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スクリーム・ノート III  作者: 藤沢凪
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百二頁    鳥 拾肆   『その意味を知りたいの』

 百二頁

 

 鳥 拾肆

 

『その意味を知りたいの』

 

 阿久津から、ラインが来た。

 

「阿久津真央です。別に私は、望みを叶えてくれない事が確定しているあなたと仲良くしたい訳じゃ無いけど、あなたがどうしてもと言うから、このままシカトするのは可哀想だから、連絡してみましたけど?」

 

 ツンデレか⁉︎ 素直になれよ‼︎ 私はどうしてもとまでは言って無いんだけど⁉︎ まぁ良い。阿久津に返信を送った。

 

「これからどうしよっか? まず、お前の家に行ってみたいんだけど?」

 

 私の、そして牛嶋と嶋牛の想いは、阿久津をその劣悪な環境から抜け出させる事だった。

 

「いきなりそんな……随分大胆だね? 過程を経るという事が出来無いのかな?」

 

 付き合いたてのカップルか⁉︎ 女同士なんだから別に良いでしょ⁉︎

 

「嫌なら別にすぐにじゃなくていいけど?」

 

「別に、嫌なんて言ってない。来てくれても、構わないけど?」

 

 面倒臭ぇ女だな⁉︎ これ来て欲しかったパターンだろ? 始めからそう言えよ‼︎

 

「じゃあ、明日の学校終わりとかどう?」

 

「いいよ。教室で待ってれば良い?」

 

 あっ……良く考えたら長い時間二人きりで過ごすって事だよね? キツくね? あの二人も呼ぶか。

 

「うん。牛嶋と嶋牛も心配してたからさ? 誘ってみるよ」

 

「そう。まぁ、いいよ」

 

 良かったぁぁぁぁ! 二人きりは会話もたねぇもん‼︎

 

 次の日、牛嶋と嶋牛には昼休みに話しをつけて、放課後三人で二組に向かった。二組に入ると、窓際の席に座る阿久津と目が合った。なのにすぐに視線を外し、阿久津は窓の外を頬杖をついて眺め始めた。本当面倒臭ぇ女だな? すると、たしか鬼釜? が私達に声を掛けて来た。

 

「おーお前ら! ちょっとこっち来いよ!」

 

 はっ? なんで?

 

 私はたじろぐ牛の二人を置き去りにして、少し離れた席に座る阿久津に声を掛けた。

 

「おい、行くぞ?」

 

「へっ? あぁ、うん」

 

 今気付きましたみたいなフリしてない⁉︎ 私が教室入った時完全に目合ってたよね⁉︎ 訳分かんねぇコイツ!

 

「おい! 何処行くんだお前ら?」

 

 鬼釜が私達に向かって言った。

 

「ってかお前に関係あんのか? 私達元から約束してたんだけど?」

 

 鬼釜の言い方にイラッとして強く言い過ぎてしまったかもしれない。

 

「お前小鳥だろ? 舐めてんのか? ちゃんと覚えてっかんな‼︎」

 

 はっ?

 

「だから何だよ⁉︎ 私はお前になんか興味無い。覚えててくれても忘れてくれても構わない。邪魔すんなよ。時間の無駄だろぉが⁉︎」

 

 ちょっと私……もうちょっと優しく言ってあげて?

 

「アァァッ⁉︎ わたしの噂知らねぇのか⁉︎」

 

 鬼釜も、これ以上私の事煽らないで?

 

「知らねぇよ誰だテメェ⁉︎ 有名人にでもなったつもりか⁉︎ 身の程を弁えろよクソガキが‼︎」

 

「テメェマジで地獄に堕としてやっかんな⁉︎」

 

「やってみろよ‼︎ テメェもただじゃ済まさねぇぞ⁉︎」

 

 鬼釜は、睨み付けるとその視線を外し、阿久津に話し掛けた。

 

「なぁ真央? 何処行くんだよ?」

 

 鬼釜が阿久津に聞いた。

 

「……関係無いでしょ。私が何処に行こうと」

 

「友達だろ? 何でそんな事言うんだよ?」

 

「晶が、そんなの友達じゃ無いって言ったの。私、その意味を知りたいの」

 

「ヒッ……」

 

 牛嶋の顔が急に強張り、変な声を出してた。いきなりどうした?

 

「あきら? 誰だよそいつ?」

 

 鬼釜にも、あきらという名前に心当たりが無かった様だ。

 

「そっか。別に知らなくて良いんじゃない? さよなら」

 

「はっ? 待てよ! 今日のお前変だぞ⁉︎」

 

 鬼釜が椅子から立ち上がり言った。

 

「私は……ずっと変だよ。オカシイの。尚子と居ても、寧々と居ても、私、直らないじゃん? ずっと、ずっと、ずっとオカシイままじゃん⁉︎」

 

「わたし達は真央の事、こんなに考えて——」

 

「もういい‼︎ 私……もう限界なの‼︎ 尚子と寧々は、私の事殺してくれないじゃん⁉︎ 私の事殺してくれる人探すってさぁ⁉︎ もう何年経った⁉︎ 私は生きてるし、いつまでも地獄は続いていく‼︎ もういい。もういい! もういい‼︎ もう、いいから……」

 

 ………………

 

 阿久津の肩に触れ、牛の二人と一緒に教室を出た。鬼釜は、それ以上何も言って来なかった。

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