第5話 とりあえずのんびり
のんびりしてます
影名が目が覚めると、リノルはすでにいなかった。
寝室のドアを開けるとリノルは料理をしていて影名に気づき振り返った。
「おはようなのじゃ。
ちょうど朝食が出来たので食べるのじゃ。」
出された朝食は何やら洋食の様なもので、食べてみると美味しかった。
しばらくすると影名が口を挟んだ。
「そういえば昨日の女の子は誰なの?」
「ぶはぁ!」
リノルは飲んでいた飲み物を吹き出した。
「何か温泉の時とベットの時に声がしたから…。
そういえばベットで寝てる時は何か重たかったなぁ…。」
「そ、それは気のせいなのじゃ。
昨日のやつはアビィと言って、わしの魔力で作り出した使い魔みたいなものじゃ。」
「使い魔?そんなことも出来るの?」
「うむっ。わしの魔力を侮るでないぞ。じゃがしかし、なにぶん人型は初めてじゃったので、制御が利かなくて言うことを聞いてくれないのじゃ。
まぁ害はないからいいんじゃけどのぅ…
アビィのやることなすこと腹は立つんじゃが。
ちなみにこの周りにいる竜もわしが生み出したものじゃぞ。」
「すごーい!
でも何のために?」
「昔は色々あったのじゃ…いつか話すことになるじゃろう…。」
その後は影名は自由に行動した。……とはいっても日の当たりが良いところで、のんびりしていただけであった。
しばらくするとアビィがやってきた。
「はじめまして、貴方が影名ね。
私はアビィ。リノル様から色々聞いていると思うけど、とりあえずよろしくと言っておくわ。」
「Zzz……。」
「……それにしてもよく寝るのね……危機感がないんじゃないかしら……。」
アビィは周りに誰も居ないのを(と言ってもリノルだけ)確認した後、寝ている影名の方に寄り添い、ぎゅっと抱きしめたのであった。
「ふむ、リノル様のやってるのを真似してみたけどなかなか良いものね。」
「見てやったのじゃ!」
「!?」
振り返ると草むらからリノルが大喜びで飛び出してきた。
「見てやったのじゃ!アビィの恥ずかしい所見てやったのじゃ!」
「こ、これは、その………。」
「アビィが動揺してるのじゃ!わはははははははー!」
そしてこの光景を遠くから双眼鏡で見ているものがいた。
「親分!森の所でちっこい女2人と寝てる男が1人います!」
「よし!今すぐ捕まえて身ぐるみ剥がして奴隷にするわよっ!いくぞ野郎共ー!!」
「部下は私1人ですが……。」
親分とその部下は女性です