ハンブルクの海賊退治――海神と人の共闘
ツクヨミは王宮へとテレポートし、国王に緊急の謁見を申し入れた。
「ハンブルクにて、海賊が暗躍しております。海神リバイアサン様が商船を守っておられました。人的被害はありませんが、早急な対処が必要です。」
その報告に、国王は即座に頷いた。
「よかろう。兵を出そう。王子よ、そなたが指揮を執れ。」
グリムンド王子は、ツクヨミの隣でにっこりと微笑んでいた。気配察知Lv120の彼には、ツクヨミの来訪などお見通しだったのだ。
(さすが、わたしが育てた人間兵器1号……)
さらに、ツクヨミはリバイアサンを人の姿に変えるため、王宮の宝物庫から模写の鏡を借り受けた。
「これは使い捨てですので……」
そう言って、ストレージの複写機能で10個複製し、オリジナルと共に王に返却。
「……まさか、11個になって返ってくるとはな。」
国王は目を丸くし、グリムンド王子は「またやったな」と言わんばかりに微笑んでいた。
ツクヨミは教会で祈りを捧げていたシャルロットを連れ、王子と共にハンブルクへテレポート。
海岸でリバイアサンと再会し、模写の鏡にシャルロットを映し、リバイアサンの魂を写し取る。
こうして、シャルロットの姿をしたリバイアサンが誕生した。
「……二人いるとややこしいですね。」
本物のシャルロットは、王都へ帰還させる。
(まあ、彼女なら大丈夫。人外兵器2号ですから。)
リバイアサンの案内で、グリムンド王子率いる兵士100名と共に、海賊のアジトへ突入。
戦闘は熾烈を極めたが――???
王子のホーリーバリアーとアサシンネイトが敵を翻弄し、
リバイアサン(シャルロットver.)のスティレットが海賊を次々と無力化し、
ツクヨミは回復と蘇生で戦場を支えた。
「……あ、来ましたね。」
見た目が弱そうなツクヨミに近づいた海賊を、血みどろメイスで軽く一撃。意識を刈り取る。
(……軽く、ですよ?)
海賊たちは全員行動不能にされ、兵士たちによって拘束。王宮前にテレポートで送還された。
そして、お楽しみの時間。
海賊が貯め込んでいた宝の山を前に、分配が始まる。
王宮へ
王子個人へ
ツクヨミへ
ゴッズ級の装備こそなかったが、貴重な魔道具や希少鉱石が山ほど。
(……これだけあれば、報酬はもう十分ですね。)
一方、グリムンド王子は、シャルロット(中身リバイアサン)を見つめて、どこか熱っぽい視線を送っていた。
(……王子、それ中身リバイアサン様だから。やめといた方がいいですよ。)
任務を終えたリバイアサンは、海岸で模写の鏡を割り、元の姿へと戻った。
「ニケ神の使徒よ、此度の協力、感謝する。」
その思念が、ツクヨミの心に響いた。
(ふふ、こちらこそ。貴重な体験、ありがとうございました。)




