真性な変態
「・・・はぁ…」
「一体何溜息なんか付いてるんですか、変態さんは」
チャックを直した所で陽太はふと気づいた事がありそのまま腰から力を抜いてはソファに身を投げ出すように座った、明乃になにか言われたがそんな事は無視して俯いた、そして陽太が気づいた事、それは接し方についてだった
「・・・いや、今更だけどあんた・・・じゃなくて氷野にさんざんさっきから変態変態ボロクソに言われてるんだからもう変に接する必要もないよなって思ってさ・・・なんか緊張みたいなのが解けちゃったよ・・・」
陽太はそう言っては家の中でくつろぐように力を抜いた、陽太は普段家の中では学校と違いだいぶだらしないのか表情もだいぶ変わっていた
「・・・先ほどの貴方の様子から見てもだいぶ変だったのですが今の貴方はもっと酷いですね、特に顔とか顔とか後その姿勢とか」
「なんで顔の事についてそんなに三回も言ったの・・・??」
「?特に意味なんてないです、それよりせっかく入れたお茶が冷めてしまいますので早く飲んでください家畜」
明乃はそう言うと自分の分も入れたのかまた飲んでいる、一体どれだけ飲んでいるのか、陽太はそう思いながらも言ってしまってもまたなにか面倒な対応をされる、そう思っては目の前に出された茶を飲もうと寄りかかっていた体を起こし、コップを取った、コップの中からは微かに白い湯気が出ていて手からも熱い、という事がわかった
「・・・これ、すごい熱いんだけど・・・?」
「スゥー…、そりゃ入れたばかりですからね、それより文句があるのでしたら飲まなくて結構ですよ、ニート」
「・・・氷野って結構真面目でそんな現代語使わないと思ってたのに結構使うんだね…」
陽太から見た氷野明乃の第一印象、それはとても最悪なもので思っている事を平気でボロクソのように相手のことなんてなにも考えず言っていて、でもとても真面目でネット用語なんか使わない、というより逆にそういう用語に対してもボロクソに言っている印象だった
「・・・ふぅ、それは貴方の勝手な拝見であって私は普通にネットもしますしなによりそんなネット用語などといちいち気になんてしません、勝手に人を見た目で判断するのはやめてください、ぶち殺しますよ」
明乃はそう言っては立ち上がりまたもう一杯と茶を入れては再度座りまた飲み始めた、そんな明乃に陽太は
「いや、確かに見た目だけで判断するのはかなりダメだと思うけど氷野のその性格を知ったら誰でもそう思うと思うぞ?、後なんでお前そんなにお茶飲んでんだよ」
「・・・ふぅ、質問を一気に何個もしないでください、貴方高校生になっても小学生のように先生に何個も質問するんですか??やめてください恥ずかしい、いいえ、恥ずかしいというより気持ち悪いとだけ言っておきます」
「・・・いや、質問というかただお茶飲みすぎだろって思っただけなんだが・・・後質問一個もしてないんだが!?」
あまりにも理不尽極まりないというより言ってもない事を言われ流石に陽太は苦笑いしてはそう言った
「・・・そうですね、ただ単純に喉が渇いているだけ、またはやる事がなくただお茶を飲んでいる、そのどちらかですね、・・・というよりそんななんでお茶を飲んでいるかなんて考えた事もありません、貴方どれだけ私の事見てるんですか??警察呼ぶなみにストーカーですね・・・後お茶が好きなだけかもしれませんね」
「っ警察呼ぶ並みのストーカーって・・・もし本当に呼んだとして警察も困るだろ・・・ここにストーカーがいますなんて言ったって信じてなんかもらえないだろうし・・・ってお茶好きなのかよ…」
「・・・そうですね、確かに信じてもらえなさそうですね、でも確か最近でしたっけ、電車の中で視線が痴漢になって叫ばれて人生お陀仏になった男がいたとかいなかっただとか・・・」
「っ・・・そんな目線で痴漢って・・・」
「・・・それだけ貴方みたいな変人がいるわけなんです、貴方みたいな人が」
明乃はそう言ってはまた悪魔のような邪な笑みを浮かべた、そんな明乃に陽太は呆れつつ冷めきったお茶を口の中に運び、飲んだ、その時だった、その茶は一瞬にして口の中に広がってはあの匂いがした、それは先ほどの自己紹介の時間の明乃からしたどこか懐かしい匂いを
「・・・このお茶の匂い・・・氷野の匂いと同じだ・・・」
陽太自身、驚いているのか、または口に出さずにいられないのか無意識に口に出していた、そしてそれから数秒後口に出していた事に気づいた陽太は冷や汗掻いた
「・・・っ、あ、あの・・・氷野。さん…?」
「・・・・・・・貴方がそこまでの変人だとは思いませんでした・・・今の今まで冗談で貴方を侮辱してきたつもりでしたかまさかそんな卑猥よりもずっと卑猥な発言をするなんて・・・全く持って大変気持ち悪いです・・・死んでください・・・」
何を想像したのかわからないが明乃は顔色を悪くしては本当の意味で下卑た目で陽太を見た、そんな明乃に陽太は苦笑いしつつ
「っい、いや本当にこのお茶の匂いがしたんだって、よくわからないけど・・・後変に誤解する言い方して悪かったからそんな露骨にゴミを見るような目で見るのやめてくれ・・・」
「・・・そうですね、今更貴方になにか言った所で貴方の性癖だとかその考え方は変わりませんよね、私とした事がバカでした、失態ですね」
本気で言っているのか、または冗談で言っているのかわからないが明乃はそう言っては溜息吐いてはまたお茶を飲んだ
「もう完全に俺が変人って事で定着してるんだが・・・ってそれより一つ気になったんだがいいか?」
「・・・なんでしょう?」
「・・・ここ、部活動の筈なのになんで部員が誰もいないんだ?いや、今は俺達の学年以外はみんな授業中だけどさ・・・って、あれ?さっき氷野お前・・・」
「・・・変態なだけじゃなく記憶力もごみ虫なんですね、可哀想に・・・とそんな冗談はさておきそうです、ここは私の、部活です」
明乃はそう言っては不敵な笑みを作った、その笑みにどんな意味が込められているのかわからない、ただ陽太はそんな明乃の不適な笑みに何故か見惚れてしまった