互いの思い
「・・・ですからこんな少しの事でしたが今日やった事は決して無駄な時間ではなく有意義な時間だった、そう一応覚えておいてください、貴方にとってはあまり学べなかったかもしれませんが…」
「!い、いやいや!かなり学べたって!氷野の言う通り俺は基礎、というか一番これからの大事な事を学べたわけだし、そ、それにさっきの氷野との会話だって決して無駄な時間だったわけじゃないし!」
なんとも言い難い表情をしてきた明乃に陽太は慌てて自分が思った事を吐き出すように言った、かなり真似たような言い方になったかもしれないがそれでも陽太は言えた事に満足していた、そしてそんな陽太の言った事に明乃は目を細めては少し険しい表情をした
「…私との会話が無駄な時間ではなかった…ですか…?」
「!あ、あぁ…ほら、俺と氷野って互いにまだ会ってから二日しか経ってないだろ?だから互いに全然わかってないだろ?だからさっきまでの会話も全然無駄な時間なんかではなかったって、後それに仮にも俺は部員って立場だろ?部長とは仲良くしなきゃダメかなって思ってさ」
陽太は少し何を言われるかと内心ドキドキしながらもなんとか耐え兼ねてはなるべく笑みを作ってはそう言った、だがその笑みはとてもぎこちなく嘘だという事はすぐにばれるだろう、そう陽太は思った
「…確かにそうですね、部長として部員である貴方とはこれから約三年間一緒に行動していかないといけません、そうした場合貴方とは少なからず友好的でいないといけません…そうした場合で見た場合だと確かに貴方の言う通りこれもまた一つ無駄な時間ではなく有意義な時間でした、これは貴方だけではなく私に対しても有意義な時間でした、ありがとうございます」
「っあ、あぁ、うん・・・?」
少なからずとも約三年間も一緒に行動してれば多少なりとも仲は良くなるのでは?そう陽太は中学の頃の部活を思い出しては思いぎこちない反応を返した、そしてそんな陽太の反応に気付いたのか明乃は
「…なにか納得がいっていないような反応ですが、どうしました?」
「!あ、あぁ、いや、三年間も一緒にいるんだったら少なからず仲は良くなってるんじゃないかなぁって、そう思ってさ…氷野の言い方だとまるで…さ…」
陽太はそう言ってはその続きの言葉が出なかった、言ってしまった場合また何か言われる、そう思い言えずにいてはそっぽ向いた、一方明乃は
「…貴方のその言い方ではまるで一緒にいる部活の者が皆絶対後々仲良く友達になれる、その様に聞こえますがその判断は大間違いですよ」
「っ・・・え」
話しかけてきたかと思えばそんな予想していた事とは全く違い逆に想像さえした事がない事を言ってきた事に陽太は明乃を見ては驚いた表情をしたまま見つめた
「貴方自身はその部活内、クラブ内では経験した事がないかもしれませんが部活内でもちゃんと合う合わない、つまり相手との関係性があります、例えて今の現状で言えば貴方のクラスと貴方の関係性、信頼性を言えば良いですか?」
「!」
陽太が中学の頃、所属していた部活では特にそのような虐め、または人間関係のいざこざなどなく平和的に皆仲良くしてきていた、そしてその結果そのような事がある事を知らなかった陽太はなんとも言えない感情を抱いた
「・・・こんな事同じ同い年である私が言うべき事ではありませんが少し考え直した方が良いですよ、とは言ってもただ私が今言った事を頭の片隅にでも入れてこの様な事がある事もちゃんとわかっておいた方がこれからの生活で役に立つ、そう私は言いたいんですけど…」
「っ…そ、そっか…わかった、ちゃんと頭に叩き込んでおくよ…」
ほんの少し説教じみた事を言われた事に陽太は心揺らされるも一方で中学の頃入っていた部活で特になにもなく平和で過ごせた事に感謝していた
「・・・そうですか、ならいいのですが」
「う、うん・・・っあ、と、ところでさ」
「?なんですか?」
陽太は明乃が言った事を肝に銘じては頭に叩き込んだところでふと気になる事を思い浮かんでは少し照れくさそうな表情をした、明乃はそんな陽太を見ては少し睨み付けるも聞いた
「っい、いやさ…まだふ、二日目だけど俺と氷野の・・・その、相性的にはど、どんな感じなのかなぁって・・・っさ…」
言っている事が恥ずかしいのかまたは怖いのかとても笑みとは言えない笑みを浮かべては挙動不審気味に目を合わせずにそう言った、そしてそんな陽太に明乃は
「・・・・・・そうですね、まず言えるとしては・・・」
「っ!!っぅ、ぅん…」
「・・・・・・まず言えるとしてはその聞き方ではだいぶ気味の悪い聞き方になりますしだいぶ略されていまして大変気持ち悪く卑猥な聞き方だと受け取っています、まぁこの事については気持ち悪い、この一言だけですね」
「・・・」
「・・・そして次は貴方が本来聞きたかった貴方と私の部活内での関係性としては・・・まぁ、今の時点ではまだなんとも言えません、今だけで見てしまえば・・・まぁ、良くて普通、または普通以下・・・でしょうか?私はあまり気にしないというよりもほぼ無関心に等しいので考えもしませんー」
「・・・そっか、ありがとう氷野もういいわ」
陽太は明乃が最後まで言う前に止めてはなんとも思っていない無表情に等しいというよりも感情を押し殺したような笑みを浮かべてはそう言った、決して腹が立つわけではなくまたただ悲しいわけでもない、だがどちらかというと胸をぐさぐさと抉るようななんとも言えない悲しさに陽太は心の中で泣いた
「・・・そうですか、ではとても笑みではない作りの笑みを浮かべている貴方に一つ言いたい事があります」
「っ!・・・な、なんだよ…」
普通に笑っていない事がバレた事に陽太はかなり驚きつつ普通の表情、真顔に戻ってはそっぽ向き言った
「・・・・・・いえ、やっぱりなんでもないです」
「っえ、え?」
何故か数秒黙っては突然クスッ、と鼻で笑ってはなにか小馬鹿にしたような、そんななんとも言えない笑みを浮かべては見てきた明乃に陽太戸惑いながら見た
「・・・そうですね、一つ言えるとしましたらとても嘘を付くのが下手な笑み、そう言えますね」
「・・・っ」
嘘を付くことが上手いか下手か、上手いと言われた所であまり嬉しくないような、また一方で下手と言われてもなんとも言えない心境に陽太は険しい表情を浮かべた
「・・・まぁ、流石に私も言い過ぎた、そう自覚はありますから一応言いますと平気です、このまま特になにもなかった場合は普通のこのままの関係を保つ事ができます、ですから安心してください、別に貴方とどうこうしようとは思っていませんで、・・・それにそこまでいくとも思っていませんし…」
「・・・氷野?」
一応納得がいくような答えがもらえた事に陽太は特に何か言うわけでもなく納得したが、最後明乃が言っていた事が理解できず首を傾げた、そして明乃は陽太の視線に気づいては
「・・・・・・なんでもないです、それより私が言った事ちゃんと理解してくれましたか?ポンコツ、二度は言いませんよ」
「っし、したって…というかポンコツは別に必要なくね・・・?」
目を細め睨んではそうもう愛称か何かなのかわからないが言ってきた明乃に陽太は笑みを浮かべては言った、そしてそんな陽太の笑みに明乃は
「・・・その笑みは作りの笑みではありませんね」
「!よ、よく気づいたな…」
「・・・貴方は自分では気づいていないかもしれませんがちゃんと顔に出ています」
陽太のその馬鹿正直に顔に思った事がそのまま出る事がおかしいのか呆れたような顔を浮かべては明乃はそう言った、だがそう思っている一方で陽太は自分の事を多少なりとも理解してくれた事が感動、または嬉しかったのか笑みを浮かべていた




