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4 露出狂

 高校や中学の教室は大体はグループごとに分かれることが多い。


 藍放学園1-Aの窓側後方のベストポジはギャル集団が占拠している。ギャル集団のリーダー格の中島卓実がそこの席だからというのも大きいが、意外と常識人な彼女たちが他のクラスメートに迷惑にならないためという側面もある。


 休み時間のたびに集まり、机の上に脚を掛けて座ったり股を広げて座ったりしているため、他の教室に居る者たちはチラチラ見ている。

 ギャル集団と言われる三人の女子。全員が美人で、恰好は扇情的だ。全員ブレザーは脱ぎ(中島のみ腰に巻いている)、シャツのボタンを三つ四つ開けており胸元が全開である。焼いたか地肌か不明だがクラス一の爆乳の褐色のギャルはブラが見えてしまっている。


 中島は男子の視線を感じると、さりげなく足を広げたりスカートを捲ったりする。

 陰キャ全開の男子が唾を飲み、顔を赤めて彼女を見た。その視線をクスっと笑うとペロっと指でスカートを捲る。そこには眩い白い肌の肉付きの良いフトモモと、割れ目をギリ隠せるレベルの際どい紐パンが覗ける。


 褐色爆乳は、背の低いお尻を他の生徒に突き出すように机に手をつく黒髪のショートの子のスカートを捲る。するとお尻の割れ目に食い込むパンツと白いお尻が教室にさらけ出される。二人だけに見える彼女の顔は興奮で見せられない顔になっている。


 この露出ムーヴが健介を戸惑わせていた。




健介視点――。


 どうしてあのギャルどもはあんな痴女ってるんだ?


 クソが、俺の『ギャル系だけど真面目で常識人』キャラって予想が外れてね?


 計画が崩れる……。


「エロいよな~、健介って誰派? 俺は――かな~褐色ってのがエロくて良いわ~」


 いくら彼女たちとは正反対の位置に居るとはいえ、良くそんなこと言えるなこいつ。

 俺は一応クラスの頼れる男という立ち位置なんだから空気読めよ。


「そう言うのはよろしくないぞ。見た目でどうこう言うのはダメだ」


「かぁ~真面目だね。てか、どう見ても見られたがってるだろあいつら。なら見て判断するのも問題ないだろ!」


「ふう――わかった、俺が注意してくる」


「ちょ、待てって! クラスの男子の楽しみを奪うなっての!!」


 いや、俺だってこのまま見てーよ。でも俺のキャラ的にここで注意しに行かないのはおかしいだろ。






「中島さん、その……こういうのは言いにくいんだけど、もう少し、ね?」


「え~何がもう少しなのぉ?」


 何故か答えたのは黒髪のギャルだ。一人だけ胸が無いのが恥ずかしく無いんかこいつ。


 挑発するように胸元をヒラヒラしている。


 うーむ、ノーブラか!


「もしかしてこう言うのがダメなのか?」


「――捲るな!」


 褐色も挑発するように爆乳を腕で押し上げ、片手でスカートを捲った。ヒョウ柄だと!?


「ねえねえ、どうして私たちがこうしてると思ってる?」


 中島は透き通る目で俺を見あげる。


 こ、これは何を言えば正解だ?

 せ、選択肢は?


「――ろ、露出狂?」


「ぷ、ぷぷぷ! なにそれ~!! はははははっ!!!」


 ここだ!


「分かった! 俺も脱ごう!!」


「「「へ?」」」


 俺はベルトを緩めると思いっきりスラックスを下した。



「「「「きゃー!!!!」」」」


 クラスの女子が叫ぶ。


 肉を切って骨を断つ!!

『クラスの為なら泥も被る男』作戦だ。




中島卓実視点――。


 昔から真面目に勉強一筋で来た。

 親からの期待、周りからの期待。それに応えようと必死だった。


 中学生のころ、真面目に地味系の女子(可愛いと言われてたけど)として塾に通っていた。そこで受ける全国模試、しかし一位を取ることが出来なかった。


 普通に上位だったし、親や友達や担任は褒めてくれた。しかし勝手に強制観念に駆られた私はパンクしてしまった。


 高校に上がって、私は髪を染めて制服を着崩して本来の私とは正反対の私になった。同じようなクラスメート達とつるんで遊ぶようになっていた。そこで暴露された。


「私って露出癖があるの!」


 黒髪で背の低い子が自分の性癖を言ってきた。男子たちに見られるのが好きらしい。

 寮の部屋で私と彼女が同室だ。もう一人の褐色の子が泊まりに来ており、そこで性癖の暴露大会が開かれたのだ。


 何と言って良いのか悩んでいると。


「じゃあ私たちでやんね?」


 褐色の子か提案してきた。




 存外きもちいいもんだった。承認欲求も、自尊心もすべて満たせた。

 それは中学時代に味わいたかったものだった。



 その日もいつものように露出していた。


 そこで西川健介に止められた。最近知ったが模試で一位を取っていた人らしい。


 童貞むき出しで顔真っ赤で止めてきたのが、私のちょっとした復讐心を満たしていた。

 本当に性格悪いなって思う。勝手に一位のこの人を恨んで、勝手にバカにして。


 しかしこの人は急に脱ぎだした。

 突然のことにクラスは騒然となった。私も驚いたけど、気付いちゃった。


 このかつての私の様に真面目で、クラスのことを誰より考えている彼は守ろうとしているんだ。不器用で、不完全だけど自分が泥を被ってうやむやにしようとしてるんだ。


 このままやっていれば女子に反感買うし、男子にも襲われちゃうかもしれない。先生にチクられて指導行きになるだろうし。だから道化になってバカやったんだろう。顔を見たら分かる。


「――馬鹿だね西川くん、不器用すぎ、それなんの解決にもなってないよ」


 パンツをさらけ出した彼に言う。


「何のことかな? 俺は露出狂の気持ちを解ろうとしただけだよ」


「……ばーか」


 有能で、模試一位のくせに、ほんっとうに不器用なんだから。

 やばい、めちゃくちゃ可愛い。



下ネタばかりですみません。

ちょいちょい修正するかも。


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