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新しいスマホには、知らない名前が最初からあった

作者: 徒然生成
掲載日:2025/12/28

✦『新しいスマホには、知らない名前が最初からあった』


………


それは、

ウイルスに

やられた話じゃない。

気づいたことで、

少しだけ

強くなった話だ。


………


★目次

1.鼻歌を歌う67歳の小説家

2.新しいスマホと、引っ越しの日

3.最初から、そこにあった名前

4.同じ名前をした、二つの顔

5.悪者はいない、でも盲点はある

6.静かに現れた偽広告

7.僕が気づいた、たった一つの違和感

8.その日から、少し変わった

9.笑いながら取る対策

10.50人に届く文章の重さ

11.あとがき ― 体験は、次の幸せになる


■1.鼻歌を歌う67歳の小説家


僕の近所に、

67歳のおじいちゃんがいる。


毎日、

スマホで小説を書いている。


小説投稿サイトに、

もう50本以上。


閲覧数は、

だいたい毎回50人前後。


増えもしないし、

減りもしない。


それでもおじいちゃんは、

鼻歌を歌いながら書く。


「まあのぅ、

 読んでくれる若者がおるだけで

 わしゃ、十分じゃ」


「読者はわしのな、

 子供のようなもんじゃけぇ……

 わしゃ、嬉しゅうて、嬉しゅうて」


■2.新しいスマホと、引っ越しの日


少し前、

おじいちゃんは

スマホを買い替えた。


理由は、

めちゃくちゃ簡単だ。


来年、

メモリーの半導体が

品不足になる。

それだけの理由だった。


古いスマホから、

新しいスマホへ。


家電量販店で、

店員さんが

丁寧に全部やってくれた。


データ移行。

初期設定。

アカウント登録。


おじいちゃんは、

ただ横で

「はいはい」と

うなずいていただけだ。


それは、

どこでもある

普通の光景だ。


■3.最初から、そこにあった名前


新しいスマホには、

最初から

いくつかのアプリが入っていた。


その中に、

聞いたことのある名前があった。


ノートン。


「警備会社みたいなもんじゃろ」

おじいちゃんは、

そう思った。


それは、

間違いじゃなかった。


■4.同じ名前をした、二つの顔


ただ、

あとになって分かった。


その名前には、

二つの顔があった。


・最初から入っていた

 正規の「守る側」


・ネットの中で

 突然現れる

 そっくりな「騙す側」


名前は同じ。

色も、雰囲気も似ている。


新しいスマホに

慣れていない人ほど、

区別がつきにくい。


■5.悪者はいない、でも盲点はある


家電量販店の店員は、

悪くない。


スマホを作った

ソフト製造メーカーも、

悪くない。


通信を支える

キャリア会社も、

悪くない。


「困らないように」

「安全なように」


そう思って、

初期設定を整え、

安心できる仕組みを

最初から用意しているだけだ。


でも、

そこに一つ

盲点があった。


正規の安心が

最初からあると、

偽物はより本物に見えてしまう。


おじいちゃんの脳が、

錯覚を起こしていた……。


■6.静かに現れた偽広告


ある日、

おじいちゃんは

いつも通り

小説家になろうのアプリを開いた。


その時、

画面の下に

静かに現れた。


「あなたの端末は危険です」

「18個のウイルスが検出されました」


電話は鳴らない。

音もしない。


まるで、

最初から

そこにあったみたいに。


■7.僕が気づいた、たった一つの違和感


おじいちゃんは言った。


「新しいスマホにしたら、

 こういう恐ろしい画面が

 出るようになったんよ」


「これ、押していいの?」


その一言で、

僕は気づいた。


それは、

守る側の名前を使った騙す側のサイトだ。


■8.その日から、少し変わった


僕は言った。


「それは広告だよ」


「本物は、

 こんな出方はしないよ」


おじいちゃんは、

少し考えて、笑った。


「なるほどのう」


「次からは、

 一呼吸置くわ」


それ以来、

何か出るたびにニコニコしながら言う。


「これは、

 本物かのう?」と。


■9.笑いながら取る対策


分からないものが出ても、

慌てない。

怒らない。


「まあ、

 確認してからじゃな」


おじいちゃんはそう言って、

一つずつ消す。


「わしの大好きな

 マーク・トウェインが

 言っとった」


「私は人生で多くの恐ろしいことを経験してきた。

 そのほとんどは、実際には起こらなかった」


あの日のおじいちゃんの体験は、

怖い思い出にはならなかった。


日常で使える知恵に、

変わった。


マーク・トウェインは、

それを証明してくれた。


■10.50人に届く文章の重さ


その夜も、

おじいちゃんは

小説を書いた。


閲覧数は、

やっぱり50人前後。


でも、

それでいい。


「わしは、1000人の読者を

 満足させるつもりはない。」


「たった一人の若者を、

 震わせたい。」


「その一人が、

 わしの老後を生かすんじゃ。」


僕は思った。


「あれ?

 どこかの誰かと同じセリフを、

 おじいちゃんが

 真似してる…」


誰かが、

時間を使って

読んでくれている。


それが、

おじいちゃんの幸せだ。


★あとがき ― 体験は、次の幸せになる


この話は、

ウイルスの話じゃない。 


気づいた体験が、

その人の力になるという話だ。


怖い出来事も、

笑って越えられたら、

次の幸せの種になる。


「わしを殺せないウイルスは、

 わしを幸せに導く」(笑)


67歳のおじいちゃんは、

今日も鼻歌を歌いながら、

スマホで文章を書いている。

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