ゲート前の静寂と、王子の成長タイトル
魔物の氾濫が続く中、ツクヨミはすでに“勇者パーティ”の一員ではなかった。だからこそ、ゲートの監視業務は討伐隊と勇者たちに任せ、ひとときの休息を取ることにした。
ツクヨミの家の周囲には、王宮の兵士たちが野営を張っていた。表向きはグリムンド王子の護衛のためだが、実際にはホーリーバリアーの加護を求めてのことだった。
(まあ、守ってもらえるなら、それはそれでありがたいですね。)
その間、ツクヨミは王子の教育に力を注いでいた。
経営学の講義に始まり、勇者や戦士による戦闘訓練、兵士を使った戦術演習、魔法使いによる座学と実地訓練――
王子はすべてを吸収し、成長していった。
特に回復魔法の習得は目覚ましく、今やこの国で二番目の使い手にまでなっていた。
兵士たちも、周辺の魔物狩りに精を出していた。負傷者が出ても、王子がすぐに治療を施す。
「これは王族としての義務だ。」
そう語る王子の姿に、兵士たちの忠誠心は滝を登る鯉のように高まっていった。
(……王子、もう立派に“指揮官”ですね。)
ツクヨミの家には、小さなお祈りの間があった。朝と晩には、ツクヨミと王子が並んで祈りを捧げる。
王子も、祈りによって経験値が得られることに気づいてからは、欠かさず参加するようになった。
「……これは、さぼる方が損ですね。」
ツクヨミが王子を鑑定すると、なんと基本レベルはすでに450に達していた。
勇者パーティの誰よりも高い。
どうやら、経験値の分配はツクヨミと王子に優先的に流れているようだった。
(わたし1、王子1、勇者パーティで1……ふふ、これはもう、王子が主役ですね。)
やがて、魔物の氾濫は終息を迎えた。
ゲートはゆっくりと形を変え、黒い渦のような穴は、やがて石造りの階段へと変化していった。
「……ダンジョン、ですか。」
ツクヨミは初めて知った。この世界のダンジョンは、ゲートから生まれるのだと。
(本当に、不思議な世界です。)
グリムリンド・フォン・アスタリア王子の現在のステータス
基礎レベル:Lv450
基本スキル:身体強化Lv250 回復魔法Lv220 蘇生魔法Lv120 ホーリーバリアーLv150 隠形魔法Lv40 アサシンネイトLv400 気配察知Lv120 自動危機回避Lv140
特殊スキル:ニケ神の恩寵(パーティ共有化) レベルが上がりやすくなる
称号:アスタリカ王国第一王子 指揮官 将軍 聖女の弟子 神の使徒の弟子
年齢:8歳
職業:王族(グリムンド王子)/魔法剣士/アサシン




