心籠った生暖かい缶ジュース
「・・・いや、俺もさっきのは流石に悪かったからもういいや…」
「っ…は、はぁ…」
なんともテンションの差が激しい陽太に明乃は付いていけないのか、またはどう反応すれば良いのかわからないのか曖昧な反応をしてはふと自分の手の中に先ほど陽太に買ってもらった筈の缶がない事に明乃は当たりを見渡した、そして見渡しふと一歩後ろに下がった所で何かにコツッ、と当たった感触に気づき見た、そしてそこには少し凹み落ちている缶があった、それは先ほど陽太に買ってもらった未開封の缶だった、先ほどはつい感情的になり思いっきり握りつぶす程に握っていた事を思い出した明乃は少し申し訳ないと思いながら目の前で凹み項垂れている陽太を放置してはそっとしゃがみ込んでは取った、そして取り拾ってその缶を見た所でふと思った事があった、そしてその思った事を実行しようか、と悩んだ末、明乃はやる事にした、だがその行動は普段自分がやる事にしてはかなりきついもので、かなりおかしな行動だと明乃は思った
「・・・あの」
「・・・ん…?」
唸っては落ち込んでいる所で突然声を掛けられた事に陽太は顔を上げた、そして顔を上げたと同時に目の前の視界に出てきた物、それは先ほど陽太が明乃に奢り、ということで買った筈の缶だった、陽太はそれを見ては一体なんなのか、と理解できなく数秒呆然と眺めては首を傾げ明乃を見た、明乃は陽太から視線を送られた事に慌てて横を、そっぽ向いては言った
「…これ、あげます…」
「・・・っえ、な、なんで…??」
ぼそぼそと声が小さいが何故か聞き取れたと同時に先ほど明乃の為に買った缶をそう言ってはぐいぐいと受け取れと言わんばかりに向けてきた事に陽太は首を傾げてはそう言った、また先ほど強く思いっきり憎しみを込めて握っていたと言わんばかりに凹んでいる缶を見ては陽太は少し抵抗気味になった、なにか嫌がらせのつもりで渡してきたのではないか、そう疑心暗鬼気味になり思った
「…元々この缶ジュースを奢ってくれたのは貴方です…貴方のお金で買った物です、それを本人に返す事がそんなにおかしい事ですか?」
「っい、いや、だってさ…それ、奢ってほしいって言ったのはあくまで氷野で俺は別にー」
陽太自身は別に飲みたくもない、だから返す必要はないだろ、とそう陽太は思い言おうとした所で突然缶を押し付けるようにしては投げてきた明乃に陽太は驚きながらもなんとかキャッチした、そしてキャッチしては明乃を見た
「・・・それは貴方のお金で買った事ですが、今回は先ほどの失態の事もありますし特別に貴方にそれはあげます、・・・・・・用は私の奢りの様な物です、感謝して飲んでください」
「っえ、お、おい・・・?」
顔を反らしてはそう意味不明な事を言っては階段を上っては部室の方へ行ってしまった、陽太はそんな明乃からの突然の行動、また言った事が理解できずただ陽太はそこで立ち尽くした、そしてただなんとなく一人そこにいるのもなんだと思い半場無理やり押し付けられた缶ジュースを数秒見つめては思った、なんとなく、勘違い、または気のせいなのかもしれないが微かに生暖かいようなそんな熱が籠っている事に陽太は少し動揺した、またつまりはこの缶には明乃の熱がまだ籠っているなどとくだらない事を考え浮かんでは陽太は一息付いてはゆっくり缶を開け、飲んだ、先ほど首を絞められる程に胸倉を捕まれ落ち込んでいた筈が気になる異性の女の温もりを感じた瞬間にこの態度の一片、どこの誰がどう見てもただのバカにしか見えなかった、こういう面ではある意味明乃の言う通り動物同様お猿同然なのかもしれない、そして口の中に入れ飲んだ所で陽太は思った
「・・・・・・っまずっ…」
缶ジュース事態は別に普通のぶどうジュースで不味くないもののずっと握られていた分、生暖かくなり口の中に入れた瞬間なんとも言えない味が広がり陽太はなんとも言えない気持ち悪さから体を震わせては舌を出していた、またそこで思った事があった、いくら気になる異性の人だったとしてもこれは気持ちが悪いものだと、そしてもう一つ、また変な落ち込むような事を考えたのか俯いた、それは一時的とはいえ動物のように本能に頭を支配され欲望のまま動いては求めた事に、そうした場合先ほどのタオルの事も言えるのではないか、そう思うかもしれないが今回のは生暖かいという部分もあり陽太はなんとも言えない罪悪感を感じていた
「・・・・・・とりあえず戻るか…」
そんな事を思っているうちに掛け声と共に部活に集中しては頑張っている沙世を見た陽太は自分のやっているくだらなさについ呆れ落ち込みそうになるもそう考えては缶の中にまだ入っている分をすべて無理やり口の中に入れ押し込んでは飲み切った、妙にお腹の中にたまる事に不快感を覚えるもそれを無視しては缶を投げ入れ、捨てた、見事入った事に内心ガッツポーズしては部室へ続く階段の方へ行こうとした所でふと視線を感じ陽太は見た、視線が感じた先は勿論今この場にいる女子テニス部だけだった、陽太は少し見にくいと思いながらぎこちなく振り向いては見た、だが何かがあるわけではない事に気のせいか、そう思い戻ろうとした、一つ違うとしたらテニス部が休憩に入ったのか皆水分補給をするか汗を拭いているか友達と話をしているかこの三択だった、またそんな事を思っている所でこちらをふと一人見ている者がいた事に陽太は気づいた、陽太の事など知っている者はクラスの人達しかいなく、勿論悪い意味で知っている人達しかほぼいないが、またそう考えては陽太を見る者など一人しかいなく、それは沙世だった、陽太と目線が合ったのか笑みを浮かべては手を振っていたそんな明乃に陽太ははなんとなく気まずく思うも返した方が良いよな、とそう思っては少しだけ手を振り返した、そして振り返された事に気づいたのか笑みを浮かべてはまた振り返してきた、陽太はそんな沙世を見ては思わず微笑んだ、また勿論こんな目立つような事をしている為その周りにいる女子達は沙世が手を振る視線の先、陽太を見た
「っやっべ・・・」
勿論当たり前の事だが沙世だけがそのテニス部に入ったのではなく陽太のそのクラスにいる他の女子もその部活に多少はいるわけで陽太は他の女子に見られた事に気づいては驚くようにしてはその場から急いで離れては部室へ走って向かった、途中ずっと消えるまでこちらを、陽太を沙世が見ていた事に気づく筈もなかったが
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「・・・・・・それで、どうしたんですかその顔は・・・?」
「・・・なんでもない」
部室にもう突進で、乱暴にドアを叩いては帰ってくるなり家の中にいるようにソファに顔を押し付けるように、隠すようにしてはぐにゃりと言わんばかりに体があらぬ方向へ向いている陽太に明乃は呆れながらも椅子に座ってはそう言った
「・・・そうですか、それなら一つ聞いておきたんですが・・・」
「・・・ん…?」
陽太自身先ほどの沙世の件の事が予想以上に疲れているのか怠そうに横に座っている明乃を見ては返事した、明乃はそんな陽太の反応に少しピクッ、と眉を上げ反応しそうになるも無視しては言った
「・・・先ほど私が貴方に無理やり押し付けたあの缶は・・・ちゃんと飲んでくれましたか・・・?」
「ん・・・あぁ…ちゃんと飲んだよ…」
生暖かったけどさ、などそんな事は口が滑っても言えるわけなく陽太は死んだような目をしてはそう言った、力が抜けた声なだけにかなりおかしいが明乃はそれに気づく筈もなく陽太からそう返されては目を大きく見開いては安心したような表情を浮かべた、また同時に
「・・・・・・そうですか、なら良いのですが…てっきりこのような汚い物など、とそう思われ捨てたのかと思いました・・・」
「・・・、そんな勿体ない事するかよ・・・」
特に穴が開いたわけでもなくただ凹んだだけで捨てられるほど陽太は金があるわけでもなくそう陽太は言っては目を瞑り苦笑いした、またそんな陽太の表情、言った事を聞いていた明乃は目を瞑っては少しだけ笑みを浮かべた




