第6話 こそこそトーク
お読み頂きありがとうございます。
評価・ブックマークを可能ならおねがいします。
誤字脱字がありましたら、コメントをおねがいします。
改行と加筆修正を行いました。
2021.4.10
アーサーが柊木邸に帰宅して礼子・楓・エレン・剛貴・
華緒・黒姫・白姫・タマの総勢9名で食卓を囲み
夕食を済ませた。
食後、黒姫・白姫・タマの三匹?は久しぶりの
再会でお互いの近況報告をしていた。
「久しぶりですね、九尾の。息災でしたか?」
「うん、久しぶりだね黒姫、無理にこっちの古い
言葉で話そうとしなくても大丈夫だよ。」
「おひさ~九ちゃん。元気そうで良かったよ。」
「おひさ~、しろちゃん。こっち何も大事がなくて
平和だったよ、ぼっちゃまがやんちゃで
生傷が絶えなかったぐらいかな。」
しろちゃんは生傷が絶えないと聞くととても
心配になり傷はどうなったか聞いた。
「そうなの?!肌とか傷痕残ってないよね?
大丈夫なの?」
「勿論!ぼくを誰だと思ってるのさ、そこら辺は
治癒してるもん!」
「よく、よくやりました!九尾!流石です!
こっちを貴女に任せて正解でした!」
「でしょ!でそっちはどうなの?」
「ぜ~んぜん、ダメ!厳しいね、奴ら勢力が
日に日に大きくなってる感じだね。」
「わたしたちだけではどうしようもない
状態だと判断したので、
幾つかの勢力と同盟を結びました。
これで暫くは様子見にはなると思いますが・・・」
「不味いね・・・そうだ黒ちゃん!」
「なんですか!九尾。」
「むーちゃんは?あの子は何してるの?」
黒姫は顔を抑えてうつむいた。
「あぁ~、あの子は相変わらずですね。
一応里の守りはしていますが。」
「心配だよね~、あたしが言うのも
なんだけどさぁ。」
「そうだね、しろちゃんが言うのもなんだけど、
でも狼のやつは?どうせいつも一緒なんだし。」
「よく、わかりましたね?確かに狼さんは、
むーさんと一緒に里の守りをしてます、
なのでわたしたちはこっちに来たんです。」
「そろそろ、エレンさまのお迎えの時期ですからね。」
「少し早くない?」
白姫は苦笑いを浮かべて、黒姫はそっぽを向いた。
「あははは~」
「つ~~~ん」
白姫と黒姫の反応を見たタマは顔をしかめた。
「おい、何を隠してる?
黒ちゃん!こっちをみなさい!」
「な、何よ、何も隠してないわよ?本当よ?」
「なら、なぜ声が裏返る!」
タマは黒姫の両肩を掴み、逃がさないようにして
白状させた。
「正直に話しなさい、でないと・・・姉御に
報告するわよ・・・」
黒姫と白姫は観念したのかお互いの顔をみて頷きあった。
「実はね~、敵がこの世界来ようとしてたの~
でね、阻止には成功したんだけど・・・」
「うっかり、装置を起動してしまい・・・
こっちに来ちゃったのよ。」
黒姫のドジっぷりを聞いたタマは
しばらく開いた口が塞がらなかった。
「な、なにやってんるだよ~!」
「九ちゃん!黒ちゃんは悪くないんだよ?つい
いつものうっかりさんが出ちゃっただけなの!」
黒姫はプルプル身体を振るわせ、
うつむきながらも顔を赤面させていた。
「そのうっかりさんを出さない為に、
しろちゃんが一緒に居たのに~!何やってんのさぁ!」
「え~~~とね、・・・・・てへ♪」
「もう~~!何が、てへ♪だよ!
まぁ起きたものはしょうがないとして
ぼっちゃまの修行は予定通りするんでしょ?」
「もちろーんさぁ!」
「ええ、予定通り行うわよ、さっき聞いてた通り
コンバートからやっていくから。」
「うん、了解。他の子たちは?」
「そっちは柊木夫妻が担当する予定よ。」
黒姫・白姫・タマの三匹?は今後の予定を確認
した。
「あれ?黒ちゃんと白ちゃん。
どこに泊まるの?」
「えっ?エレンさまのお部屋よ?」
「エレンさまのお布団だけど?」
「ぼっちゃまの住んでる場所、生き物禁止だけど・・・」
「「えっ?!」」
黒姫と白姫はタマの言葉で時間が止まった。
どうしよう、どうしようと黒姫と白姫が右往左往
し始めた姿が面白いタマは、クスクスと笑いながら
助け船を出す。
「何を慌ててるんですか、ククク・・
貴方達、隠蔽魔法を使えば良いだけでしょ。」
「ハッ!そう言えばそうでした。うっかりしてました。」
「それとご飯は?どうするよ~!」
「そんな物はエレンぼっちゃまに調達
して頂くしかないでしょ?」
「むむむ、主を当てにするは何と罪深い事を!」
「じゃあ、他に妙案は?黒姫?」
「ウグッ。ない・・です。」
「それじゃあ、ご飯と寝床をエレン様にお頼み
する方向で、」
「眷属ともあろう物が・・・」
「諦めも肝心だよ、黒ちゃん。」
まだ、踏ん切りがつかない黒姫に、白姫は
黒姫の肩の辺りをポンポンと慰めるように
数回叩き諭すのだった。