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異世界行ったら聖女様に溺愛されました  作者: うみのうさぎ
異世界探偵

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6/25

トリック

応接室に、再び全員が集められた。


ゴードン「聖女様は、こう仰っていた。“偽の神の件で、アカネが役に立つかも知れぬ”と」


アカネ「……私が、ですか?」


サナ「妾の勘じゃ。アカネの力が、今回は要る」


 ユメは椅子の端に小さく座り、指先を絡めている。


アカネ「ユメ。無理のない範囲で教えてください。“神さま”は、どう現れましたか?」


ユメ「……祠の中が、急にあったかくなって……下のほうから、揺れる光が……」


アカネ「色は?」


ユメ「黄色っぽくて……でも、煙は……なかったです」


 その一言で、仮説が固まる。


アカネ「音は、どこから聞こえました?」


ユメ「前から……でも、はっきりは……」


アカネ「匂いは?」


ユメ「……少しだけ、変な匂い」


 私は頷いた。


アカネ「ありがとうございます」


 向き直る。


アカネ「これは幻術というより、ガスの燃焼を使った仕掛けだと思います」


ゴードン「煙が出ない理由は?」


アカネ「ガスが燃えれば、基本的に煙は出ません。完全燃焼に近ければ、揺れる炎と熱だけが出ます」


サナ「なるほど。奇跡らしく見える、わけじゃ」


アカネ「はい。下部から点火すれば、光は下から揺れて見える。声は祠の反響で方向をごまかせます。姿が見えないのも、暗さと逆光のせいです」


 ゴードンが腕を組む。


ゴードン「再現できるかね」


アカネ「小規模なら。安全管理を徹底して、確認しましょう」


 ユメが不安そうに見上げる。


ユメ「……ぼくが見たのも……それ、ですか?」


アカネ「はい。怖かったのは本物。でも、神ではありません」


 サナが静かに口を開く。


サナ「実験を許可する。結果次第で、偽神狩りに移る」


 決まった。


 奇跡は、仕掛けで作れる。

 ならば、暴くのもまた、理屈だ。

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