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第5話 幼き頃よりの守り人

憎い!自分の語彙力のなさ!


評価・ブックマークを可能ならおねがいします。


改行と加筆修正を行いました。

2021.4.8

校舎を出たエレン・楓・剛貴・華緒の四人は

校門に佇んでいた。


「ねぇ、楓ちゃん。どうして帰らないの?」


「うん?あぁ、もう少し待ってね。」


「いや、だからなんで帰らないんだよ、

何を待ってるんだよ?」


「え・・・・っとね、家の車をね・・・

待ってるのよ。」


苦虫を噛んだように顔をする楓を見たエレンが

「あっ!」と声上げる。


思い当たることが、脳裏に浮かび

エレンは楓にある人物が帰ってきてるか

確認する。


「楓、もしかして・・・礼子さんが帰ってるの?」


楓は観念したように顔をコクリと俯き、

モジモジしだす。


そんな楓を見た華緒は嘘でしょ?と思い、

逃げる準備を始めた。


「楓ちゃん、なんで黙ってたの?

剛貴くん早く帰りましょう!」


「だな、早く帰ろう、すぐ帰ろう!」


剛貴と華緒は慌てて帰ろうと、帰路につこうとした

瞬間、エレンが剛貴と華緒の服を掴み、

逃亡を妨害した。

「おい、離せよ!エレン!

マジで離してくれ。」


「エレンさん?!あたしたちを帰させてください。

お願いしますから!」


エレンはこれでもか!という位に服を掴んだ手に

力を込めた。


「絶対に離さないよ、礼子さんが待ってるんなら

皆で挨拶に行こう!ひとりでだけは・・・」


「はぁぁ・・・わかったよ、華、諦めよう。」


観念した剛貴に華緒も渋々それに同意する。


「ですね、諦めましょう。」


「ごめんね、皆。お母さんには逆らえなくて。」


「こっちこそ、ごめんね?悪い人じゃあ、

ないんだけど。

スキンシップが強くてね。」


「確かに本当に悪い人じゃあ、

無いんですけどね。

スキンシップが・・・またあのハグが

待ってるんですね。」


「おれ、あの人だけは絶対に敵わないわ。

なんか本能がそう言ってる。」


「そうね、娘のわたしから見ても、敵わないわね。

父さん以上に尊敬できるんだけど・・・

あのスキンシップだけはね、凄く帰って来た!

って感じるんだけどね。ただ毎日は重い時があるわ。」


そんな感じで会話をしていると、

1台のパールホワイトのリムジンが楓たちの前に停車した。


助手席から女性の執事が降りてきて

後部座席の扉を恭しく開いた。


そこから1人のグラマラスなパンツルックのスーツを

着たショートヘアーの女性、柊木礼子が降りてきた。


「ごめんなさいね?待たせたわね、さぁ乗ってくれる?」


「お帰りなさい、ママ。」


「えぇ、ただいた、楓ちゃん。」


「お久しぶりです、礼子さん。」


「こっちこそ、体調は?大丈夫?、エレンくん。」


「お久しぶりです。礼子さん。相変わらずっすね。」


「ふふん、いつもパワフルでないと舐められるからね、

あなたも元気でいないとダメよ?剛貴くん。」


「はい、気を付けます。」


「お帰りなさいです。礼子さん。」


「ただいま!華ちゃん。相変わらずクリクリしてて

可愛いわね。後で撫で回させてね?」


「ひぅ・・・は・・・はい。お手柔らかにお願いします。」


「さぁ、車に乗って乗って、何時までもここにいたら

他の人の迷惑になるからね。」


エレンたちは礼子に促されるように車に乗車した。

エレンはどうして急に迎えに、わざわざ

来たのか理由を聞くことにした。


「礼子さんどうして今日、急に・・・」


「まって詳しい話しは屋敷に着いてご飯を

食べながらゆっくりしましょう。

旦那からある程度聞いてるとは思うけど、まだ

全部話してない事があるからね。

今は休んでなさい。」


「は・はぁ~、わかりました。」


柊木邸に到着しダイニングルームに通された一向には

それぞれの席に着席した。


礼子はエレンたちが着席したことを確認すると

改めて今まで自分たちが隠していたことを打ち明けた。


「と・・・・まぁ、わたしも旦那から過去を打ち明けられる

まで知らなかったわ。

なにか変わった雰囲気な感じの人だなぁ~

って印象だったんだけどね。」


「それで、お母さん。本題に入ってくれる?

まだ、話してないよね。」


「あちゃ~、誤魔化せないか。

本当にせっかちさんね、

仕方ない、これから君たちがしないといけないこと

説明するわね。」


「なにをするんですか?礼子さん。」


華緒はすかさず疑問をぶつける。


「ん~とね、始めに向こうの世界リ・ヴァースで

使える予備知識を覚えることや、

サバイバル技術と戦闘技術の取得。

あとは魔法の取得かな。」


「魔法?アニメとかである、あの魔法ですか?」


魔法と言われてもいまいちピンとこない剛貴。

楓も同じ感じらしく首を傾げている。


二人とは対照的に華緒とエレンはうれしそうに

笑顔になる。


「魔法?!魔法ですか!私たちも使えるように

なるんですか?」


たまらず、エレンはつい身を乗り出して、

礼子のほうに詰め寄る。


「えぇ、本当に使えるわよ?こっちの世界

出身の私でも使えるんだから。

だから、安心しなさい。」


そんな事を聞いた華緒は余程嬉しいのか、

天井を見上げてトリップしていた。

華緒の反応を見た礼子は優しく微笑む。


「ただ、エレンくん。

あなたは魔法は使えないわ、

リ・ヴァースに渡ってから修行してもらうから

別の修行のメニューをしてもらうわ。」


「べつの修行ですか?」


「えぇ、別メニューよ。な~に簡単よ、

あなたしか出来ないことをこれからして貰うから。」


「ぼくだけしか出来ないこと・・・ですか?」


「そうよ、あなたにしか出来ないこと・・・

それは、クリエイターの力を使って自分だけの

オリジナルの装備を作製して貰うわ。

な~に、簡単よ、使い魔に対して

換装:コンバートを使用するのよ。」


「コンバートですか?それに使い魔って、

そんなのいるんですか?」


礼子はニヤニヤと意地が悪そうな顔をする。


「あら、いたわよ?今3体があなたの側にいるわ。

1匹は今までずっとに居たし、あとの2体は

今日出会ってるわよ。」


「まさか、黒姫と白姫のことですか?」


「えぇ、そうよ。後の1匹はいつも

そばにいたのよ、出てらっしゃい。」


(やれやれ、やっとお呼びがかかったか。

忘れられているかと思っていたぞ?)


何処からともなく声が響き、エレンだけなく

楓や剛貴・華緒の四人はキョロキョロと周りを見渡し

声の主を探し始めた。


(お~い、そんなところを探しても居らんぞ?)


礼子はフフフと含み笑いをしながら

種明かしをする。


「もう、勘弁してあげたら?皆が降参みたいだし。」


(はぁ~~、このぐらいじゃまだ納得してないん

だけど・・・・・・エレン様!)


エレンは突然呼ばれてビクッ身体を震わせた。


「はい!」


(本当にぼくが何処にいるかわからない?)


「えっ!?」


エレンはまた、探しだそうとしたがあることに

気が付いた。


(礼子はさっき「いつも、そばに居たのよ?」

って言ってたよね。もしかして・・・)


おもむろに自分がいつも肌身離さず持ち歩いていた物

を取り出した。


それは誰からか渡された物でもなく、失くしたかと

思っていても、いつの間にか手元に戻っていた

七色に輝く丸い鉱石が入った

御守りを取り出した。


その瞬間御守りの中から光が溢れだした、

ポン!っと音がなるとエレンの頭に九つの尾をもつ

狐が乗っていた。


「エ・・・エレン?頭に乗ってるんだけど。」


「えっ!なにが?なにが乗ってるの?」


「これは・・・犬?・・・・いや狐だよな・・・」


「ですね、うぅん?・・・尻尾が1・2・3・4・・・9

本・・・まさか・・・・・」


「ふん!やっとか!長いわ!長いこと待たせおって

からに!」


九尾の狐はエレンの頭から、テーブルの真ん中に降りて

自己紹介をした。


「さて、自己紹介をしようかな。

ぼくの名前は九尾の狐・・・玉藻の前!

気軽にタマと呼ぶがいい!」


「九尾の狐・・・玉藻の前・・・あ!もしかして

小さいとき、遠足先でケガを治してくれた!」


「覚えてたの?あれは覚えてないと思ってたのに

・・・」


目を見開いてタマは驚いた。そんなタマを置き去りに

してエレンは続けた。


「うん、朧気にだけどね、でも姿かたちは違うけど

雰囲気というか匂いというかそんなのは

覚えたよ。」


「あぁ、小学校の遠足の時にそんな事あったわね。」


「あの時は良く無傷だったなぁ~とか思ってたけど

そういうことなんですね」


「今考えたら、お母さんたちが大騒ぎしなかったのは

タマが居たからなのね。」


「おい、泥棒ネコ・・・てめえがぼくのことを

タマと気安く呼ぶなよ!」


「「「「なぁ?!」」」」


タマはエレンたちが度肝が抜かれるぐらいの

ドスを効かせた声色で忠告した。


「あ!エレンぼっちゃまはタマと御呼びくださいね

タマと呼び難いならた~ちゃんでも、

ま~ちゃんでもお好きなように呼んで下さい。」


タマ九つのお帰りなさいパタパタと振りながら

満面の笑みをエレンに向けた。


「う、うん・・・た・・・タマって呼ぶね。」


「はい、是非そうお呼び下さい。これからも

末永く宜しくお願いしますね、ぼっちゃま。」


そんなタマこと、玉藻の前の猫かぶり具合を目撃した

三人、楓・剛貴・華緒は心のなかでこう叫んだ。


(こいつ、性格悪!)








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