はじめまして
お待たせしました。
☆ ☆ ☆
「貴方はどなたですか?」
神秘的な雰囲気を纏う美少年を見て神様だと確信したが、未だに異世界にいることを認められない遡は思わずそう聞いていた。
そんな遡を見て細く微笑む少年。
「僕?僕はリュシクル。時空を司る神さ。遡・シェルフィアさん!」
「!!!……何故…。」
「そりゃ僕は神だからね。ある程度の情報は分かっちゃうんだ♪」
「ふ~ん。」
遡は思わずそう返していた。彼女の知る神様はおじいさんの姿や光の珠として伝えられていたので、少年の姿で現れた目の前の存在を不思議に思ったのだ。
「ふ~んって偉くあっさりした答えだね……。少し位驚いてくれたって…――。」
遡の反応に少し落ち込むリュシクル。しかし、遡にとって今までの出来事で軽く許容範囲外になっており反応が薄くなっていた。その為リュシクルの司る力の意味に気付かなかった。
「それでその時空の神様が、なぜ私の様な者の所に?」
「?何故って君に興味があったからさ。あの子が気に入った子がどんな子か気になっちゃってね♪――流石あの子が気に入った子だね。僕も気に入っちゃった♪だから少しさぁびすしちゃう♪リィンフェー!」
リュシクルは無邪気に誰かを呼ぶと、夜空からヒラヒラと7色に色を変えながら降りてくる光の珠があった。
「はいさ♪呼ばれましたか~。」
降りてきた光は、背中に羽根の生えた手のひらサイズの少女の形をとった。
「うん。呼んだよ~。リィンフェ。」
リィンフェと呼ばれたのは〝虹の妖精〟と呼ばれるの少女はリュシクルを見て珍獣を見るように答えた。
「あれあれ。これまた珍しい御方に呼ばれましたなぁ♪今夜は嵐かいな~。」
「!!ちょっとリィンフェ?!。それは酷いよ。」
「冗談ですがな♪んで私を呼ばれましたんは、此方のお嬢さんのためですかや?」
夫婦漫才を繰り広げた二人を見ながら、遡はリィンフェの言葉使いになにやら突っ込みたくなった……が思い止まった。
方やリュシクルはリィンフェに好きなだけ遊ばれて落ち込んだ後気を取り直し答える。
「……そうだよ。彼女は遡・シェルフィア。今日から主としてお仕えしなさい♪」
「?!!!」
その言葉に遡は驚きの顔を崩せなかった。
「らじゃー♪殆ど私を呼ばなかったリュシクル様よりお仕えしがいがありそうだし~。」
「あっ…あの!!」
「ん?遡ちゃんどうしたの?」
「どうしたもこうしたもありません!!私抜きで勝手に話を進めないで下さい!」
「まぁ良いぢゃん♪他にも色々あるけど、面倒っ……いや、後はリィンフェに聞きながらおいおい知っていってよ♪」
((……今面倒くさいって言おうとしただろ……。))
遡とリィンフェは同じことを思った。
そんな二人の視線に明らさまに眼をそらし話を続けた。
「…じっ…じゃぁ僕は忙しいからまたいつかね~♪」
そう言ってリュシクルは姿を消した。
「……まぁ取り合えず、主人様今日から宜しくお願いしますます~♪」
「うっ……うん。宜しくね。あっ…でも、私の事は遡って呼んで?」
「朔さまですかや?」
「違います。遡と呼んで下さい。様はいりません。」
リィンフェは少し考えて答えた。
「はいさ♪遡。されば私はリィンて呼んで下さいなぁ~」
「分かりました。」
「ではではここでは、なんなのでこの先の小屋までいきましょか。詳しい話はそこで話しましょ♪」
遡はリィンの案内で祭壇から少し離れた小屋に向かった。
結局リュシクルは何しに来たんだ…?
リィンフェ♪遡をこれから頼むよ♪
今年も後わずかになりましたねぇ。
今後もこの様な調子かと思いますので気長に付き合って頂けると幸いです♪
新しい年を健やかに過ごされますように。
では皆様よいお年を♪