力量の差
「…ちなみにですが反射神経、動体視力は頭の中の処理速度が関わってきています、なのでそこらへんは努力でどうにかなる一方で変えられないものでもあります、まぁ用は生まれつきのようなものです、またアドバイスとして貴方の動体視力、反射神経は並み以下と言っておきます、つまり普通以下、ゴミ同然ですね、笑えそうで全く笑えない事です」
明乃はそう言っては床に落としていた竹刀を取ろうと腰を下ろした、そしてそこを見ていた陽太は今更ながら気づき言った
「・・・そういや、氷野お前運動着、体操着に着替えてないのによくさっきはあんなに動けたな…」
女子の制服など着た事もない陽太はそう言った、だが同時に男子の制服と違いスカート、これだけでだいぶ動きやすいのか?そう思った
「…最初は私もこの格好は少し色んな意味でまずいかもしれない、そう思っていましたが貴方が平凡以下の身体能力で助かりました、思ったよりも動くことなくつまらなかったですが」
明乃はそう言っては立ち上がっては手に握りしめていた竹刀をヒュッと回転させるように投げた、そしてその投げた竹刀は空中で回転しながら陽太の元へと落下した、多少鈍い音を立てては陽太の丁度手の元へと落ちた、陽太はその投げてきた竹刀を数回瞬きし見つめては明乃を見た
「・・・これ、は?」
「これは、そう言われましても竹刀としか言いようがありませんが」
「っいやいや、そういう意味じゃなくて・・・」
「・・・あぁ、そういう…先ほども言いましたが全ては鍛錬、練習、慣れ、どれも同じような意味ですがすべてはここからです、努力もせず伸びようなどとそんな甘ったれた事などありません、貴方には今から私にその竹刀を当ててもらう練習をします」
明乃はそう言っては倉庫から持ってきたバッグらしき所へ歩みよっては何かをゴソゴソと探している、陽太はそんな明乃を見ては
「っあ、当ててもらい練習って…避けられるんだから当たらないだろ…」
陽太はそう少し卑屈になりそうな事を言っては既にパンパンになった腕を見ては言った、明日になったら腕は筋肉痛の痛みで悲鳴を上げているだろう、また筋肉痛は早くて三日、四日、遅くて一週間はずっとそれっきりな事に陽太は溜息付いた、そしてそんな事を言っている間に明乃はバッグの中からもう一本、竹刀を取り出していた
「今からやる事については避けません、ただ貴方にはまず当てて、もらう事を実感してほしい、そう思い言ったんです、私がずっと避けていたとしてもそれでは貴方が飽きてしまいます、また私もやっている気分ではなくなってしまいますので、後その卑屈に聞こえる言い方をなんとかしてください、腹立たしいし男のくせして女々しくて見てられないぐらいに気持ち悪いです、立ってください」
明乃はそうボロクソに言っては両足を開き両手で竹刀を握り構えた、一方で陽太はそんな散々に言われながらも少し何故か嬉しく思いながら自分の手元に置いてある竹刀を握ってはゆっくりと腰を上げ、立った
「っくぅ…今日でいきなりすっげえ急激に運動したから疲労感が凄いな…」
陽太自身少し低血圧気味なのか一瞬ふら付きながらもなんとか頭を振っては明乃を見た
「・・・それは貴方が日頃運動不足なだけです、貴方が自分で招いた怠けの証です、運動不足は体、また精神面に良くありませんからこの気に運動を再開させてください、まぁこの部活に入った場合何がなんでも体は絶対に動かす事になりますが」
「っ…そりゃ、助かるな…」
正論すぎる言葉を投げられた陽太は苦笑いしつつ少し反論したくなるもそんな事は胸の奥にしまい言った、と同時に陽太も竹刀を両手に持ち構えた、そしてそんな陽太を見てか明乃は
「…それでは、開始です!」
「…ふぅ・・・!!」
そう言うと共に明乃の声は部屋全体に響き渡った、そしてそれを聞いた陽太は深く深呼吸しては右足を床を蹴り上げては明乃の懐まで一気に駆け抜けたと同時に竹刀を振り下ろした、今回は本当に避ける事なく受け止めるつもりなのか明乃は竹刀の剣先の部分に手を添えては陽太の振り下ろしてきた受け止めた
「っ!!?」
「・・・」
本気で渾身の一杯を捧げるぐらいに振り下ろした筈が表情一つ微妙だにもず受け止められた事に陽太は驚いていた、いくら力を入れようと、腰に力を入れようと明乃の竹刀は震れもせず逆に陽太の竹刀の方が震えていた、そしてそんな一生懸命な陽太を見てか明乃は目を細めては口元を緩めた、陽太はそんな明乃を見てはゾッとするもここで後ろに引いては何かが違う、そんな気がしてはもっと力を込めては言った
「っ!な、なん、だよ・・・ッ!」
「・・・・・・いいえ、なんでもありません、それよりもこの程度ですか?私は一割も出していませんよ?」
目を瞑っては微笑みそう言ってきた明乃、明乃が言っているその一割とはつまり力の事、そう陽太は予想しては舌を絡め竹刀を引いては連続で振り下ろした、これもまた一発一発を全力で振り下ろした、だがこれでも何も変わる事はなく表情一つ変えなかった、陽太はそんな表情一つ変えない明乃を見ては悔しさと同時に同じ人間なのか?、そう思う不安のような感情が生まれた
「…連続で振り下ろす事によって多少は崩す事ができる、そう思ったと予想して少しは褒めてあげます、ですが・・・」
「っ・・・?」
「…その表情は剣先を向けている者に対しての視線ではありません」
笑みを浮かべた、そう思っていた表情から突然暗い表情になったかと思えば明乃はそう言っては受け止めていた竹刀を動かしては陽太の竹刀を弾いた、陽太は突然の事に反応が遅れ幸い手から竹刀を離す事はなかった、だが体は後ろへ仰け反ったとそんな所で突然足を引っかけられた事に陽太は躓き後ろに転んだ
「っい、いってぇ…」
一瞬すぎて何が起こったのかわからず陽太は混乱しながらもゆっくりと立ち上がろうとした、だが転んだ瞬間に慌てて手を付いたせいなのかわからないが手のひらを擦ったのかヒリヒリとしていた
「っいってぇ~…」
「…貴方は気づいていなかったかもしれませんが今の目は矛先を向けている者に対しての目線ではありませんでしたよ」
いつの間にか明乃は陽太の後ろにいたのかそう言っては陽太の腕を掴んでは引っ張り上げた、陽太は明乃の声はともかく後ろから突然捕まれた事に驚きながら立ち上がった
「っい、いつの間に・・・」
「すみません、手を出さないと言いましたが貴方の先ほどの目が気がかりでして、つい」
明乃はそう言っては陽太の腕から手を放した、陽太はそこで改めて捕まれていた腕を見ては少しドキドキとした、勿論そんな事を口に出して言った場合一体どんな反応が返ってくるのかは想像できる一方で想像したくない事だった
「っい、いや別に良いけど…って、俺一体どんな目してたんだ??」
先ほどから目、と何回も言われる事に陽太は気になり聞いた
「…そうですね、簡単に言えば怯えているような目、または同情からくるようなそんな目をしていました、まぁ貴方の場合は怯えからでしょうけど」
「っぇ…あ、いや・・・俺は別に氷野の事が怖いだとかそんな事は!」
明乃の場合普通の人と違い変なふうに誤解される、というよりもその言葉の意味のまま受け取られてしまうとそう思い陽太は慌てて言おうとした、とそんな所で竹刀の柄の部分を顔の真ん前に突き出された事に陽太は驚き止まった、そしてそんな陽太を見てか明乃は
「そんな事言われなくてもわかっています、貴方が恐れていたものは私のこの並外れた強さ、その事について貴方は恐れていた、そうですよね」
「っ!う、うん!そうそう!」
自分が言いたかった事を言ってくれた事に陽太は驚きつつ慌てて頷いた、だが一方で何故そんな事がわかったのかと疑問が浮かんだ
「っん?で、でもそんな事よくわかったな・・・」
「・・・・・・貴方のそのマゾ資質からして私を恐れているとは思いません、・・・に……」
最初の方は聞こえるも段々と明乃の声は小さくなりボソボソと何を言っているのか聞こえくなった、陽太はそんな明乃に陽太は
「っえ、な、なんて言ったんだ??最後の方聞こえなかー」
聞こえなくなった事に陽太は聞き直そうと明乃に耳を近づけようとした所で顎に柄を突いてきた事に陽太は唸った
「っぐ…な、なにすんだ…っ」
「・・・・・・っなんでもありません、それよりあまり近づかないでください、近いです…うざいですきもいです…」
そっぽ向いてはまるで害虫を追い払うかのように柄の部分で突いてくる明乃に陽太は顎を抑えては下がった、と同時に明乃の細い腕からは出るとは思えない馬鹿力、怪力に改めて驚いていた




