表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

1.プロローグ

「私…あなたの子を妊娠したの…」

顔を赤らめ…モジモジしながら目の前に立つのは、黒髪ロングの女の子…今日初対面だったはずの、西窪マクロだった。


(少し時間を遡ってみよう…)

 

 「おいハル…今日、転校生来るらしいぜ…」

教室の席で、前に座る親友の町田ケンヤが、ニヤケ顔で話かけてくる… 

 「へえ~…」

既に彼女のいる僕…西園寺ハルは、その話題に、興味を持ってはいけない空気感を感じていた…

 「ジ~」

斜め向かいの席にいる、ケンヤの双子の姉…ユメコが、コッチを睨んでいる…

(地獄耳か…)

 「静まれ~!」 

戸を開けて、無精ヒゲの男性教師が、ダルそうに入って来る…何気に、期待と緊張の走る瞬間でもある…

(さっきの話のせいかな…)

 「西窪マクロです…よろしく…」

どこか影のある(てか陰キャな)少女…前の学校の制服で(セーラだ、ココはブレザー)、軽く会釈した…一瞬目が合ったのは、気のせいだろう…

 「そこの、空いてる席座れ~」

ゆっくりと、横を通り過ぎるその娘から…かすかなシャンプーの人工的な香りと、何故か…体温を感じない、不思議な気配…

 「よ…しく…」

小さな声で、話しかけられた気がするが、たぶんこれも思い過ごし…

 僕の後ろに座る彼女の、視線を感じる

(あぁ…今日の僕は…何て自意識過剰なんだ…)

 で、次の休憩時間…何となく教室は息苦しかったので、屋上に出て深呼吸する…その時、突然入って来た西窪さんのセリフが、冒頭のアレだ…


 「は?あの…今日、初対面だよね…」 

 「そんなの関係ないわ…」

(ヤバイヤバイ…サイコだ…)

 「頭が…」

(おかしいんじゃないかって言いかけ、やめた…)

 「ひ…酷い…」

(ニュアンスは、伝わってたか…)

 「ゴメン…」

その神妙な、表情と…何とも言えない、守りたくなる様な佇まい、そんな…震える彼女を責める事が出来なかった…

 「お互い…もっと知り合うべきだと思うんだ…」

 「ハル…私のハル…」

(お前のモノになった覚えは無い…僕には、心に決めた人が…)

 ギュ…

僕の胸元に、柔らかい感触…上目遣いの視線…

(ダメだ…背中に手を回したら…終わる)

 キーンコーン!

チャイムが鳴る…急に僕の手を離れ、教室へと向かうマクロ…

(ど…どないやねん…)

 滞り無く、午前中の授業は終わり…昼休みに入る…


 「アンタね…自分が何言ってるか、分かってる?」

不機嫌そうに僕の彼女の、町田ユメコは詰めよる…

(町田姉弟にだけは、話ちゃったが…マズかったかな…)

 「やるな…兄貴、二股とはな…」

姉と付き合う僕に、皮肉っぽく話すケンヤは、何処か楽しそう…

 「信じて…ユメコ…あの女とは、マジで初対面で…僕が好きなのは…ユメコだけだよ…」

 「し…知ってるし…」

(デレてる…カワイイ…)

 「う~ん…じゃあ、放課後…アイツを問い詰めようぜ…」

 「お手柔らかににね…」

 「ふんっ!」

マトモな提案をするケンヤ…弱々しいあの娘を気遣う僕…それに不満そうなユメコ…


 「ホントだもん…ハルの子だもん…エ~ン…」

泣きじゃくるマクロを…責める姉弟に対し、止めに入るしか無い僕…

 「ハァ…無駄だと思うけど…DNA鑑定でもする?」

 「バッカじゃ無い?それでも、私の彼氏?」

 「激しく同意…」

僕の提案を、小馬鹿にする姉と弟…

 

 で…色々あって…

 「まさか…ね…」

顔面蒼白になる僕…

 「ハル…私の旦那様…」

嬉しそうなマクロ…

 「別れましよ…」

血管を、浮かび上がらせるユメコ…

 「まぁまぁ…マクロちゃん…処女だったし…謎が謎を呼んでるよ…ホント…」

意外と冷静なケンヤ…

 つまり、こうだ…検査の結果、マクロのお腹の子は…僕の子に間違い無かった…

でも、彼女は処女で…男性経験が無い…

(記憶が混乱する…いや間違無い…僕は、マクロと合った事なんか無い…フザけるな…この歳で父親なんて…ゴメンだね…)

 「アギレス…もうすぐパパと会えるわよ…」

(何を言ってる?マクロ…)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ