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旅の道中、ウルからこんなことを言われた。
「ねえイクト少年。私の運命の人って探せます?」
「え? 探せるかどうかはギフト次第ですよ?」
「じゃあ一応、やってみてくれます? 探せなくても責めませんから」
「いいですけど。…………うぇ!?」
俺はウルさんの運命の人を探した。
探せたのだが……なんとその運命の人は俺だったのだ。
「えーと。なんか俺らしいですよ?」
「……え? イクト少年が私の運命の人なんですか?」
「…………らしい、です」
まじまじと見つめ合うこと数秒。
すごい顔したまま固まってこっちを見ているノーラ。
そして時は動き出す!
「えええええ、ちょっと待ってください、イクト少年!? それって本当なんですか!?」
「え? ええ……俺のギフトはそう言ってますよ? ふ、不思議ですねえ」
「……………………」
ノーラの沈黙が重い。
「で、でも! 俺の運命の人はノーラだから!」
「ふーん。ウルの運命の人はイクトなんだけどね」
「いや、ノーラ……それは……その……なんでだろう?」
「知らないっ」
プイっと横を向かれてしまった。
ウルはウルで衝撃を受けている。
一体、どうしたらいいのこれ。




