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異世界行ったら聖女様に溺愛されました  作者: うみのうさぎ
異世界に飛ばされました

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3/25

聖女の煩悩

黒髪。

 それだけで、答えは出ておる。


 ――絶対、日本人でしょ。


 この世界にも可愛い子は沢山おる。金髪も銀髪も、獣耳も角持ちも、見慣れれば皆愛らしい。

 じゃが、違うのじゃ。


 あの艶。あの重み。光を吸うような黒。

 やっぱり黒髪しか勝たん。


 迷い子、などと誤魔化してはみたが、妾の中ではほぼ確信じゃ。

 言葉の選び方、視線の運び、戸惑い方――日本で育った人間のそれ。


(……それにしても)


 問題は、そこではない。


 何故、そのままの姿でこの世界に来ておる?


 転生ではない。召喚でもない。

 肉体は完全に現世仕様。衣服も、魂の輪郭も、何一つ加工されておらぬ。


 神社。

 結界。

 神域からの“横滑り”。


 考えられる仮説はいくつかあるが、どれも厄介じゃ。

 そして何より――


(可愛い)


 不用意に保護欲を刺激するのは反則じゃろう。

 妾は聖女。感情で動いてはならぬ立場……のはずなのに。


 だから今は、言わぬ。

 日本人だと、気づいたことも。

 この世界に来た理由を、妾が察しておることも。


 黒髪の迷い子が、自分で真実に辿り着くまで。

 妾は、聖女の仮面を被り続けよう。


 ――少しだけ、欲を隠して。

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