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見た目に反した女

「それじゃ、次の人、えっと狩野」


「っあ、はい」


今、何をしているのか、それは


「え、えっと・・・名前は狩野陽太かりのようたと言います、よろしくお願いします」


狩野陽太、年齢16歳、高校生活が始まってから一週間、そして今何をしているのかそれは自己紹介だった


えっ…なにあの人、名前言っておしまいって…


性格悪そうだよね~…


「っ・・・」


「!あ、あ~じゃ、じゃあ狩野席に戻っていいから、次の人~」


「っは、はい」


必ずクラスには一人二人はいる、たったの一週間、初対面の人と打ち解けてはこうやって自己紹介の時間に名前以外の何かを言わないと何かしら悪態を付く生徒


「・・・っはぁ…」


陽太はそんな生徒達に席については疲れ溜息を吐いた、陽太自身人と接することが苦手で尚更疲れが心に溜まり込む


「(・・・まぁ、高校って事だから同じ中学校の人達も交じってるんだろうな…)」


周りを見渡しては結構の数の皆が上下で話し合いをしている、既に初日にして打ち解けた者か、または同じ中学仲間と一緒になれて話せているのかだった


「(・・・最悪だ…このまま友達誰もできなかったりして…って一週間も経ってれば普通は友達、できるのか・・・?)」


陽太はそうマイナスな事を考え思い込んでは顔を少し青くし俯いては机に頭を預けた


「ほらほら、話すのもいいがちゃんと人の話は聞くように」


「(・・・まだ自己紹介終わってなかったのか)」


こういう時に限って自分の自己紹介が終わった後は流れるように自己紹介は終わる筈、陽太はそう思った、そしてそんな事を思っていた時だった


「おっ、お前で最後だなちゃんとみんなに聞こえるように言えよ?」


「(!これで終わりか、やっぱ早かった)」


うつ伏せで顔を隠していた陽太は顔を上げては前に立った生徒を見ては思わず見惚れてしまった




氷野明乃ひのはるのと言います、得意な事は特にないです、好きな事も特にないです、よろしくお願いします」


丁度肩まで掛かるか掛からないかの金髪の髪が白い肌に合い、そして窓から入ってくる風に吹かれては靡き、どこか懐かしい匂いがした、大きく見開いた透き通るような水色の瞳、そしてほんの少しつり目な部分が丁度合いとても同じ人間だとは思わなかった


えっ、なにあの子かわいくない~?


・・・?あんな子いたっけ??


おい…今度あの子狙わねえか?


おっ、それいいね~って、お前たったの一週間でもう恋人作る気かよ?


そしてこれだけ美人なだけあり皆の評価も絶大だった、まさに陽太とは真反対に


「(っ・・・すげぇ可愛い・・・って、結局わかったのって名前だけじゃねえか…それにこんな可愛い生徒いたか・・・??)」


自分とは全く全然違う評価に陽太は少し腹が立ったと同時にこう思った


「(・・・やっぱ、世の中顔が全部、か…いや、あんだけ可愛いんだから性格もいい筈か)」


陽太はそう思っては何かを憐れむように机を見ては既に席に戻っていた明乃に目線を向け見た、足から顔へと


「・・・っ!?」


「・・・」


足から段々と上半身に向け見ていき、そして最後顔を見た時だった、視線かなにかに反応でもしたのか陽太は明乃と目が合った、合った事により陽太は驚きのあまり固まってしまった、だがそれは陽太だけであって明乃はそのまま何もなかったかのように前を向き先生の話に耳を傾けた


「(っ・・・や、やばい…目が合った・・・っ)」


陽太は嬉しさの半分緊張からなのか顔から汗を吹き出していた、そして陽太自身も汗を掻いている事に気が付いているのか制服で顔をそっと拭いた


「(・・・はぁ、顔が熱い…)」


熱くなる頬をなるべく覚まそうと冷たくなっている手で頬に手を当てた、するとかなり冷えていたのか熱くなっていた頬は一気に冷めた、そしてそれと同時に心の中にあった先ほどまでの謎の興奮のようなものもなくなっていた


「(・・・いや、可愛いからってだからそれがなんだよ、俺に全然関係ないだろ・・・というか向こうと関係を持つ事自体もありえないし・・・)」


自分で勝手に何かに舞い上がってる事に違和感のような、気持ち悪いものを感じたのか陽太はそう自分に言い聞かせては深呼吸した


「(あぁいうのには関わらない、じゃなくて・・・興味を持ったとしてもあくまで傍観者まで・・・)」


所詮可愛いと言ってもこれから毎日過ごしていくクラスメイト、すぐに見慣れる、いつも通り、そう陽太は今までの小中を思い出しては自分に言い聞かせた


「(美人は三日で飽きる、?だっけか?確かそんなだったよな…?)」


「よし、それじゃあ説明は以上だ、後一時間したら全校集会あるからな、各自それまで自由じかんなぁ」


いつの間にか先生の話は終わっていたのかそれと同時に教室内は一気に騒がしくなった、話すもの、そして教室から出るもの、と各自自由にしている


「(・・・あっ、そうだこの学校の部活に確か変な部活あったよな)」


陽太はふとその事を思い出し部活表を見てその変な部活のある場所まで歩いた




「っ・・・こ、ここ、だよな…??」


そしてその部活がある場所まで来た陽太は疑問に感じた、何故ならその場所は全く使われていない空き部屋だったからだった、しかもなにかその部屋だけ薄暗いような、なにか違和感のようなものを感じた




「・・・その部屋になにか用でもあるのですか?」


「・・・っえ?」


聞いたことのあるような声、そして嗅いだ事があるような懐かしい匂い、それに反応した陽太は後ろを見た、そして後ろを見ては驚いた、そこには氷野明乃がいたからだった、だが何故かどこか表情は不機嫌そうな表情をしている


「・・・その部屋になにか用でもあるのか、そう聞いたんですよクソ虫野郎」


「・・・・・・っっは、は・・・?え・・・?」


睨まれたと同時に何故か第一一言がクソ虫野郎、その苦言に陽太は唖然としつつ、頭の中が混乱とした、会話をした事すらもない相手から突然の苦言、唖然とするのも仕方がない


「?貴方は日本語も通じないんですか?大変ですね、可哀想な人ですね、あっ、クソ野郎は流石に酷かったですね、変態クソ野郎に変えましょう」


明乃はそういうと同時にポケットの中から取り出した鍵を持ってはクルクルと回し微笑んだ、その微笑みは見た目に反しとても黒い笑みだった




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