グリムンド・フォン・アスタリカ 第一王子
「グリムンド・フォン・アスタリカ 第一王子との出会い」
ロードの街の郊外。
夕陽に照らされた草原で、ひとり馬を駆る少年の姿があった。
その周囲には、控えめに距離を取る護衛の兵たち。
「グリムンド王子でしょうか?」
「そうであるが、そなたは誰じゃ?」
「聖女のツクヨミと申します。
王宮より、王子のレベル上げと基礎教育の協力を命じられております。」
「……無理やり剣の修行をしろとは言わぬな?」
「いえ、命の保障はできますので、
死にそうな修行でも安心してどうぞ♪」
王子は少し考え、真剣な眼差しで言った。
「修行は嫌だが、必要だとは思っておる。
その前に、話したいことがある。時間をくれぬか?」
ツクヨミは、場所を教会の懺悔室に移す。
ノイズキャンセリング魔法が施された、密談のための空間。
(……と思ったら、盗聴器が“あたりまえ”のようにあるのね。)
爆音魔法、炸裂。
どこかで「ドサッ」という音。
(……鼓膜、破れたな。まあ、金貨100枚で治してあげるけど?)
静けさを取り戻した懺悔室で、
王子はぽつりと語り始めた。
「余は、命を狙われておるのじゃ。
剣の修行と称して、何度も命を狙われた。
だから、王都を離れ、ここに来た。」
「……それでは、わたくしのことは信頼できると?」
「そなたは“龍の輝き”のツクヨミであろう?
余には、人の“害意”が見えるのじゃ。
そなたは、信頼できると一目で分かった。」
(……なんというか、すごいスキル持ってるなあ。)
「この街でレベルを上げ、
仲間を募って、ダンジョンに挑みたい。」
(やる気満々じゃないですか!)
ツクヨミは、思わぬ幸運に心の中で小さくガッツポーズを決めた。




