、そして陽太は説明している最中自分がやった行いにブルブルと震えていた、無論自分が行った行動に対し必ず学校停学、または学校退学、もしくは下手をすると警察沙汰にされる、そう陽太は思っては震えていた、またもう一つ自分自身が意識を失い無我夢中で女二人を何の躊躇もなく暴行を加えていた事を思い出しては手を震わしていた、まるで自分が自分ではないような、そんな感覚があるような感じがして、しかも今思い出してもやってしまった事に罪悪感などそんな事を感じるもほぼスッキリしきったようなとても常人とは思えない自分の気持ちに吐き気さえもしていた
「・・・そう、か…なるほどなぁ…」
陽太の目の前にいる男の先生、先ほど陽太を押し倒すようにしては抑えつけた先生、体育の教師をしていてかなり筋肉質な人だった、服の上からも、外見からしてもかなり鍛えているとわかるぐらいな、それほど筋肉質な人だった、陽太は今混乱している為あまり思いださないが先ほど陽太はこの見るからに威圧感丸出しの先生を少し苦戦させていた、この事から陽太は結構筋肉があるのかもしれない、だがほとんどがリミッター、馬鹿力のせいだったのかもしれないが
「・・・俺は、これからどうなるんですか…?やっぱ…警察沙汰、ですか…?」
机に両手を組んでは深く悩みこむような表情をしている先生を見た陽太は俯きながら聞いた、停学の場合はなんとかなるも退学、または警察沙汰などにされた場合今の世の中を考えてもう表の世界には帰ってくる事などもう微塵も考え浮かばないわけで陽太は声を震わした
「・・・いいえ、それはないわ陽太君」
「・・・っえ?」
一対一で向かいながら話し合う陽太、先生(体育)、そんな所で教室の端の方に座っていた先生、保健室の先生は陽太の元へゆっくりと歩みよっては陽太の隣の席に座りそう言った、一方陽太はそんな保健室の先生の言った事に数秒考えこんでは理解し顔を上げては驚いた表情を浮かべ見た、隣に座ってきた事に陽太は少し警戒しつつなにもしてこないことを理解してはゆっくりと顔だけ横に向け見た
「…実はね、私達も薄々わかっていたのよ…その、あの子…の事なんだけどね…」
「・・・っあの子って、えっと…虐められてた奴、ですよね…?」
何とも言えない難しい表情をしてはそう言ってきた先生、陽太はあの子、そう言われ先ほどの虐められていた人物しか頭に思い浮かばず言った
「・・・えぇ、まだ経ったの一週間だけどあの子の・・・いえ、違うわねあの子じゃなくて夜桜さんの事なんだけど…」
「・・・・・・ん??」
気まずそうに、言いにくそうにしてはそう言った先生に陽太は数秒考えては首を傾げた、微かに名前に似たような響きの言葉が聞こえたような気がしたがそれはありえない、そう陽太は頭の中で確認してはそう唸った、別に頑なに否定したいわけじゃなくそんな響きの名前の人が存在するのか、とそう思った
「?どうしたの?」
「っえ、あ、いや…今先生何て言いました??」
陽太は今自分が冷静じゃない事がわかっているのかそう思っては聞き間違いの可能性もある、そう思い聞くことにした、決して耳が悪いわけではないがもしかしたら聞き間違いかと、そう思い聞いた
「何って…夜桜さん、だけど・・・」
「・・・・・・そ、そのよざくら、さんが名前、ですか?」
「?え、えぇ…って、あぁ…なるほどね」
陽太が聞きにくそうな表情を浮かべてはそう言ってきた事に先生はそんな陽太の表情から何か察し、納得したのか半場苦笑いした
「せ、先生??」
「・・・いえ、ごめんなさいね、陽太君の言う通りその子の名前、苗字はよざくらさんで合っているわ」
「!へ、へぇ…ど、どんな漢字なんですか??」
苦笑いしてはそう言ってきた先生に対し陽太は聞き間違いではなく本当にそんな苗字が存在した事に驚きながらふとどんな漢字なのかと興味が湧き聞いた
「ん、えっと…そうねぇ…」
先生はそう言うと服の内ポケットから一枚、白紙の紙を取り出してはボールペンを取り出しては机の上に紙を置きすらすらと書いた、そして先生はボールペンを机の上に置いては陽太にその紙を見せた、そこには夜桜と書かれた漢字があった、陽太はそれを見ては茫然とした、確かによざくらなど漢字を想像したとしてもそのような名前しか思い浮かばないがいくらなんでもそんな名前が存在するのか、とつい苦笑いしそうになるもそれはかなり失礼な事ではないのか、そう思ってはなんとか下唇を思いきり噛んでは押し殺した、そして陽太はふと思った事を聞いた
「な、なるほど…よ、夜桜さん、か…め、珍しい苗字ですね、全然聞いた事も見た事もないけど…どっかのお金持ちのどっかのお偉いさんだったり…?」
こんな事を聞いてはかなり不謹慎な方になるのではないか、そう思うもどうしても気になり聞くことにした、大体のお金持ちの人、というより有名な人は珍しい苗字、名前を持っている事が多い、そんな気がしたから聞いたのだった
「?ん?いいえ、別に夜桜さんはただの一般家庭の方だと思うわよ?そうですよね?先生」
「ん、あぁ、俺も全然知らないけど多分そうだと思うぞ、特に変わった所とかそんな事聞いた事ないしな…って、こんな事生徒の前で言うことじゃありませんよ、先生」
話を振られた先生(体育)は苦笑いしては先生(保健)にそう言った、そしてそう言われた先生(保健)はついやらかしてしまったとばかりに驚いた表情をしては苦笑いした、とそんな所に
「いえいえ、先生方、それは違うと思いますよ」
「・・・ん?」
後ろからそう言われた事に先生二人含め陽太は見た、この先生結構年がもういっているのか60代、または60代後半な先生だった、またこの先生は特に担当を持つ先生ではなく学校の問題、簡単に言えば生徒が起こした問題を手助けするような、そんな先生だった、そしてそんな先生の話を聞いた先生(体育)は聞いた
「…それは、どういう事ですか…?」
「いえね、今回の騒動に関してはもうこの子、いえ失礼でしたね、狩野君はもう立派なこの虐めに関して、夜桜さんに関しての立派な関係者で、それでいて夜桜さんを助けたような立場なんです」
「っ!?」
立派な関係者、この言葉に改めてやばい物、面倒な事に首を突っ込んでしまった、そう思い実感があまりわかない一方で最後、助けたような立場、その事に陽太は目を大きく見開いてはその先生、おじさん先生を見た、そのおじさん先生は決して嘘を言っているわけでもなく綺麗事を言っているわけでもない、そんな感じがした、理由は実に簡単だった、その表情から滲み出る笑みだった、確証なんてそんな物は微塵の欠片もない、でも何故かその表情は信じる事ができた、また陽太がそう驚く一方で先生二人も驚いた表情を浮かべていた
「せ、先生、ですがー」
いくら陽太が仮にその生徒、夜桜を助けた立場だとしても今回のこの事に関してはあまり褒められたような行動ではない、そう思ってなのか先生(体育)は立ち上がっては何か言おうとしたが言葉を重ねた
「わかっています、今回の事に関しては陽太君の行った事は教師として褒められた事なんかではありません」
「っ!・・・」
不安がある中そう言われた陽太はより不安が強まり俯いた、この先生は決して嘘を付くような先生ではなくどちらかというと本心をそのまま言う、そんな先生だと陽太は直感的にわかっていた、そしてもしこの先生から否定のような事を言われたら、そう思っては目を瞑った、苦しさから逃げ出すかのように、そしてそんな風に思っている陽太におじさん先生は
「・・・ですが、今回の事に関しては一人の年寄の私として言わせてもらいますが陽太君、君の今回取った行動はとても素晴らしい行動だったと、私はそう思いますよ」
「!!」
肩に手を置かれてはそう優しく微笑んではそう言ってきたおじさん先生、陽太はその先生の言葉がとても心に染み渡ったのかつい泣き出しそうになるも堪えた、ここで泣いてしまうのは、なにか違うのではないか、そう思い
「確かに今回の事は流石に少しやり過ぎたかもしれません、ですが今のこの現代では虐めはやられてしまう一方です、ただただ虐められて心を壊してしまいます、私が小さい頃と違って今の現代では大分変ってしまいましたからねえ、今ではやり返してしまうとやり返した側も悪い事になってしまいますから・・・ですがそんな中陽太君はそう思うも被害者である夜桜さんの事を少しでも思ってあのような行動に出れたのはとても凄いことだと私は思いますよ、生半な勇気ではそんな事、私には決してできませんよ、陽太君、お礼を言いますよ、何もできなかった私達教師、ですが陽太君、君は今後の自分の事など気にも留めず無我夢中で夜桜さんを虐め者から助け出しました、凄いことなんですよ陽太君、ありがとうね」
おじさん先生はそう言っては頭を下げ、お礼をしてきた、その事に陽太は勿論先生二人はかなり驚いた表情を浮かべた
「っべ、別に俺はそんな大層な事してませんよ!?た、確かにその、夜桜さんを助ける、ような事はできましたが今回の俺のこんな身勝手な行動によってもっと夜桜さんが虐めの対象にされてしまうかもしれないんですよ!?あんな一時な感情で俺は・・・」
改めて自分がしでかしてしまった事に陽太は悔やんだ、関係者ならともかくどこの誰かもわからない第三者の自分が首突っ込んだ挙句ただ一方的にボコボコにした事に陽太は頭を抱えた、そしてそんな陽太を見てかおじさん先生は
「・・・少し、酷な言い方になってしまいますが私はそうは思いませんよ陽太君」
「・・・っそれは…どういうことですか…?」
相変わらずなんの曇りもなく優しい偽りのない笑みを浮かべたままそう言ってきたおじさん先生に陽太は心の中で半分期待する一方でもう半分は期待なんかしていなかった




