表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

6 露出と勉強

「あのね……どうして彼が居るのかしら?」


 髪をばさっと手で靡かせるのは中田翔子。お馴染みになりつつあるなそれ。

 今日、俺たちは俺の家で勉強会を開いていた。


「しょーこちゃん酷いぜぇ~」


「下の名で呼ばないで、てかアンタ誰よ?」


「ひっでぇ……」


 幼馴染では無かったのか。


 三人でテーブルを囲みノートを広げる。用意したドリンクを飲みながらも中田の恰好に注目する。

 胸を強調するキャミソールに、丈の短めのパーカー。ホットパンツな恰好だ。男の家にこの恰好で来るとは、痴女なのかな?


 妹は友達の家に遊びに行った。奴が居たら邪魔して来るのは必至、タイミングが良い。

 最初の一時間くらいは真面目に勉強を行う。作戦はその後だ。




「――で、これをかけるのよ。何度も言わせないで」

 数学の勉強中、近藤がしきりに中田に質問をしていた。


 ちらちらと中田の胸の谷間を見ているのがバレバレだ。

 ここはサービスしてやるか。


「きゃ! ちょ、ちょっと西川君! 貴方何するのよ!?」

「おおおおおお!!!! 来たあああああ!!」

「うるさい!」

「ぐふっ」


 俺はコップに入った水を彼女の胸にかけた。もちろん事故を装って。


 薄い生地の白いキャミソールは濡れて、メチャクチャ透ける。補助用のパッドが付いているために先端が露出することは無いが、非常にイヤらしい。


 近藤は目を見開き、胸まであと数センチと言うところまで顔を近づけて中田に殴られた。


 ここで一つ、皆さんに勝ち気なプライドの塊女に対する好感度上げのテクをお見せしよう。


「わ、わるい! 今拭くから!! て、ああごめんなさい!!」


 驚くほど慌てて、彼女の濡れた胸にタオルで拭こうとする。そうすると当然彼女の胸に手が当たってしまう。その時に慌てふためくのだ。


「な、なにするのかしら西川君! 貴方ワザとやってるのかしら!?」


「ご、ごめん……うう」

 この時俯く。


「な、なによ? そ、そこまで怒ってないでしょ? そんな態度されたら怒れないじゃない」


「本当にごめん……うう、顔が見れない」


「はあ?」


「お、俺女性の胸に触ったの初めてだったから……しかもあの中田さんの胸だもの」


「わ、私の胸だったらなんだって言うのよ?」


 中田は胸を抱きかかえるように隠す。いいぞ、計画通りの反応だ。


「だって美人で完璧で、スタイルの良い中田さんの胸だよ? うう、嬉しかったです」

 あえてのセクハラ発言。


「……私の胸だからそんなに狼狽えているのね?」


「は、はい……」


「じゃあ良いわ、許してあげる――次は無いわよ?」

「ハイ!」


 この女の様に無駄にプライドの高い女は、特別だと言う印象をこっちが持っていると思わせることから始まる。他の女ならこうはいかない、貴女だからこういう反応になるのです。そういう風に持っていくのだ。


 こういう時にワザとじゃないとか、感触はしなかったとか言って全力で否定して謝れば逆に怒らせることになる。私には興味ないって言うの? みたいな感じでね。


 中田みたいな女は面倒くさい、が逆に読みやすいのだ。


 意外と中島でも同じように攻めていける。彼女の場合は軽いセクハラ合戦になるだろうが。


「俺の霊圧が消えてる件について」

 近藤が手を上げてアピールしている。


「消えなさい、この場所から――いや、この地球から」


「全否定なの、俺の存在って!?」


「興味ないもの、あなたなんて」


「ひでぇ」


 実は逆に仲が良いのでは? 意外とお似合いかもしれん。この女をつき離した暁には付き合えるように協力してやろう。


「中田さん、本当にごめんね――これが俺の精一杯の謝罪だ」


「良いって言ってるのにしつこ――な、なにしてるの!?」

「に、西川、おまえ……」


 俺はがばっとズボンと下着を脱ぎ下ろし、息子を露出させた。


「中田さんに恥ずかしい思いをさせた! ならそれ以上の辱めを受けるのが礼儀!!」


「そんな礼儀は無いわよ!」

 手で視界を隠そうとしているが、隙間から見ている。


「そうか、なら俺も倣うぜ~」

 何故か近藤も脱いだ。何やってんだこいつ?


「きゃああああ!! もう何なのよ!? この空間!? 帰っていいかしら!?」

 そらそうなるだろうな、でも逃がさん。


「中田さん! これ以上を求めるんだね? ならこうだ!!」

「上まで脱がないで!!」


 こうして俺は全裸になった。


「ま、負けないぜ~」


 近藤も全裸になった。何してんのこいつ?


「っ――っ――ああもう! 私は引かないわよ!!」


 何故か中田も脱いだ。何してんのこいつ?

 俺と近藤を交互に見て、覚悟を決めたようだ。ホントに何してん?


 俺の部屋で全裸の三人が向かい合う。


 どうやら息子のサイズは俺の勝ちか。

 中田の胸が大きいのは解っていたが、乳首の色が薄ピンクで小さい。処女だな(断定)。


 しかし、みんな教えてくれ。なんでこんな状況になってるの?

 いや違うんだ、確かに俺から脱いだよ? でもそこはあれよ、本当に申し訳ないな~と思ったからガチの謝罪の気持ちでやったのだ。決して攻略云々で狙ってやった訳では無い。


 実は俺って天然さんなのか? 狙わない方が良い方に行くのでは?


「だ、誰か何か言いなさいよ」

「てか隠せよ身体を」

「お前もな」


 何故か三人とも隠そうとしない。仁王立ちだ。

 中島……お前の友達の気持ちよく解るよ。意外と気持ち良いものだな、露出って。


 この謎の空間は、母親が帰ってくるまで続いた。




「ねえ、精神科行かない?」


 母にそう言われた俺は、泣いて謝った。


感想と評価とブクマお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ