君のために配信していたのに
「あ、今日金曜日か……」
「配信…は、もう、いっか」
「君が」
「高評価も、コメントもしてくれないからね」
「うん、うん、忙しかったかもしれない」
「でも」
「最近は私の投稿にいいねすらしてくれない」
「推しって言ってくれたよね」
「専垢も作ってくれてさ」
「同じ場所にピアス開けてくれたり」
「ファンマークもつけてくれて」
「空リプでおやすみって言ってくれて」
「最初の頃はどの配信にも来てくれた」
「グッズも買ってくれた」
「絵も描いてくれた」
「あ、そうだ、これみる?」
「そう、君が描いてくれたやつ」
「印刷して額縁に入れてあるの」
「朝起きて一番最初に見るのがこの絵なんだ〜」
「ここまでしてくれてたのに」
「気づいたら君がいいねしてくれるのが一番じゃなくなってた」
「配信にも一番乗りじゃなくて」
「最近じゃ配信にすら来なくなった」
「え?」
「いや、だって出てくれないのが悪いじゃん」
「1回でも着信に出てくれてたらやめてたよ」
「ねぇ、ドア開けて?」
「……ふふ、お客さんが来てる、って?」
「んーん、違うよ」
「家にいてもパソコンから君の声聞けるのに、さ」
「……んん?変なこと言わないでよ」
「グッズ買ってくれたんだから住所なんてわかるに決まってるでしょ」
「え?だって買ったのは君だよ?私に全てを教えてくれてるのは君なんでしょ?」
「…………私が、おかしい?」
「なんで?どうして?」
「君は、私が推し」
「私は、君のことが好き」
「おかしくないよ?」
「ねぇ」




