第9話 修行中の出来事
かなりの頻度で文章を改訂します。
活動報告には大きく加筆した場合報告させて
頂きます。
改行と加筆訂正を行いました。
2021.4.12
評価・ブックマークをよろしければ、
お願いします。
修行開始初日の午後
裏庭に戦闘術修行に剛貴だけでなく、エレンの
姿があった。
「ん?なんで、エレンがこっちの修行に
参加してんだよ。」
エレンは苦笑いを浮かべて自分の頬をポリポリと
かいた。
「いやぁ、コンバートができるようになったから
次のステップだ!ってなってさ。」
「あぁ、そういうことか。まぁ・・・そのあれだ、
あまり無理するなよ?」
「うん、気を付けるよ。」
エレンと剛貴が話しながらウォーミングアップ
を済ませていると、アーサーが遅れて裏庭に
到着した。
「二人とも準備は出来てるかい?」
「はい、大丈夫です。」
「うっす、いつでも行けるぜ。」
「うん、ならやろうか・・・」
アーサーはそう言うと構えを取った。
エレンと剛貴は姿勢を正して礼をした。
「「よろしく、お願いします。」」
剛貴は早速アーサーに向かって拳を握り締め
掛け声とともに駆け出した。
「いよっしゃー!」
アーサーは剛貴のそんな出方を全面に受け止めつつ
エレンの動きを確認した。
(ふむ、エレンくんはどんな感じで動くの
かなっと・・・ほぉ。)
「行くよ、タマ。」
「何時でも良いですよ、ぼっちゃま。」
「コンバート。」
エレンの掛け声と同時にタマの身体が光輝く、
するとタマの姿はは八角形の長さが約150cm
にもなる形に変化した。
エレンのコンバートを見たアーサーは、
素直に感心した、状況に応じて武器の選択
が出来てること、そして自分の身の丈に
あった物をを選択していた為だ。
アーサーは剛貴の拳を受け止めながらエレン
を褒めた。
「ほぅ!それタイプの武器にしたんだね、
リーチの長い物の方が戦いやすい。
良い選択だ!」
「くそぅ。こっちは必死なのに!全然相手に
されてねぇ!」
剛貴はアーサーに鋭い1-2パンチを繰り出し、
エレンは付け焼き刃の棒術でアーサーを
攻め立てた。
アーサーはそんな二人の猛攻を涼しそうに
受け止め、時には受け流していた。
(君たちには悪いが、きつく鍛えさせて
貰うよ、君たちの為に。)
アーサーはそう心の中でも独り言をいうと、
その言葉の通りにエレンと剛貴を苛烈に
攻め立てた。
数時間後
エレンと剛貴は疲れ果てて地面に寝そべっていた。
エレンは完全に寝ており、剛貴は辛うじて
意識があった。
「ぁあ、やっぱりきついな。」
剛貴は一緒に修行を受けていたエレンを見た。
「寝てるな、まぁ無理もないか。」
アーサーは剛貴の側に座ってきた。
「アーサーさん、どうしてこんなに強いんですか?」
「そうだねぇ・・・・向こうでエレンくんの
ご両親に仕えていた時に戦闘術を叩き込まれたよ。」
剛貴は成る程と静かに頷く。
「そして、この命を助けられ、
この世界に逃がされた。」
「そんなこと・・・があったんですね。」
「あぁ、色々あったよ。代わりにと思いエレンくん
を鍛えることにしたんだ。」
剛貴は声がでなかった、普段優しいアーサーに
重い過去があるとは薄々感じていたが、
自分達たちが聞くにはまだ早いと思い知らされた。
「さて、今日はもうおしまいにしようか。
続きはまた明日だね。」
「そっすね、今日はありがとうございました。」
こうして、エレンと剛貴の修行は終わった。
一方その頃、楓と華緒の修行はと言うと
地味の一言につきた。
お互いに午前中の修行で魔素を取り込む
ことは出来るようになっていた。
さらに午後からは魔力操作と自分達の得意な
魔法の発動を練習していく事となっている。
「はぁ・・・こうも上手くかないとは思って
なかったわね。」
「ですね、それぞれの魔法の理屈は理解できるん
ですけど、それをいざ発動する、ってなると
話しが変わりましたね。」
「舐めてたわね。」
「はい。」
「「ハァー。」」
そんな二人の修行を手伝っていたのは
楓の母 礼子とエレンの使い魔、黒姫と白姫。
礼子は楓を、黒姫と白姫は華緒を担当しており
三人は二人の上達具合を見ていたが、それほど
悲観するほどではないと思っていた。
「ほら、二人とも何をそんなにしょげてるんだい?
そんなに悲観するほどじゃあないよ?」
「はい、向こうの世界の人はこんなに早く
魔法を発動自体できるひとほとんどいません。」
「むしろ、凄くはやいですよ~
それに二人が取り組んでる内容は基本的に
2~3年の時間を掛けて取得するものですからね?」
楓と華緒の2人は、白姫のそんな言葉に驚いた。
「そうなんですか!」
「です、です。ってか既に楓さんは出来かけてる
のに驚きです~。」
「全くです。流石礼子さまのご息女です。」
「でしょ?私の愛娘ですもの!」
自分の娘が誉められた礼子はドヤ顔を決めた。
「あの~~お母さん?戻ってきて~。
それでこの調子なら、あとどれくらいで
物に出来そうなの?」
「そうね~あと2日間位かしら?」
「楓さんはその位でしょう。華緒さんは
明日には付与魔法は大丈夫でしょう。
この先の技術はリ・ヴァースに渡ってからに
なると思います。」
「どうして、リ・ヴァースに渡ってからに
なるんですか?」
「え~とですね、それは付与魔法を掛ける
素材の問題です~こっちのは付与魔法が
掛け難いようでして。」
「そうなんですね。それならエレンから
お願いされた物は向こうに渡ってからに
した方が良いですね。」
「そうね、そうしたほうがいいかもね。」
「そういうことだから。華緒ちゃんは~
明後日から楓と通常の魔法をかじって貰うからね?」
「「はい!」」
こうして初日の楓と華緒組の修行は終わった。
エレンは知らず知らずの内に
難度の高いことを要求してたとは。
という、話しの流れになりました。
難しい事を簡単に言うって
部下から見たら嫌ぁな上司だなぁ
と、後で気がつきました。
(まぁ、文章変更しないけどね。)